第七百五十七話
「アーシャすまぬ、手伝ってほしいのじゃ」
「玉藻お姉さんのお手伝いなら喜んで。もう四十階層に着いたのですか?」
「いや、四十階層への渦が見当たらぬのじゃ」
舞のスキルを確認していたアーシャに助けを求めた。制御区画に行く道があるとしたら最下層のあそこが一番の有力候補だ。何かあるに違いない。
となれば、全てを見通す目を持つアーシャに頼るのが最も早い解決方法だろう。俺はじっちゃんが名探偵でもないし、体を小さくされた高校生探偵でもないのだ。
「玉藻お姉ちゃん、舞も探す!」
「では舞にもお願いしようかのぅ」
三人寄れば姦しい・・・じゃなかった、文殊の知恵と言うからね。一人より二人が良い、二人より三人が良い。
「見事に何も無い部屋ですね」
「うわぁ、広いなぁ」
何も無いただ広い部屋に出てアーシャと舞が呆然としている。この部屋の中から何か手がかりを探せと言うのだから、無茶振りも大概にしろ!と言いたくなる。
「一応一人で探ってはみたのじゃがな。ここに来るまでの通路も含めて何も見つからんかった」
「では、何かありそうな場所を探してみます・・・ありました!」
アーシャが目を閉じて集中した数分後、何かを見つけたようだった。流石は千里眼、さす千である。
「くっ、舞が見つけたかったけどアーシャちゃんに負けちゃったかぁ」
「舞、千里眼に勝つのは無理ゲーと言うものじゃぞ」
アーシャが案内してきたのは、この部屋に入る入り口のすぐ脇だった。しかし俺の目には普通に壁があるようにしか見えない。
「ここに魔力の揺らぎが見えます。何かあるならばここしかないでしょう」
「そうなの?舞には何も見えないわ」
俺にも何も見えない。しかし、アーシャがそう言うならばそうなのだろう。彼女が嘘をつく理由など無いのだから。
「ふぅむ・・・分からぬ」
「何かがあるのは間違いないのだけど・・・」
流石の千里眼でもこれ以上は何も分からないらしい。まあ、挑戦者が勝手に制御区画に入ったら困るよな。厳重に封鎖されているのも当然と言えば当然か。
「玉藻お姉ちゃん、どうするの?」
「こうなったら取れる手段は一つだけじゃ。昔から言うじゃろう、困った時の神頼みとな」
解決方法が分からないなら、それが分かりそうな存在に聞けばよい。過去にイタズラ好きな神と知識欲旺盛な神が入った実績があるのだ。神ならばそれが可能に違いない。
「玉藻お姉ちゃんは本当に神様に頼めるから・・・」
「洒落になりませんね」
普通は神社で神頼みした所で叶わないからね。これは神様から依頼を受けている俺だけの特権だ。他の人には真似できまい。
と言う訳で迷い家に戻りお社に向かう。もしも制御区画に入る方法が日本神話の神々に伝わっていなかったとしても、宇迦之御魂神様を通じて文殊様や思兼命様に相談したら何とかなるだろう。
知恵を司る神仏にどうしようも無かったら、ただの半神である俺なんかにはどうしようもないからね。その時は依頼がどうなるかを宇迦之御魂神様と協議しないとな。
玉藻「戦隊ヒーローのエンディングが混じっておったような気がするのぅ」
作者「気のせい、気のせい」
まさか戦隊ヒーロー終わらせてメタルヒーロー始めるとは・・・




