motorcycle ~不良の鏡~
~前回のあらすじ~
希がギガランチャーを装備。
~予告~
懐かしい人が出てくるのですが、覚えているでしょうか?
さぁて、皆もうまくやってるみたいだし、僕らもちゃッちゃと型をつけてしまおうか。残るは鉄パイプを持った数人の不良と、バイクに乗った不良。そして、あの武者鎧の魔派羅邪君だ。
「夢、行くよ。援護は任せるから。」
「OKだよ、けー君。ど~んと任してね♪」
周囲を取り囲むように鉄パイプの不良が円を描く。その中心にいるのは勿論僕ら。一斉に掛かって来た。先程夢に奪ってもらった鉄パイプを構える。そして投げつけた。それと同時に空中へジャンプ。投げた鉄パイプは囮。本命は頭蓋骨蹴り(僕命名)。一人の不良の頭に着地して、そのまま隣の不良の頭にキック。そのまま地面に降りた。大丈夫ある程度手加減してるし、僕はそこまで力強くないから。脳震盪起こすかどうか…。とにかく鉄パイプを再び持った。それを地面に立てて、不良を使って壁蹴りっ!一度こういう映画のシーン見たいのやってみたかったんだよね。マトリッ○スみたいな。
「えいっ!」
うわぁ、夢やるぅ。だって、振り下ろされた鉄パイプを素手で握り潰すんだもん。僕絶対無理。でも、夢があの力を僕に使わない事を本当に祈るよ。だって、あんな力で捕まえられたら確実に骨が砕けるって…。
「お兄、全部倒したです。撫で撫でしてくださいですぅ。」
留美もマイペースだね。こんな大観衆の目前で羞恥プレイを行って、僕に恥辱にまみれながら死ねって言ってるの?
「お前ら…、よくもこの魔派羅邪様に恥をかかせてくれたなぁ!白虎様に嫌われたら、お前らのせいだぞこの野郎!騎兵隊、全速全身だ!」
魔派羅邪君も自ら一つの馬に跨る。あぁ、確かにバイク破壊するのは大変そうだよね…。
「ご主人様、ボクにお任せください。」
何時の間にか僕の隣に立っていた希。そのランチャーどこに持ってたのさ?
「朱雀よ、これはわしの出番じゃ。見ておれ。」
何も言わないよ。僕は何も突っ込まないから。留美や希がアレだけ人間になったり猫になるんだから、いくらゴロちゃんが人間態になろうとも驚かないからね!身長がやたらと大きいのは認めるけど…。
希は既にランチャーを構えて照準をセットしてるし、ゴロちゃん(?)も手の中に光を集めてる。気合玉か何か?だけど、そろそろ僕の友達が…。
ブロロンッ!と北川の不良が乗るバイクより煩いエンジン音が当たりに響く。皆が校門を振り返れば、一番小さくてもハーレー、一番大きいのは三輪系のごつい超大型バイクに乗っている集団だった。まぁ、簡単に言えばこの街の暴走族であり、僕のお友達。
「おらおら!チャチなバイク使っていい気になってんのは、どこの輩だぁ!」
そう言いながらバイクに乗った不良を追いかけ始める。巨大な車体を生かして、不良のバイクなんて一瞬でペチャンコにしてる。あ、また一台クラッシュ。
集団の中で一際大きくて、一際ゴツイバイクが停車する。そこから一人の男の人が飛び降りてきた。
「よぉ!神速!」
「元気そうだね、森のおじさん。」
森ってのはこの人の名字ね。40代も後半に差し掛かるワイルドな人。因みに、あの時に知り合ったんだ。あは、まだ僕が殴った時についた青あざが残ってる。夢と大暴れしたけど、あのパンチは気持ちよく入ったからなぁ…。
「ま、来てくれてありがとね。」
「フハハハ、まぁ格の違いって奴を見せ付けたまでだ!」
まぁ、その後に夢も来て少し話に花を咲かせていたんだけど…。
「お前ら…、騎兵部隊まで…。神速、こうなったら一騎打ちだ!俺と正々堂々勝負しやがれ!そして俺がお前の首を切り落とし、白虎様に認めてもらうのだ!!」
首切り落とすとか、物騒だなぁ…。しかも、さっきのさっきまで質量戦を仕掛けてた奴が正々堂々勝負しろって言ってもさ…。なんだかやる気起きないなぁ。
「どうした神速!俺に恐れいったか!腰抜けめ!」
煩いなぁ…。
「森のおじさん、アイツの事、プチって潰してもいいですよ。」
「合点承知の助。」
再びバイクに飛び乗り、エンジンを吹かす。あはは、終わりだよ、魔派羅邪君。重たい鎧のせいで機動力がかなり下がってるし、潰されるのは時間の問題だね。ドンマイ☆
しかしだった。急にバイクが止まった。あれ?エンスト?
