ヤンデレ幼馴染に雪山に監禁されました……。畜生、決して屈するものか!
俺の名前は伝馬真意。高校二年生。
突然だが、俺は今危機的状況にある。
学校帰り。突然、謎の男達に拉致されたのだ。
目隠しをされて車に押し込められ、降ろされたのはどこかの雪山。山中の山小屋に監禁されて、半日がたっている。中には暖房がついているが、もしも、これが無かったらとっくに凍え死んでいただろう。
突如、山小屋の扉が開いた。警戒するが、それはすぐに困惑に変わった。
「真意君、生きてる? 凍死とか、してないよね?」
「葵……?」
ひょっこりと顔を出したのは、俺の幼馴染の少女、三条葵だった。
彼女は、父親がAI関係の会社の社長であり、金持ちである。
どうやら、俺に惚れている様で、昔から積極的に好意を伝えてくれる。が、俺はというと、彼女の事は姉妹の様に見ている節があり、それに応える事は無かった。
顔見知りが現れて、ほっとする。一方で、何となく嫌な予感がして、俺は躊躇いつつも口を開いた。なぜ、彼女はこんな雪山の山小屋にいるのか。
「葵? どうしてここに?」
「良かった。生きてるね……勝手に死なれちゃ困るからね。……ごめん真意君。今回の黒幕、私だから」
「え……」
「だって、真意君、私の告白、毎回無視するじゃん。流石に私もキレちゃってさぁ。お金次第で汚れ仕事もしてくれる人達に頼んで、ここに真意君を監禁したの」
「なんて事を……」
俺は絶句した。葵がここまで強硬な手を使うヤンデレ女だとは思わなかった。
「というわけで真意君。私の彼になってよ」
「断る! こんな事する奴と付き合う事なんて出来ない」
「ふーん、そんな事言うんだ」
すると、葵は、スマートフォンを取り出した。驚いた事に、そこからは俺の声が響いていた。
「最近のAIは凄いよねぇ。人の声も再現出来るし、思考も再現出来る。……うちの会社の人に頼んで作って貰ったんだ、真意君を再現したAI……。もう、いらないよね。本物。AIがいるんだから。……暖房、消すね」
俺は彼女の考えている事を理解して、戦慄した。
俺の代わりに、AIで再現した、代用品の俺を愛でる事にシフトしようとしている。
そうなったら、本物はいっそ、邪魔……? この極寒の中、暖房を消されたら……。
「待て! 付き合う! 付き合うから! 暖房を消すな! 凍え死んじまう!」
「初めから素直になれば良いんだよ」
葵は満足したのか、俺に唇を重ねた。
「私の事、裏切ったり捨てたりしないでね? 私の事、怒らせない方が良いよ……AIならいるから。ね?」
ChatGPTで遊んでたら思いついたネタ。生成AIが流行語にもなった事だし、ネタは鮮度が命という事で。ちなみに本作には生成AIは使ってないのでご安心を(?)
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