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4話 サイコパスの女の子

 藤澤美結梨(ふじさわみゆり)は自身の家に恋人になった正城縁(まさきゆかり)を住まわせた。そして、縁のファーストキスを奪い、ずっと一緒宣言をした。

 その日、縁と美結梨は学校に行かなかった。職員や生徒達からは、よく休んでいる(縁の事を調べるため)美結梨の事はいつもの事だと思われているが、絶対に休まない(家にいたくないため、中崎雅(なかざきみやび)に会うため)縁の事は休むのはおかしいと思われていた。その中、縁の友達である雅は縁の事について異変を感じて考え込んでいた。


(縁が休むなんてあり得ない! わたしに会うために風邪でもインフルエンザでも来た縁が休むなんて絶対にあり得ない! 何か事故にまきこまれたのかな? ……それとも、カス共(縁の家族)の仕業? ……もしかして、最近縁の事を嗅ぎ回っている1年のメス犬(藤澤美結梨)? これは……調べないといけないね……! このままだとわたしから縁が離れちゃうかも! そんなの絶対やだ! 縁はわたしだけの友達なんだから!)


 雅は可愛い顔で怒りの表情を浮かべていた。怒りが雰囲気で伝わっているからか、周囲の生徒達は雅を避けていた。雅にとっては縁以外どうでもいいので気にしていないが。




 夕方。雅は自宅に帰ると、着替えたり、道具を用意したりなどをしてから自宅を出た。

 その後、以前に縁に教えてもらっていた縁の家の前に来た。インターホンをならすとすぐに縁の母親が出てきた。縁の母親は見知らぬ可愛い女の子が訪ねてきた事に驚いている様子である。


「えっと……名前は?」

「急にすみません。わたしは縁さんの友達の中崎雅といいます」

「嘘つけ。あれに友達がいるわけない」


 雅は大好きな縁の事をあれ呼ばわりした縁の母親に怒りが沸いたが、なんとか抑えた。


「縁さんを呼んでもらえませんか? いつも絶対に学校を休まない縁さんが休んでいるので」

「へぇ。ついにサボったんか。知らんけど」

「…………」


 母親らしからぬ態度をとる縁の母親に雅は怒りが強くなった。だが、まだ抑えている。


「縁さんを――」

「あぁ、あれ帰ってきてない。どっかで野宿してんだろ」

「……探さないんですか?」

「あんなん探さんでもええわ。勝手に帰ってくるだろ。汚かったら家に入れないけど」

「……チッ!」


 強い怒りで思わず舌打ちした雅。縁の母親は雅の舌打ちを聞き逃してはおらず、喧嘩売られたと受け取った。


「あ? 子供のくせに大人に対して舌打ちとか調子のってんの?」

「縁さんの事を全然大事にしてないようなのでついやってしまいました」

「あっそぉ。言っとくけどあんなの大事じゃない。この家には優秀な子がいるからあんなのどうでもいいの!」

「……優秀な子がいるから優秀じゃない子は邪険にしてもかまわないって事ですか?」

「うん、そう」

「……そうですか。……死ね」


 可愛い顔から殺意に満ちた表情をした雅。一方の縁の母親は雅が戯れ言を言ってきたと思って笑いながら家に戻ろうとした。雅はそんな縁の母親の背中(心臓の部分)に――、


 グサッ!!


