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第九章 どきっ!!dance with prince!

「おい、おそいぞー!タウチ!!」


 ・・・・あ、そういえば忘れてた。ホールの前で待ってるっていってたな・・・ハナミズキ・・・。


「ご、ごめん!」

「どーせ、忘れて部屋でダラダラしてたんだろー。」

「ち、違うよ!!」


 忘れてはいたし、部屋でダラダラしようとしてたけど!!けど!!結局ダラダラしてないし!!


「へーへー。ま、早く一緒にいこーぜ。」

「え、えっと・・・・。」


 ミラとつないだ手をちらりと見る。


「どうぞ♪あとはお若いお二人で♪」


 ミラは仲人さんのようなセリフを残して先にホールに入ってしまった。


「えーっと、なんだっけ・・・えっと・・・ダイハツだっけ?」

「ミラだよ。ダイハツってそれどこから出てきたの?」


 ハナミズキの脳内が心配になるよ。


「ああそうだった。ミラさんとタウチ、仲いいのな。」

「まぁね。お友達、だと勝手に思ってる。」

「ふぅん。・・・・じゃあ、俺のことはなんだと思ってる?」


 うーん。難しいな。


「婚約者?」

「そりゃそうだな。」

「こんにゃく?」

「なにいってるんだ。」

「幼馴染。」

「まぁ、間違ってはねーけど・・・・。」


 えー、それ以外かぁ・・・・。難しいなぁ・・・・。


「・・・・うーん。・・・・・家族?」

「へぇー。さしずめ俺は兄ちゃんか。」

「いや、弟。」


 うーん、我ながら的確なり。


「なにいってるんだよ。身長的にも俺が兄ちゃんだろ!!?」

「はぁー!!?ハナミズキは心がちっちゃいでしょ!!!だから弟!!!?」

「なんだとー!!!?」


 私の方が精神年齢は年上だー!!!!


「おい、おめぇらなにやってんだ。」


 声をかけられたので、振り返るとミズキさまがいた。あきれたような顔をしている。


「いや、ちょっと・・・・

「母さん!!タウチが変なこというんだぜ!!?タウチが俺のこと弟だと思ってるんだとさ!!」

「そりゃあ変だな。」


 なぬっ!!!?ミズキさままでっ!!


「タウチにとってハナミズキは未来のお婿さんだろぉ。」


 ぎゃっ!!摘まみ上げられた!!と、思ったらミズキ様の肩の上に座らさせられた!!

 となりを見ると、ハナミズキももう一方の肩に座っている。


「よぉし、おめぇら!!!会場いくぞ!!」


 ミズキさまは私とミズキの腰あたりにそえていた手を離し、バンっ!!と重そうな扉を両手で開いた。一瞬こちらにみんなの視線が集まった気がしたが、すぐにそんな感覚は消え去った。・・・ひぇええええ!!!ぐらぐらする!!!死ぬ!!!!怖い!!!


「ミ、ミズキさま!!!どこにいってらしたのですか!!」


 確かにそうだ。主催者がどうして外にいたんだ。って、ひえっ!!やっぱぐらぐらする!!怖い!!


「ちぃーっとずらかっただけだろ。ぎゃーぎゃー言うなよ。」

「ですが・・・。」

「あぁん!!?」

「・・・・失礼いたしました。」


 もはやヤンキーと大差ないよミズキさま!!

 あ、頭にもう少し強い力で抱き着いても許されるかなぁ!!!?は、ハナミズキは・・・・ええっ!!?なんににもつかまってないぞ!!平然とした顔で座ってる!!


「お、おろしていただけませんか?」

「玉座までいったらな。」


 ひぇー!!!・・・・と、思ったら再び腰に手を添えてくれた。よかったぁ・・・。


「タウチ、お前食い過ぎじゃねぇか?ハナミズキよりだいぶおめぇぞ。」

「ご、ごめんなさい!!」


 そりゃあハナミズキは細いもん!!


「ま、子豚ちゃんみたいで俺は好きだぜ!!ぎひひひひひっ!!」

「ははは・・・・・。」


 子豚か・・・・。私、ミズキさまにもそんな風に思われてたのか・・・。


「お、ついたな。」


 あ、本当だ。やっと王座についた。これでおろしてもらえる。


「ほいっと。」

「ぎゃあ!!!」


 ひ、ひどいよ!!ミズキ様!!ぽいって放りなげたよ!!!顔面から着地しちゃったよ!!いやー、地面綺麗そうでよかったー。

 華麗に着地したハナミズキから渡されたハンカチで顔を拭きつつぼんやりとミズキさまを見上げていると、ミズキさまと目があった。そして、その瞬間ミズキさまはいたずらっ子のような顔でにやりと笑った。

 い、いやな予感がする・・・・。


「おい、注目!!オーケストラも曲止めろ!!」


 どよめきがあったが、すぐに会場は静まりミズキさまに視線が集まる。


「これから、モクレンの女王タウチザクラ・モクレン殿と我が国の第二王子ハナミズキ・ミズキが踊る!!目ぇかっぴらいてみてろよ!!こいつら以外誰も踊ったりすんな!!・・・・・・おい、タウチとハナミズキ。ホールの真ん中いけ。」


 そ、そんなぁ!!私、ダンス苦手だって知ってるよね!!?ミズキさま!!!


「はぁ・・・・。」


 ハナミズキはため息をつきながら、私に手を差し出してきた。

 ま、まさか・・・・!!!


「行くぞ。ホールの真ん中に。」

「いやだよ!!」

「母さんの暴走は誰にも止められないし、ここまで注目集めといて今更やめますとはいえねぇよ・・・。」

「ま、まぁ・・そうだけど・・・。で、でもさぁ・・・」

「行くぞ。」


 ハナミズキはずるずると私を引きずり、ホールの真ん中へと無理やり連れだした。


「タウチザクラ・モクレン女王、私と踊っていただけますか?」


 ぎえええええええええっ!!!ハナミズキが王子さまみたいなことしてるううううう!!胸に手を当ててひざまずいてるぅうううう!!!




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