38話
今度は6人でレッスン室へと向かう。
そして、踊る前にストレッチをしていた。
「急きょってことだから、まだオリジナル曲ではなくて、nanaのカバーだそうです」
「…あいつは手抜きか。何でnanaばかりやらせているんだよ」
英人は不満げにつぶやく。
「俺はnanaの曲いいと思うけど。バラエティ豊かだし」
「別に曲は否定しない。nanaの曲ばかりやらせて、君たちをnanaの後釜にするんじゃないかってのが不安なだけ」
「二週間後だから、しょうがねえんじゃねえの?全く考えてないってことはないんだろうし」
「…そうだといいけど」
しかし、社長の英人好きを知っている3人は、正直英人が入るまでオリジナル曲は作らないのではないかと、内心考えていた。
「ボクも子役時代に踊ったことあるけど、子供向けの簡単なのばかりだったからな」
「俺は芸能活動の経験は全くない。だから、先輩がたにご教授していただけるとありがたい」
「聖夜だったよな。今日から一緒のグループだし、堅苦しい話し方じゃなくていいからな」
「この話し方は昔からだから、気にしないでいただきたい。しかし、空高さんで合っていたか。そう呼ばせていただいても?」
「おうおう。呼べ呼べ」
千蔭に対してもそうであったように、空高は身内だと受け入れた人にはフレンドリーに接している。
「じゃあ、アキ先ちゃん先輩、ハルちゃん先輩、チカゲちゃん、エイトちゃん!」
「グリはちっとは遠慮しろよ」
そう苦言を呈すが、本気で嫌がってはいない。
「しかし、こんな早くまたステージに立つとは思いませんでしたね」
「今回キャンセルになったグループ。よくテレビに出ているところなんだけど、ちょっとスキャンダルでバタバタしているらしくて」
まだ、千蔭たちが出ると発表する前のチラシを見せる。
それをみんなでのぞき込む。
「あー。未成年飲酒で問題になっているところですね…」
「キャンセルは決まっていたけど、代わりにグループ入れるか、別のグループの時間増やすか、検討していたみたいだ。そこを一昨日から話題になっている君たちに出てもらおうとなった。明日にはSNSで発表するから、気合い入れとけよ」
「まだ、俺たち無名だから、キャンセルになったグループのファンに恨まれそうだな」
「パフォーマンスで見返せばいいんですよ」
「お前ら、実力はあるんだし」
他にどんなグループが出るのかと、チラシを見ていく。
千蔭は、ある一つのグループ名に目を見張った。
「Eternal…」




