プロローグ 追放と狼
小説家になろう Thanks 20thを記念して、短期連載の小説を始めてみました!
「えっ!?俺がクビ!?」
とあるダンジョンの出口。そこでは一人の男が四人の仲間の一人の宣言に驚きを隠せずにいた。仲間の3人も同様だ。
「そうだ。今のお前では話にならない。たとえ頑張ったとしても、最後は役立たずになるのがオチなんだよ、パイルマン」
「スベラス、どういう事だよ!」
戦士のパイルマンがスベラスと呼ばれた魔術格闘家に質問した直後、女性勇者のリリアンヌ、ビショップのシリア、聖騎士のエルメダスがスベラスに視線を移す。
「スベラス、今のは言いすぎよ!」
「そうよ!彼だって前は臆病だったけど、今は勇気を出して戦っているから!」
「追放しなくてもいいじゃない!」
3人の反論にスベラスは首を横に振る。
「いいや、こいつはレベルも低いしとんでもない役立たずだ。いくら頑張っても無駄な物は無駄なんだ。勇気なんて通用しないんだよ」
「そんな言い方ないじゃないか。確かに俺はレベルが低いけど、足手まといじゃ……」
「やかましい!そんなお前にはこれがお似合いじゃ!」
「口調おかしくなっているよ」
スベラスの口調にリリアンヌがツッコむ中、彼はパイルマンに向けて魔術を放った。
「うわっ!」
魔術を喰らったパイルマンは煙に包まれてしまい、煙が晴れた途端……人間から狼になってしまった。
「何だこりゃ!?」
狼の姿になったパイルマンは驚きを隠せず、スベラスは更に次の魔術を唱える。
「強制転移!」
「うわっ!?」
更にスベラスはパイルマンの足元に魔法陣を展開し、そのまま彼を何処かに飛ばした。
「何処に飛ばしたの?」
「さあな。さっさと行くぞ!」
スベラスは先に進み、リリアンヌ達は円陣を組んでヒソヒソと話し合い始める。
「スベラス……何かあったのか気になるけど、碌でもない展開になると思う」
「うん。いざとなったらパイルマンに伝えないと!」
「よし。何れにしても私達で頑張りましょう。彼の闇を暴いてやる!」
3人は円陣を解除して、スベラスの後を追いかけて行った。
思わぬ追放宣言だけでなく、狼にされて飛ばされたパイルマン。果たして彼は今後どうなるのか!?
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次回はキャラ紹介です!