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第四百七十四話

 暫くダンジョン攻略に関する質問が続いた。皇居ダンジョン担当は冬馬パーティーへ変更されるのか等、侍従長と関中佐が答えるべき質問だったので俺は休む事が出来た。


 父さんが軍医となる事への質問も来たが、想定内だったので俺と関中佐で卒なく答えていった。そして、時間的に最後と思われる記者が立ち上がり質問を投げかけた。


「滝本准尉の妹さんは転校手続きをとられたと小耳に挟みましたが、公立中学校に戻られるのでしょうか?」


「私人の、それも未成年の個人情報に関する質問にはお答えしかねます」


「会見はこれで終了とさせて頂きます。ありがとうございました」


 舞の転校先というプライベートな情報を聞こうとした記者を睨みつけ席を立つ。彼は何の目的であんな質問をしてきたのか。


「中佐・・・」


「ああ、調べる必要がありそうだな」


 舞は四月からアーシャの学友として近くに居る事となる。それを知っていたのか知らなかったのか。知っていたとしたら、何故質問したのか。


 知らなかったとしたら、知ってどうしようとしているのか。どちらにしても不愉快であり、警戒を厳にする必要がある。


 市ヶ谷に戻り、情報部の部長室に籠もる。面子は部屋の主である関中佐と俺、父さんと母さん。それに舞の五人。


「記者会見はご覧になりましたか?」


「はい、家族で中継を見ていました。あの最後の質問が気になります」


 関中佐の問いに父さんが答える。母さんも深刻そうな顔をしているが、当事者の舞は普段と変わらず俺の腕に抱きついている。


「舞はマイペースだなぁ」


「だって、危ないかもしれないなんて今更でしょう。神様の使徒様の妹なんだよ。それに、何かあってもお兄ちゃんが守ってくれると信じてるから怖くないし」


 舞が言う通り、俺の家族という時点で色々な勢力から狙われる事は避けようがない。何らかの目的で探ってくる者が居たとしても想定内と言えば想定内なのだ。


「幸い、事件の件もあって滝本家の皆さんに滞在して頂く場所は比較的安全度が高い場所です。急いで調べましょう」


「そう言えば、何処に住む事になるのか聞いていなかったわね」


 俺達家族は自宅に居られなくなった為現在は迷い家に住んでいる。この上なく安全で情報を守れる居場所なのだが、注目されている事もあってこのままという訳にはいかない。


「俺も聞いていませんでした。中佐、両親と舞は何処に住むのですか?」


 陸軍士官学校は全寮制だ。なので俺は寮に入る事になると思うので、両親と舞が新たな家に住む事になる。


「申し訳ない。本来は軍の官舎にと予定していたのだが、安全面で万全を期す為に変更となりました。皆さんに明日から滞在してもらうのは、迎賓館です」


「「「「えっ?」」」」


 予想外な返答に俺達一家は声を揃えて戸惑いの声をあげた。もしかしなくても昨日訪れたあの迎賓館だよな?


「迎賓館ならば警備は厳重ですし、舞ちゃんがアナスタシア殿下と同じ車で通学出来ます。先生には迎賓館スタッフの診断をしてもらう事になりますが、お願いしますね」


「それは勿論構いませんが・・・」


 海外からの賓客が逗留する施設に宿泊とか、父さん達は落ち着けないのではないかな?

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― 新着の感想 ―
ロシア以外の国賓招くときどうするつもりなんだろう? 招いてる間自宅帰れないか、国賓にすれ違った際の礼儀作法習得強制させるのかどっちだろう? 国賓対応って男爵、子爵では習得不要な高度の礼儀作法だろうし、…
おはようございます。 予想通りのアホ質問で終わるかと思いきや、最後に不穏な質問をして来ましたねマスゴミ。どこかから情報が漏れたのは確実ですが、果たしてそれが何処からなのか…?
ある日、迎賓館での国賓の一言 「オーさすがニッポンの文化!こちらが本物の『ゴスロリメイド』さんデスね!」 なお、英国からの要人が迎賓館に訪れるとき、必ず同席する日系英国人のボディガードがいるそうで…
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