「慶斗、ここはアタシ達に任せてくれないかい?」
聞き覚えのある声。あれ、この声って…
「遥!?」
「やぁ慶斗。時系列的には久しぶりさ。」
そういう話はやめようね。ってか、何でここにいるの?
「北川の阿呆がやらかしてくれたらしいねぇ。このままだとアタシらの名折れなんだよ。だから、ちょ~っとお灸を添えにね。」
「犬にも左利きがある。神速、このバイクの運転手に何か言ってくれないか?」
あれ?天馬君、基、蛇慰安戸・馬鹿。すご~い、北川高校一年のトップ1が揃ったじゃん。って、蛇慰安戸君、あのバイクを無理矢理力で押さえつけてるの?凄いね…。
「森のおじさ~ん」
「待ってろ神速!今この木偶の坊を轢いたら直ぐに…」
「あぁ、その話だけど、バイク止めてくれない?自分内で蹴りを付けたいんだって。」
そんな事を話すと、森のおじさんはバイクを止めてくれた。改めて遥と天馬君が魔派羅邪君の前に立ちふさがる。
「なんと!白虎遥様!我が勇士を見に来てくれたんですね!しかもトップの天馬様まで。お力添えを頂けると言う事ですね!これで百人力だ!」
しかし、無言で近付く二人。天馬君が魔派羅邪君の両肩に手を置いた。そして、…鎧を引き千切った!凄いにも程があるでしょ。鉄でできた鎧を引き千切るとか…。
「魔派羅邪、アタシは確かに神速を越える条件を出したはずさ。だけどね、あんたは何か勘違いしてるのさ。誰が殴り込みに行けって言った?誰が昼間っから人様に迷惑掛けれって言った?誰が大人数で一人を倒せって言った?」
段々語気が荒くなっていくのを感じてか、魔派羅邪君が顔を青くし始めた。あ~あ、遥を怒らせちゃった。でも、本当に遥は不良の鏡だよ。
「不良なら不良らしく、その信念貫いたらどうなんだい?喧嘩ってのはね、戦争じゃないんだよ。拳と拳で物事を解決するもんさ。鉄パイプにバイク?ふざけるんじゃないよ!今日その身を以って覚えておきな!」
逃げようとする魔派羅邪君を、天馬君が押さえつけた。その間に遥がいつもの髪留めでポニーテールを作る。それをヘアピンでお団子状態に。遥がいつも喧嘩をする時の流儀。
「北川スケバン秘伝流…」
なんだか、歴史を感じる技だね…。だけど、辺りはシンと静まり返っている。遥に威圧されてる。体の横で拳を構えると、そのまま無防備な魔派羅邪君の腹へと突き出した。タイミングよく蛇慰安戸君が拘束を外したので、気持ち良いくらいに飛んで行く彼。さよ~なら~♪
「いやぁ、一件落着さ。んじゃ慶斗。アタシ達は帰るよ。ここらに転がってるやつらとバイクのスクラップだけど、後でアタシ達の部下に片付けさせるさ。邪魔したよ。」
遥と天馬君は去っていった。格好いい…。誰もがそう思ってるに違いない。
「それじゃ、俺もまた一っ走りしてくる!じゃな、神速。また何かあったら呼べよ!」
森のおじさんも仲間の人たちに指示を出して、エンジンを始動させる。ヘルメットを被りなおして、格好良く挨拶をしてきた。僕もそれを真似てみる。今日は色々大変だったなぁ…。
「あばよ、神速。また会お「させるかよぉぉぉっ!!!」グベシッ…」
突然現れた黒い影が、森のおじさんを蹴り飛ばした…。
・?の交換日記
見つけた…。やっと見つけたぞ!
※次回から、小説タイトルを変えたいと思います。理由は、タイトル名と小説の内容が噛み合っていないからです。私の小説はほとんどそうなんですが…。