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それぞれの未来

ついに最終話です!その後の彼等の物語をどうぞ!

 つばめが元の世界に帰ってから1週間後……王宮ではリリアンヌが姫君の姿となっていて、国王であるグリムスと話をしていた。


「あれから1週間……グルバルガは死んでこの世界への脅威はすっかり無くなってしまったな」


 グリムスは窓の外を見上げていて、リリアンヌもコクリと頷く。


「ええ。ですが、盗賊や暗殺者などまだまだ問題があります。それを解決しつつ、国民の豊かさと平和を安定させるのが、今の私の仕事です」


「そうだな。ところで、エルメダスの様子はどうかね?」


「あちらをご覧ください」


 リリアンヌは窓の外の方を指差すと、エルメダスが男性騎士を相手に懸命に立ち向かい、木の刃を腹の部分に当ててダウンを奪う。


「そこまで!」


 騎士団長の合図で試合が終わり、両者は一礼する。


「流石は勇者パーティーにいた聖騎士だな。実に見事だ」


「ええ。ですが、まだまだこれからなので気を引き締めていきます」


 男性騎士の褒め言葉にエルメダスは苦笑いをしながら返す。


「なるほど……エルメダスは確実に成長しているな」


 この様子を窓から見ていたグリムスは、感心の表情をする。


「ええ。彼女は女性騎士団の隊長として成長する事になります。私もこの国を治める女王になる為にも、今を精一杯頑張るのみです!」


 リリアンヌも強い決意を固め、グリムスもコクリと頷く。


「そうだな。何れにしても、この世界は新たな物語へと導かれるだろう……これからの未来に期待だな」


「ええ」


 二人は窓の外に再び視線を移すと、穏やかな風が吹き始めていた。これからの未来を願っているように……





「よし!今日はこのくらいですね」


「はひー……」


 サンドキャニオンの神殿では、シリアがファールスによる魔術の指導を受けていた。ようやく指導が終わり、シリアは腰を抜かしてしまった。


「教師になるのって大変ですが、まだまだこれからですね」


「そうですね。まだまだ習う事はありますので、しっかり覚えておくように!」


「はい!」


 ファールスの指導にシリアが頷いた直後、彼女はある事を思い出す。


「あれから……1週間経ちましたね」


「ええ……スベラスの死ですね。彼がいなくなってからその分を頑張ろうと思いますし、今頃彼は地獄で裁かれているのかも知れませんね」


「あれだけの悪事をしていましたからね。自業自得ですよ」


 ファールスの意見にシリアも同意する中、彼女はブレイブバングルを見つめる。


「そして、つばめも元の世界に帰ってしまいましたし、彼女は今頃どうしているのか気になります」


「もしかすると……普通の高校生活を送っているのかも知れませんね。会いたい気持ちもあるかも知れませんが、彼女なら新たな未来を切り開くと信じています」


「そうですね。私も未来を切り開く為に強くなり、夢に向かって頑張るのみです!」


「ええ!その気持ちを忘れないでください!」


 シリアの強い決意にファールスも笑顔で同意した。





「ふむ。どうやら彼女達は新たな道を進んでいますね」


 アミルド神殿では、リリアンヌ達の様子を水晶玉で見ていたクルーゼは感心の表情をしていて、フェリカが彼の元に駆け寄ってきた。


「クルーゼ様。地獄から連絡がありました。グルバルガについての処分は最も大きい為、最大級の苦しみを味わう刑罰を受けられるとの事です」


「そうですか。スベラスについては?」


「スベラスは自身の罪を償う覚悟はできていて、奴隷としての刑罰を受ける事になりました。あのパイルマンとの戦いがあったからこそ、変わっていたと思います」


「分かりました。報告感謝します」


 フェリカの報告にクルーゼは一礼し、彼女は微笑み返す。


「パイルマンは今頃どうしているのでしょうか?」


「彼については放浪の旅を続けていますが、今では新たな仲間と共に旅をしていると……」


「彼の物語がどうなるのか楽しみですね。つばめさんも今頃、自身の未来に向けて頑張っている頃でしょう」


「ええ……」


 二人はとある石像に視線を移し、パイルマンとつばめの事を思い浮かべていた。それは、二人が共に戦う姿を表現した立派な石像であり、外からの太陽の光に照らされて光り輝いていたのだ。





「これで全部だな……」


 マリンタウンの離れた場所にあるベロスト鉱山では、パイルマンがモンスターを全て討伐し終えていた。


「パイルマンさん!こっちは終わったッス!」


 彼の元に駆け寄ってくるのは青いスライムと緑のゴブリン、そして奴隷となっていた紫色の髪をした女性だ。


「スラタニ、ゴブマツ、アイシャ。ご苦労だったな」


「いやいや。アイシャなんか大活躍ッスよ!彼女、出会ってから二日しか経ってないのに、魔術を駆使して敵を倒しまくったッス!」


「僕等は数体しか倒してなかったけどね……」


 ゴブマツの興奮とスラタニの苦笑いに、パイルマンはつばめの事を思い出す。


(そう言えば……つばめも同じ様な展開だったな……)


 するとパイルマンの元にアイシャが近づき始める。


「どうしましたか?」


「いや、前に共に戦っていた仲間を思い出してな……今はもう別世界にいるんだけど……」


 パイルマンの話にアイシャがある事を思いつく。


「そう言えば、叔父である博士が異世界へと繋ぐゲートを作ると聞いていました。完成次第繋げるという事で……」


「おお!リリアンヌ達にも報告しておかないとな。さて、依頼人に報告しに行くか!」


「「「はい!」」」


 パイルマン達は鉱山を後にし、依頼人の元に報告しに向かい出した。





「うん……」


 現代世界の高原の木の下では、つばめが背伸びをしながら空を見上げていた。

 あれから彼女は積極的に行動する事になり、以前の様な臆病な性格は無くなっていた。更に彼女は自ら格闘技を習い始め、自身の将来も考えようとしているのだ。


「あれから随分経ったな……皆、それぞれの道に向かって突き進んでいるみたい……」


 つばめは起き上がったと同時に、青い空を見上げる。それは雲一つない快晴だ。


(異世界に飛ばされてから色んな事があったけど、この思い出は忘れられない。また会える日を待っているから!)


 つばめは心の中で思いながら笑顔を見せた後、その場から走り去った。何処かで再び出会える時が来る事を信じながら……





 異世界から転移した少女と狼に姿を変えられた戦士。彼等の紡いだ物語は永遠に語り継がれるだろう。そして、彼等の再会はどうなるのか……それは別のお話で。

短期連載となりましたが、無事に完結しました!


今後も執筆活動を続けますので、レッスルヒーローズも宜しくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
[一言] 連載完結おつかれさまでした。それぞれの未来が良い結末を迎えそうで、グッドエンディングで終わってよかったです。中でも、パイルマンがつばめが再会出来るような希望を持てる最後になっていたのはよかっ…
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