第八章 どきっ!!さよなら悪魔さん!!
「ぱらぱらりーん♥」
謎の言葉とともにミラによって布がかけられ一瞬視界が暗転する。
「はい、どうぞ♥」
布が取り払われたので、体に目を下すと・・・・
「な、なんじゃこりゃあ!!!?」
「ピエロスタイルです♥」
ピエロのような・・・いや、ピエロが着てる洋服っぽいめっちゃださいピエロ服のようななにかに服が変わっていた。
「ダッサ!!こんなの洋服といえないよ!!ミラの脳内どうなってるの!!!?」
「なかなか言いますねぇ♣とりあえず、服のセンスについて貴女に言われたくはありません♣」
なんだとぉー!!!?
「ま、それはかなり趣味が悪いと僕も思います♥」
「やっぱそうだよね!!?」
これもう本当になんか・・・・すごいよ!!いろんな意味で!!
「なんかほかのでお願い!!」
こんなので出るのはいやだよ!!
「はぁ♥では、ぱんぱらぱらりーん♥」
また布だ・・・。この布、なんか仕掛けが・・・・
「はい♥」
お、できたのか!!
ぱっと下をむくと・・・・
「え・・・・なんか・・・なんともいえない・・・。」
「貴女センスどうなってるんですか。」
「え?」
なんか、ガチトーンでひどいこと言われた気がする。
「・・・・・・・あ、ねぇ!!!スノウさん!!」
ラッキー!!スノウさんが部屋に入ってきた!!
「なんでしょう?」
「このドレス、センスいいと思う?」
「ええ。とっても素敵ですね。よくお似合いですよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
マジで・・・・・?
「嘘いってない?」
「もちろん。私は貴女に嘘などつきません。」
そういって頭をなでられた。ぐへへへ・・・。
「準備はできたようですし、早く舞踏会の会場に行くのですよ。」
「え、スノウさんは?」
「すでに参加しております。今は・・・少し息抜きを。」
そういってスノウさんはまた外に出て行ってしまった。なにしに来たんだろ。あ、急かしにか。
「・・・・この服、ダサいと思うんだけどなぁ・・・。」
いや、なんかさ・・・・時々トランプみたいな柄入ってるし・・・・。
「まさに豚に真珠♥」
ん?
「じゃ、そろそろいこっか。ミラ。」
「はぁい♥」
ドアの前までいって、ふと、異様な音を聞き取ったので振り返ってみると・・・・
「・・・・・・竜巻!!!?」
ここ、室内だよね!!?あれ、なんかトランプがチラ見えしてるぞ!!?もしかしてミラまきこまれちゃった感じ!!?竜巻に巻き込まれたらミラでもさすがに死ぬよね・・・。
「ミラ・・・いいやつだ・・・・ったわけでもないし、仇をとって・・・あげるつもりもないけど、さよなら・・・・。本当に・・・嫌な奴だったよ・・・・。・・・うえええええんんん!!!!!」
うんうん、使えないお世話係だったなぁ・・・・。
「馬鹿ですか。」
顔をあげると、洋服が変わっただけでケガなども特にない普通のミラがいた。珍しく真顔。
「あれ、死んでない。」
「自分のつくったもので死んでたまりますか。着替えていただけですよ。」
「あ、そうだったの。」
いやぁ、すっかりすっかり。
「それにしても、散々悪口いってくれましたねぇ♥」
「あ、いや、ごめん・・・・・。でもね、本当に悲しかったんだよ?」
ミラは・・・えっと・・・うーん、なんというか・・・・
「初めてのお、お、お・・・・お友達・・・だと思ってたからさ。」
は、恥ずかしい告白をしてしまった!!
「・・・・その年で初めての友達ですか。」
「う、うん・・・・。いやね?友達かな?って思ってた人もいたんだよ?でも、ね・・・・。」
みーんな本当は私のことが嫌いだったんだって。ずっと私の悪口を言ってたんだって。
「そもそも、一か月以上定期的に会ってくれた人なんて初めてなんだよね。いや、一か月たつと誰も私に会いにこなくなるし、会いにいっても毎日家にいなくて。」
「それ絶対居留守されてますね♥」
「毎日嫌な顔一つせず顔を合わせたり、話したり、一緒に遊んだりしてくれるミラのことは・・・・一方的にだけど友達だと、思ってる・・・し、大切だと、思ってる。あ!!ミラがどう思ってるかは言わないでね!?嫌いとか言われて傷つきたくないから!!!」
いいやつだとは思わないけど・・・・これまで会ってきた人のなかではかなり好きな方だよ。
「あ!もう時間ヤバイじゃん!!いこっ!!」
ダメ元で手を差し出すと、しばらくして手袋に包まれた華奢な・・・・ん?華奢すぎないか?
恐る恐る振り返ってみると・・・・
「ぎょええええええええええ!!!!!」
骸骨じゃん!!なんか部屋の隅に飾ってあったから目(いや、空洞だけど!!目の部分!!?)見ないように頑張ってたやつだよ!!思いっきり目合わせちゃったよ!!
「み、ミラっ!!?」
「勝手に移動しました♥」
「それくらいは嘘だってわかるよ!!」
「え、本当ですよ♥」
「え・・・・・・。」
マジで・・・・・・・?
「ミラがやったんだよね!?」
「いえ♥」
うそでしょ・・・!!!?がくがくぶるぶるがくぶる・・・・・!!!
「さ、遊んでないで♥時間もあれですし行きましょう♥」
「私は遊んでないよ!!うげっ、ちょっと浮かないで!ひ、ひきずられる!!」
いつのまにかつながれていた手は、手袋越しながらもその冷たさを伝えてくる。でも、さきほどの骸骨とは違う、体温計ではわからないぬくもりがあるような気がした。