ぽち。
「お問い合わせは0×△0の、□◆☆♤まで!」
朗らかなナレーション。
高機能を備えたお買い得商品。
限定らしい。 咄嗟に手にした。
素早く、的確に穿つ指先。
いまや、スマホで気軽に購入できる。
衝動買いといえばそれまでだろう。
ただ、必要だと思ったから。
もう、楽しみでしかならない。
いざ、手にしてみてヤラかしてみても後悔などしない。
心踊るとは、まさしくこの事を言う。
ピンポーーーン。
キタ━(゜∀゜)━!
「お届けものでーす」
お手頃サイズの段ボール箱を強引に奪い、受け取りのサインをする。
焦っていたせいか、まるで蛇がのたうち回ったような名字を。
近頃は判子など要らなかったらしい。
「ありがとうございます!」
足早に去り行く配達員からを勢いよく離れ、部屋へと。
まずは届けてくれたことに感謝だ。
とはいえ、封を切らざるを得ない。
びりびり、バリバリ。
ぱかっ。
待ち望んでいたモノとは程遠かった。
昂ることなど無い。
悲しみすら浮かばない。
むしろ――恐怖心でいっぱいになった。
隣人と間違えたにしても怖すぎて、思わず蓋を閉じる。
何も見なかった。
そう、誤魔化した。
床に置いた中身がごろんと鳴る。
真っ赤に淀む、染みが溢れていった。