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complete ~暗黒物質と~

~前回のあらすじ~

いよいよ人生初の爆弾作り。ゲームの世界からチョビ髭兄弟がこんにちわ。出汁になってくれました。味付けはカレールー、アクセントに“萌えメーター”なる物を。不良が着ましたが猫と象が追い払いましたとさ。


~予告~

鬼がピクピク、熊がくぅん…

やっと先輩が帰ったところで、残り時間は30分。そろそろ一生懸命やらないとね。あ、少なくとも僕は最初から一生懸命だからね?作り方調べたの僕だし。うん、確かに買い物で籠持ちは翔太だったし、サンドバック役は翔太だったし…。でも、言う方が悪い。


「これより、第三回軍会議を始める。内容は最終工程についてだ。知っての通り、爆弾の要となる燃焼物は完成した。だが、まだ足りないものがある!何か分かるかね?朱雀一等兵!」

「火でありますか?」

「萌えにより正解としたい所だが、殴られてしまうので間違いとする。次だ、瀬波工作兵!」

「男のくせに指図しないでくれる?男は皆狼、女性の敵よ。やっぱり女の子は女の子とくっ付くべきなのだわ!」

「質問を質問で答えると言うタブーにより、一階級格下げだ。瀬波百合っ娘兵!いいかね、君には“萌え”と言う物が足りないのだよ、“萌え”が。萌えとは、この世界において一番の価値を持つものだ。朱雀一等兵を見習いたまえ!彼など体の全てが萌えで構成されている。100%天然製の萌えなのだ。これは宇宙の神秘だぞ。」

死ね☆ グガバシダコッギビアグ…。何が神秘だって?僕にとっての神秘は君の頭の中身だよ。一度超新星爆発で散らすといい。すっきり爽快、生まれ変われるよ。文字通りの意味で♪


「気、気を取り直そう。期待の新星、宇津木二等兵。君の考えはどうだね?」

「はっ!愛情であります。いくら爆弾とは言え、愛を注がなければグレて暴発を起こしてしまっ…。」

そこまで言って、こちらをチラッと見やる夢。僕の心配をしてくれたのかな…。だけど、大丈夫だから。グレたりしないよ。


「?どうかしたか、宇津木二等兵。確かに愛情を注ぐのは一理あるだろう。保留、と言うことにしようじゃないか。次だ、椎名二頭身兵!」

「私は青ダヌキじゃないのよ?」

「物の例えだ。気にするな。」

「どこで○ドアで異次元に飛ばしてもいいんだけど?」

そう言って、渚があのピンク色のドアを取り出した。あれ?どこに持ってたのさ?あ、ドアの向こう側から何か変な触手が伸びてきた…。


「椎名八頭身兵!止めてくれ!コレは軍命令だぁ!今すぐこのプレイを中止するのだ。俺は触手こんなのを希望したはずないぞ!?ソフトなSMくらいしか…」

あ~、聞いてない、聞いてない。


「渚に虐められる…。いいかも…」

瀬波さんも何も言ってない、言ってない。


「うぎゃぁぁぁぁぁ~!」

翔太の断末魔の叫びは、翔太の姿と共にドアの向こう側へ消えた。渚がスルスルスルとドアを制服の袖口にしまっていく。仕組みが知りたいね。


「胸囲129.3cmは、ちょっと惹かれるかも…」

夢、君は君のままで言いと思うから。因みに僕はネズミがいなくても、本気出せば129.3km出せるよ。時速じゃなくて、日速だけど…。


「隊長が消えたから、適当に作ろうか。この暗黒物質ダークマターもとい、爆弾の入れ物なんだけど…。」

困った。何に入れればいいんだろう。爆弾らしく金属?いや、持ってない。意外性を考えて鬼曹長先生の口の中とか?うん、これなら地球にも優しい。本当言うと、翔太の中で爆発起こしてまともな人間に更正させた方がいいと思うんだけど、軍人会議に出頭したくないしね。さ、早速提出と言う名の爆破実験を行おうかな。先生、お勤めご苦労様でした。食べられる爆弾の夢が、今叶います。


「先生、出来ました。」

今だプルプルと消臭○ッドみたいに震える先生。そう言えば、あのCMの振り付けは今でも体が覚えてる。因みにコパンのCMも何気に覚えてる。笑わないでね?“ちっちゃくたって一人前”なんですから。


「おぉ、待ちに待っていたぞ。お前らが一番最初だ。全員勲章物だぞ。」

『サーイエッサー!』

「では、頂くとしよう。頂きます…グブエァッ!」

先生、南無…。プルプル震えてた先生が、ピクピク痙攣し始めました。何か面白いかも…。


「余ったの、どうしようか?」

「流す?」

「駄目だって。環境破壊の上に、四大公害病よりたちが悪いよ。」

『朱雀一等へ~い…』

「あれ?何か聞こえた?」

「いや、聞こえたけど、聞こえてないふり。」

だってさ、折角いなくなったのにわざわざ召還すること無くない?僕もイラつかないし、翔太も殴られずに済むから一石二鳥じゃん。って言うか、翔太の声、鍋の中から聞こえるよ?何に転生しちゃったのさ?


「ここは私の出番のようね。」

宇津木二等兵、もとい夢が棘がびっしり生えた金棒を制服の袖口から取り出した。確かエスカリ何とかだと思う。…だからどうなってるのさ?


