japanese ~おじゃる~
~前回のあらすじ~
慶斗にネコミミがパイルダーオン!
~予告~
国語の授業で封印!
あのカオス空間も終息になる頃、再び国語担当のおじゃる先生が来た。一度顔だけ教室に入れてキョロキョロとすると、スルリと入ってくる。
「授業を始めるでおじゃる。」
これこそ、この先生が“おじゃる先生”などと呼ばれる所以。語尾に“~おじゃる”と付けるのが特徴。服装に至っても簡易な和服姿と言う、時代掛かりな感じだ。まぁ、それ以外は普通の先生だとは思うんだけどね…。
「今日は徒然草でおじゃる。教科書39ページを開くのでおじゃる。」
皆が開くのを確認すると、先生はそのページに書かれている文章を読み始めた。僕、古文とか漢文とか苦手なんだよね…。だってさ、昔の人が書いた奴だよ?現代に生きる僕らが読む必要性なんて…。
「はい、では朱雀君。ここを訳すのでおじゃる。」
え、僕!?どうしよう、予習なんてしてないから分からないよ。すると、前の席に座っている渚がノートを立てた。そこには僕の必要とする情報が全文に渡って書いてある。ありがと、渚。
「ひがな思う事を書き散らして…」
何とか渚の助けのお陰で、窮地を脱した僕。
「はい。朱雀君お疲れ様でおじゃる。椎名さんとの絶妙なコンビネーションも素晴らしかったでおじゃるよ。」
…ばれてた。流石にあの先生は洞察力が高い。
「先生!ケイとの絶妙なコンビネーションができるのは、俺も一緒です!」
立ち上がり様に翔太が叫ぶ。嫌だよ、僕は。しかも席が遠く離れている君が僕にノートを見せることなんて…。
「ふっ、愛の力があれば可能なんだよ。」
僕の机の上で寝転がるゴロちゃんを翔太に投げつけておいた。周りのクラスメートもいつもの事だからと軽い気持ちで受け流している。
「ケイ、これは何のプレイだ?」
「先生、青龍君が煩いです。」
「イケメンは絶滅しなさい。女顔男子もよ。」
「先生、けー君の耳をハミハミしたいです。」
だんだん収集が付かなくなって来た。ってか、瀬波さん。あなたは夏休み終了まで出番はないはずです。出て来ちゃいけません。それに何で夢は僕に近付いているの?何で目がそんなに危ないの?あはは、まるでオリエンテーションの時みたいだよ。
「封印でおじゃる。」
おじゃる先生が懐から何かを取り出した。ただの数枚の紙切れ。いや、紙切れじゃないよ。あれ、お札だから。遅刻や居眠り、授業妨害などを起こした生徒に対する先生のお仕置き方法。それが“封印”と言う手段。家系に代々伝わるお札で生徒を封印するらしい。だけど、大丈夫。授業が終わる頃には封印が解かれるから。
「はっ!」
翔太、瀬波さん、ゴロちゃんに夢の額にお札が貼られた。一瞬、まずいと言う顔をしていたけど、直ぐに気絶してしまった。
「授業を続けるでおじゃる。」
そして、再び授業が再開された。
まぁ、授業終了までに何人かが封印されたものの、授業は無事終わりました。特に話すことはないので、コレにてこの話も終わりに…
「させるかぁぁぁ!」
教室に飛び込んで来た変な塊。あ、玄武君か。なんでこの教室に来たのさ?「プリントを届けに来ました。あぁ、なんと言うことだ。夢さんが気絶している。こ、こうなったら人工呼吸を!」
僕はカードの選択にこの先の未来をゆだねることにした。“玄武君に何か投げる”“無視する”“夢を起こす”“玄武君にもお札を貼る”。4番をすごくやりたい。しかも、永遠に目覚めない様な、凄い効き目のを。1番も捨てがたいね。だけどあえて2番の無視かな。どうせ、玄武君だから、自滅してくれるだろうし。
「ぎゃぁぁぁぁっ!」
どうなったかはご想像にお任せします。だけど、その後救急車じゃなくて、霊柩車が来たことは言っておくね。
・玄武の交換日記
あぁ、川の向こうに美女がいる。俺を呼んでるのか?まぁ、当然だな、今行くぜ!




