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第六百三十二話

優「鉄カブトが虫で朱カブトか熊なのに逆になっているとのご指摘を受け訂正しました。六百二十九話と六百三十話が訂正されていますが、話の筋は変わりません」


作者「この上は、ミスの責任を取って自主的に活動の自粛を・・・」


優「それ、作者がサボりたいだけだよね?さあ、休まず執筆しようか」


作者使いの荒い主人公である。

 舞とアーシャは迷い家に戻ってもらい、俺達は三十三階層へと降りる渦に到着した。ここから先は正真正銘前人未到、出現するモンスターがどんなものなのかも分からない。


「軍曹、まさか私達がここまで来るとは思いませんでしたね」


「そうだな、優君に・・・玉藻様に会わなければ今でも浅い階層の間引きをしていただろう」


 久川兵長と冬馬軍曹は渦を凝視しながら語り、井上兵長も緊張した面持ちで渦を見ている。


「では行くぞえ。何が出るか分からぬ、心せよ!」


 全員がタイミングを合わせて同時に渦へと入る。渦を抜けた先は荒野フィールドで、索敵が楽な代わりにモンスターからもこちらを見つけやすい状況だ。


「スリープシープのような大型モンスターの影は見当たりませんね」


「とすると中型の可能性が高いか。少し厄介かもな」


 久川兵長の報告に冬馬軍曹が警戒を増す。体の大きさは物理的な強さと直結する。それが無いという事は、他の面で強さを発揮するという事だ。


 スリープシープのように大きいモンスターならば井上兵長の杖や久川兵長の戦鎚も当てやすい。中型や小型で素早いモンスターの場合、二人の武器が無効化されるかもしれなかった。


「玉藻様、あそこにモンスターらしきものが!」


「おお、恐らくあれがそうじゃろう」


 井上兵長が指差す先には、モンスターらしき物体が浮いていた。体が半透明なので見つけにくいものだったが、よく見つけたものだ。


「空飛ぶクラゲ・・・ですかね。触腕は一本しか無さそうですけど」


 慎重に接近しながら観察する。こいつがどんな特性を持っていてどんな攻撃をしてくるのかも不明なのだ。まずは情報収集を行わねば。


「色が変わりましたね。触腕がこちらに・・・散開!」


 クラゲの体色が半透明から赤に変化し、触腕がこちらに向いた。冬馬軍曹が叫ぶと同時に火の玉が飛来したが、俺達はその場を離れていたので被弾しなかった。


「魔法を使ってくるタイプのようですね」


「弾速がそう速くない上に変色するから躱しやすいです」


 火の玉を放ったクラゲの体色は半透明に戻っていた。どうやら体色が変化するのは魔法を撃つ時だけらしい。


 久川兵長と井上兵長の気が緩む。攻撃時に体色が変化するのなら躱すのは容易いからだ。しかし、ここは三十三階層。そんな場所のモンスターが弱い筈はない。


「井上、久川、油断するな!跳べ!」


 冬馬軍曹の叱責に二人は反射的にその場から跳んだ。二人が居た場所を雷が襲い激しく放電した。


「遅い火の玉を見せた後、着弾が早い雷属性とはのぅ」


 俺と冬馬軍曹は黄色に変化したクラゲを見てすぐに回避行動を起こしていた。井上兵長と久川兵長は軍曹が叫ばなければ雷が直撃していただろう。


「むっ、取り敢えず回避じゃ!」


 半透明なままのクラゲが触腕を向けてきた。嫌な予感がしたので回避するよう叫ぶ。すると俺が居た場所に何かが着弾し、地面が盛大に爆ぜたのだった。


「複数属性を操るクラゲとは、厄介な敵じゃのう」


 現在判明しているのは火と雷、そして謎の透明な攻撃だ。こいつ、幾つの属性を使えるのやら。

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― 新着の感想 ―
触手の数だけ魔法が打てるんやな… なお、考える作者が死ぬ模様
情報を得るために相手の手札を使わせないといけないのが辛いとこですなぁ というかこの先記録を更新するならずっとこれが続くだけに初見殺しの類が怖いな ……即死攻撃とかないよね?(震え声) いやじゃーロン〇…
まだ撃ってくる魔法の属性が色で判別できるだけ有情って感じですかね もっと下に行けば透明なままで予備動作も無く魔法を撃って来る敵も出てきそうです
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