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第42話 アーケシウス改造計画

 購入したアーケシウスは、バザーの出品者が大型の蒸気車両に乗せて自宅まで運んでくれた。


 父が空けてくれた倉庫にアーケシウスを運び入れ、母が錬金術で調合してくれた錆落としの薬剤で表面を磨くと、朽ち果てているように見えた機体はかなり小奇麗になった。


 倉庫には昔、小型の従機を置いていたことがあるらしく、一通りの道具も埃を被ってはいたが残っていた。


 リーフの記憶に一切残っていないところを考えると、軍関連のなにかがあったらしいことは容易に想像がついたが、それよりも道具が揃っていることを喜んだ方が子供らしい反応だろうな。


「保管していただいてありがとうございます、父上。これで修理だけでなく、改造もできそうですね」

「……改造?」


 僕の発言に、父が不思議そうな視線を向ける。


「はい。この動力のシステムは古いので、液体エーテルを搭載して一般的な魔導炉(まどうろ)で動かせるようにしたら便利かと思うのですが、いかがでしょう?」


 従機や機兵には、魔導炉という魔力増幅装置が搭載されている。現代の従機や機兵はこの魔力増幅装置で搭乗者のエーテルを強化することで巨大な機体を稼働させるのだが、骨董品のアーケシウスの仕様は少々異なる。


 この機体は、かなり昔の技術――魔層炉(まそうろ)という吸引装置で空気中の魔素(マナ)を取りこんでエーテルに変換することで稼働している。アーケシウスを点検してみたところ、残念ながら魔層炉は経年劣化で使いものにならなくなっていたので、当初の予定どおり、今の機兵と同じ魔導炉に仕様変更した方が良いという判断になった。とはいえ、今の僕は子供の身体なわけだし、自分のエーテルでアーケシウスを長時間稼働させることは難しい。だから、その不足分を普及している液体エーテルでカバーしようと考えたのだ。


「……そうだな。今の機兵と同じ仕様に合わせた方が長く使えるだろうし、お前が乗るなら身体の負担も少なくてよいだろう。燃費のことは気にしなくていいぞ。パパが好きなだけ買ってあげるからな」


 父は僕の考えを丁寧に咀嚼し、大きく頷いた。


「助かります、父上」


 ここまで僕の考えに対して肯定的であるのは、長く家を離れることが多かったし、父なりになにか家族のためにしたいことがあるのだろうな。ここは子供ではどうしようもないところだから、厚意に甘えさせてもらおう。それと、改造に当たって父には他にも頼みごとをしなくては。


「……それと、可能なら――なんですが、父上の職場の機兵を見せていただきたいんです。今後の参考になればと思うのですが、いかがでしょう?」


 さすがに軍事機密もあって厳しいかもしれないが、そこは敢えて口には出さずに父の反応を伺う。


「ふむ……」


 父は顎に手を当て、少し考えてから倉庫の外に視線を向けた。


「そうだな。パパの機体でよければ見学出来るように調整してみよう。操縦しているところは見せられないが、それでも構わないか?」

「はい、それで充分です」


 出来れば触ってみたかったが、軍の機兵に子供を搭乗させられるわけがないので、そこは分別を示す。


「それと、スクラップにした機体部品がたまってきているから、整備士にかけあえば都合をつけてもらえるかもしれない。必要なものをリストアップしておくといい」


 父は僕の返答に笑顔で頷き、願ってもない提案をしてくれた。


「ありがとうございます、父上!」


 ついでに整備士と話も出来そうだし、父の職場に行くのが楽しみだ。こうして父と交流するのは、母との交流とはまた違った気づきや視点があるものだな。


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[一言] なんとなくスチームパンクなイメージにかわってきました。
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