「ううっ!!」


 尖っていて切れ味も良いナイフが縁の母親の心臓を貫いた。更に、そのナイフは縁の母親の他の内臓も的確に貫いた。


「がっ!! あがぁっ!!」


 縁の夕方は経験したことの無いイタリアを受けて奇声を上げ、意識を失った。一方の雅は倒れた縁の母親を見て可愛らしい笑みを浮かべていた。

 その後、雅は縁の母親を縁の家に引きずっていくと、ナイフで縁の母親の体をバラバラにして家内にばらまいた。返り血を浴びた雅は可愛らしい笑みを浮かべたまま、


「ふふふっ! あと2人!」


と声を上げた。




 縁の母親が殺されて少し時間が経った時、縁の妹が家に入ってきた。そして、バラバラになった縁の母親と飛び散っている血を見て、


「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


と悲鳴を上げた。そして、足がすくんで立てなくなった。そこに、ナイフを持った血まみれの雅が笑みを浮かべながら現れた。


「ねぇ、縁の事どう思ってる?」

「だ、だ誰!? お母さんを! ……お母さんを!!」

「そんなのどうでもいいの。縁の事どう思ってるの?」


 雅は縁の妹の胸ぐらを掴んで脅すように聞いた。


「あいつは……!」

「は? あいつ?」

「いや、いやっ! お姉ちゃんは……!」

「お姉ちゃんは?」

「お姉ちゃんは……お姉ちゃんはっ……え、えっと……」

「分からないんだねっ!!」


 縁の妹の太ももにナイフをおもいっきり――、


 グシュ!!


「あああああああああああああああっ!!」


 ナイフは縁の妹の太ももを見事に貫通した。そして、刺したところの左右を切って、太ももを切断した。


「うわああああああああああああああああああああああっ!!」


 縁の妹は太ももの切断面から大量に流れてくる血と経験したことの痛みを受けて悲鳴を上げた。そんな縁の妹を雅はゴミを見るような目で見ながら聞いた。


「ねぇ。縁の長所を3つ言ってみて?」

「痛いいいいいいいいいいっ!!」

「早く言って」

「うううううううううううううっ!!」

「耳障りな声上げてないで早く言え!!」


 雅は縁の妹の太ももの切断面にナイフを刺した。


「あああああああああああああああああああああっ!!」

「うるさい!!」


 また刺した。


「いやああああああああああああああああっ!! 言います!! 言いますから!! 刺さないで!! 刺さないでぇ!!」

「じゃあ言って? 3つ」

「運動できる! 頭良い! 友達いっぱい!」

「……全部違う。……終わりだ」

「っ!!?」


 雅は縁の妹のもう1つの足と腕2本を瞬間で切った。四肢を全て失った縁の妹は体内に血が無くなり過ぎて意識が無くなった。雅は縁の妹の体も切ってバラバラにして家内にばらまいた。そして、


「あとは……1人!」


と縁の父親を殺すのを楽しみにした。




 日付が変わってすぐの時間。ようやく縁の父親が帰って来た。お酒を飲み過ぎたせいでベロベロに酔っぱらっている縁の父親は2人分のばらまかれた体と大量に飛び散っている血を見て、一瞬で酔いがさめた。


「ま、まさか……!」


 縁の父親は信じたくないという思考でばらまかれた体の1つに近づいた。その時、ナイフを持った雅が現れた。


「こんばんは。ずいぶん遅かったですね」

「お、お前が……!」

「はい。縁の家族なのに縁の事を全く理解していなかったので殺しました」


 縁の父親は鬼の形相で笑みを浮かべている雅に言った。


「ふざけるな!! あれを理解できないなんて当然の事だ!!」

「……あれ。また、あれ、ですか」

「はあ!? あれはあれだ!」

「縁をあれって言うな!!」


 雅は縁の父親の首を切り落とした。縁の父親は即死である。


「……あ、やっちゃった。苦しめてから殺そうと思ったのに。まぁ男だから醜い奇声あげるだけだろうからいいか!」


 雅は満面の笑みを浮かべると、自身の血まみれの体を見て、


「それにしても、わたし今すっごく汚いな。シャワー浴びよ」


と言って、縁の家のバスルームに入ってシャワーを浴びた。綺麗になると縁の部屋に行って縁の数少ない私服を着た。


(縁の服……全部貰っちゃお!)


 雅は縁の部屋にある縁の私物のほとんどをカバンに詰め込んだ。


「よし! これで終わり! さてと、燃やすか!」


 雅は縁の家にガソリンをまいて火をつけた。縁の家はどんどん燃えて、外でもわかる程の火が出てきた。雅は縁の家が燃えている間に帰った。

 雅は帰りながら独り言を言った。


「次は1年のメス犬だ!」

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