表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

無自覚な男

作者: わたしゅん

私はしがない会社員。年齢的にも人の上に立つ立場になってきた。つらい時期もあったけれど今は楽しく残り少ない社会人生活を送っている。

「部長。資料チェックお願いします。」

若手社員が声をかけてきた。こいつは入社してからかわいがっている奴でいい男なのだが仕事面ではイマイチである。まあそんなところもかわいいのだが。

「本当にこれでいいと思って私にチェックをしろというのか?まったく成長がない奴だな。」

一見厳しく聞こえるかもしれないがこれも彼のためを思ってのことだ。こういう厳しい言葉を受けて人は成長するのだと私は考えている。

「部長お茶です。あんまり高木君を責めるとまた会社休んじゃいますよ~」

女性社員が茶汲みをしてくれた。スタイルが良く美人の彼女は正に茶汲みに適している人材である。

「ありがとう。美人に汲んでもらう茶はうまいよ。しかし、美咲くんは高木に甘すぎるんだよ。人間は鉄と同じで打たれれば打たれるほど強くなるんだよ。」

「はいはい、何度も聞きましたよ~。ほどほどにしてあげてくださいよ~」

そう言い残すと彼女は業務に戻る。もう彼女は私専門の茶汲みにするように人事部に相談してみようか。

「それにしてもいい尻だ。お前もそう思うだろ高木。ん?」

「は、はぁ…そうですね。ははっ…」

「何顔ひきつってんだよ。美咲くんに直接言うとセクハラだぞ?」

そう言って高木の頭をはたく。これが毎日のルーティンになってきている。まったく高木はいじりがいのあるかわいい後輩だ。

「まあとりあえず資料は作り直しだな。今日中に見せに来い。終わるまで変えるなよ?」

「はいわかりました…」

落胆して自分の席に戻る。うんうん私もそうして上司に言われてきたなぁ。頑張れよ高木。そう心の中で高木の背中に語りかける。今日も後輩を育成していることを実感して業務に戻る。


「本田さんお疲れさまでした~。『上司シュミレーター~部長編~』いかがでしたか?試験結果はまた自宅に送りますね。手応えははどうですか?」

「ばっちりですよ。こんな試験などしなくてもしなくても私は部長の器を持ち合わせていますから。まったく上司になるために免許が必要なんて面倒くさい時代になったものですよ。」

「コンプライアンスが厳しいですからね~」

そういうと職員は目が笑っていない笑顔で去っていった。

「さーて部下でも誘って飲みにでも行くか。」

独り言を残して私は自信に満ちた表情で免許センターを後にした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