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第六百三十四話

 迷い家から舞とアーシャを呼び、再び地図を作成してもらう。三十三階層と同様、一分程で航空写真のようなリアルな地図が出来上がった。


「軍曹、これと同じ物を作ろうとしたらかなりの労力とお金がかかりますよね?」


「久川の言う通りだ。ドローンを使う事になるだろうが、機材の搬入だけでかなりの手間だな」


 なにせダンジョンの中では物資の搬送は人力で行われるのだ。荷を運ぶ人間を護衛する必要があり、運搬者と護衛が消費する水と食料も運ぶ必要がある。


 となると荷が増え運搬者も増やす必要が出て、そうすると消費する水と食料も増えるので荷が増え・・・


「それを一気に解決する玉藻様と皇女殿下のスキルって破格ですよねぇ」


「妾はその為に宇迦之御魂神様からスキルを賜ったからのぅ。皇女殿下は神々の影響が無い筈じゃから純粋にチートじゃな」


 舞とアーシャを迷い家に戻すついでに俺達も一緒に戻る。少し早いが昼食をとり、三十四階層には午後から向かおうと思う。


 食事をしながら皆にクラゲについて話した。皆興味深げに聞いていたが、中でも食いついてきたのは舞とお母さんだった。


「一度魔法の撃ち合いやってみたい!」


「舞ちゃんなら勝てますね」


 無邪気に魔法合戦をしたいと言う舞をアーシャが応援する。舞の魔法発動速度はクラゲを遥かに凌駕していたから、舞が負ける事はまず無いだろう。


「触腕より傘の方が一般的だけど、歯応えは触腕の方があるかもしれないわね」


「世界初の貴重なレアドロップを食べないで下さい!」


「玉藻様といいお母さんといい、なんですぐ食べようとするのですか!」


 井上兵長と久川兵長からツッコミが入る。一般的に食用可とされる物を見付けたら、普通はどうやって食べようかと考えるよね?


「玉藻様、普通はそんな考えになりませんよ」


「二人ともサバイバル能力が高いのかな?」


 冬馬軍曹からもツッコミが入り、ニックから意外な方向からの意見が飛んだ。どうやら先程思った事が無意識に口から出ていたようだ。


「考え方が違うのは料理が出来るかどうか、でしょうか?」


「舞もあの境地に辿り着かないといけないのね」


 そんなやり取りの中、冷静に考え方の違いについて考察するアーシャ。舞は母さんや俺と同じ境地に至ろうと気合を入れている。


「触腕の問題は先送りにするとして、午後は三十四階層に進出する予定じゃ。出てくる敵によっては舞に応援を頼むかもしれん」


「玉藻お姉ちゃんの役に立つなら喜んで!あっ、報酬は玉藻お姉ちゃんの膝枕権一時間で!」


 相手によっては魔法攻撃力が必要になるかもと思い舞に協力を頼むかもと言ったのだが、ちゃっかりと報酬を要求されてしまった。


「まあ、それくらいなら構わぬが・・・皇女殿下には地図の作成をお願いしておるからのぅ。夕食後じゃぞ」


 舞の報酬要求を聞いたアーシャが期待に満ちた目で俺を見つめてました。アーシャの地図作成が無かったら、今も三十二階層で渦を探していた可能性が高いからなぁ。


 舞もアーシャも、尻尾モフモフだけでは満足できなくなってきたのだろうか。これが母さんにまで伝染しなければ良いのだけど。

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― 新着の感想 ―
皇女を魅了する悪い狐
ナマコだってホヤだって誰かが食べてみて調理法を確立したから今も食べられているのです! つまり玉藻様(優君)やお母さんの言動は人間として正しい 昆虫食だって近年までは割りとゲテモノ扱いだったけど今や普通…
美味しいか 美味しくないかそれが問題だ。
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