「ピピ○ピ○ピ○ピピ○ピ~」

あの復活呪文を唱えた。えっと、あなたはどこの撲殺さんでしょうか?


「宇津木二等兵、助かった。後で勲章をやろう。因みに形は髑髏型だ。」

「イエッサー!」

軍人コントが始まってしまった。さて、どうしようか、本当に…。チラッと渚を見やると、何気なく買っていた熊のぬいぐるみで遊んでいた。あ、入れ物見っけ。


「渚、ちょっとソレ貸して?」

「え、うん、まあいいけど…」

渚ゴメン、この熊五郎はお国の為に散っていきます。俺はぬいぐるみの口の中に、鍋の中の残り物を全て注ぎ込んだ。よし、完璧。振ったらタポンタポン言ってる。逆流しないように口と鼻を摘んで早5分。熊五郎の色が変わってきた。白い毛が茶色く染まる。熊五郎のフォームチェンジ?


「くくくくくく…。」

え?今何か喋った?このぬいぐるみ?


「ワシは蘇ったぁ!数千年積み上げたこの積年の恨み、晴らしてくれるぅ!」

「あの~。」

「なんと!?ワシよりも巨体の人間がいたとは!」

どちらかと言えば僕は小柄な方だと思うんだけどな…。熊五郎は自分の体を見てギクリとした…。


「何じゃこりゃ~!」

その声で、翔太達どころかクラスの皆がこっちを見た。唯一例外は鬼曹長先生。まだピクピクしてた。


「え?あ、あはは、何じゃこりゃ?てへっ♪」

僕は気が可笑しくなったのか!?頭を軽く拳で小突いて、舌を出して『てへっ♪』だって?ぼ、僕はなんて言うことを…。顔が熱くて火が出そうです…。


「とうとう童顔の貴公子が覚醒したぞ!!」

『うぉぉぉー!』

翔太の掛け声に反応する男子たち。とりあえず殴って鍋に放り込んでおいた。


「可愛いいいいいいい!!」

次に動いたのは渚。飛び掛った先は熊五郎。両手でガシッと掴んで離さない。あぁ、発動されちゃった。渚の癖、可愛い物を見ると周囲の迷惑関係なしに捕まえてしまう。過去の犠牲者は“僕”、“捨てられてた子猫”、“よちよち歩きの赤ちゃん”などなど…。君は一体何番目の犠牲者だい?熊五郎…。


「待てっ!この生意気な娘が!仙人の力で罰してくれる!」

なにやら熊五郎が気合を入れ始めた(様に見える)けど、それは不発に終わってしまう。しょうがないよ、このモード時の渚はどんな力も受け付けないから。


「ひぃひぃ…。くぅん…」

何気に可愛げある声だな?渚が嬉しがってもっと握り締めてるし。そろそろ死ぬな…。パァンって破裂して。あ、それこそ爆弾じゃないか。


「渚、そろそろ開放してあげたら?いい加減窒息死するから。」

「むぅ…」

あぁ、この時の渚ってすごく可愛いんだよ。この表情なら人一人殺せるよ?とりあえず渚は熊五郎を置いた。熊五郎は逃げもせず、喉を押さえてヒィヒィしていた。


「なんであのダークマターから出て来たの?」

「知らぬ。ずっと昔にある奴に封印されて、闇の中をさ迷っていた。だが、さっき俺の横を青年が走っていってな、後ろを振り向けば何やらヌルッた触手が近付いてきていたのだ。それで逃げたらこんな姿に…」

全ての原因は翔太って事だね…?すこしお仕置きをしないと駄目かな?


「慶斗、この子私が責任もって飼うね。」

渚、話がかなり飛んでるよ。それに“飼う”って…、元は人間みたいだよ?この熊五郎。


「名前を付けなくちゃ♪」

「そうか、自己紹介がまだだったな。ワシは仙人の東郷八代宮近衛兵太夫(とうごうやしろのみやこのえ へいだゆう)だ。ふむ、気軽に八代を文字って、“ヤッシー”と呼んでも構わんぞ。」

「渚、僕的には熊五郎だと思うんだけど。」

「おい、人の話を…。」

「えぇ~、折角だからカタカナが良い。」

「だからワシはヤッシーで良いと許したでは…」

「じゃ、ゴローか、ゴロちゃんでいいね。」

「うん、ゴロちゃん!」

「もういいです…。」


てな訳で、今日、この世界に今までの科学の常識を覆すイベントが起こった。無理矢理科学的に書くとこうなる。


◎反応物

・水

・洗剤

・リンゴ

・バーモン○カレー

・チョコレート

・配管工兄弟×2

・ク○パ

・萌えメーター


◎生成物

・暗黒物質

・青龍翔太

・ゴロちゃん


世界に誇れる今世紀最大の研究だと思う。さっそくネイチャーに応募しよう。もしかしたらノーベル賞ものかもしれないな…。


「ケイ、何を言う。今世紀最大の発見はだな、萌えなんだよ。」

クールにすました顔をして言ってきた翔太に、今日一番のパンチをお見舞いしておいた。

この話のスタイルとしては、一つのテーマを数話に分けて書いていこうと思います。よって今回で第一部、『家庭科実習』は終わりになります。次回からは第二部を始動させますので、よろしくお願いします。

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