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第三十六章 どきっ!!また会う日まで!

「ミラ・・・!!!ミラ!!!」


 ミラの背中には幾つもの剣が突き刺さり、翼のようになっていた。おなかあたりが湿っていてなんだか寒かったのはミラの血液のせいだったらしい。

 ・・・・・ど、どうしようわ、私にできることって・・・・・


「・・・・・『最凶生存』」


 テッテレー!


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


 な、なんでレベルアップの音なんだ・・・・・。


「・・・・・ふざけてます?」

「いや、全然!!」


 むしろ、めっちゃ真面目!


「・・・・・・・・あれ?普通に元気じゃない?」


 もしかして能力が効いた?・・・・珍しいな。


「・・・・悪魔は不死身ですから♥」

 

 ・・・・・えー!じゃあ、不運になってまで生存確率アップしなくてよかったんじゃん・・・・。


「不死身なのに生存確率をアップされたおかげで、少しは元気になりました♥」

「へー・・・・ぇぇぇええええええええええ!!!!!?」

「タウチさん!!?」


 あああああああああ!!!おーちーてーおーくー!!!!なんだよー!!この急に発生したブラックホーーーーーーーる!!!!!

 あ、能力の代償か・・・・・・。



  *  *  *  *



「ダウチ!!?」

 

 え!?


「ハナミズキ!!!!?」


 な、なんで・・・・!?


「なんで・・・こんなところいるんだよ・・・・。」

「いや、なんか・・・・いろいろあって・・・。」

「色々ってなんだよ?」

「・・・あはは。」


 ・・・・・とてもとても説明しきれないし、急にブラックホールできたっていっても「は?」だろうし。


「そういえば・・・・ハナミズキ、やせたね。」

「まぁな。メギのおかげでだいぶ痩せた。いいダイエットだよ。」


 ・・・・・ジョークがブラックすぎる・・・。


「あのね、あのね!話したいことがあるんだけ

「タウチ。」

「・・・・なに?」

「話したいことは俺にもいっぱいあるよ。でもな、ここは戦場なんだ。おそらく、この近くに・・・若が・・・


 若?ああ、メギの将軍の息子だっけ?すんごく強いってのは知ってるけど・・・。

 そういえば、強いといえば・・・


「さっき、どこだかわかんないけど・・・・黒髪で青い目のめっちゃ強い能力持ってる女の人・・・?に会ったよ。」

「黒髪で青い目・・・?それって、陽神子じゃないか・・・?」


 陽神子って・・・あの・・・なんかとんでもない能力持ってるとかって噂の?


「おまえ・・・なんで生きてるんだ・・・。運がいいとしか言いようがないな・・・。」

「すごい能力だとは聞くけどさ、そんなすごいの?」

「明かされてねぇから、知らないけどさ・・・・あのお方がいった戦場は皆殺しだっていうぜ?」

「こわっ!」

「実際にミズキの隊のなかにも一瞬にして潰された隊がいくつかある。あのお方が登場した時点で、もう終わりだよ・・・。」


 ヤバすぎる・・・。私たち、よく生きて帰ってこれたな・・・。


「こっちはとりあえず、移動をくりかえしまくるしかない。なんか知らないが、あのお方は神輿で移動するからな・・・移動が遅いのが唯一の救いだよ。」


 そういえば、神輿に乗ってたな・・・。


「じゃあ、若と陽神子どっちが危険?」

「・・・・どっちもといえば、どっちもだが・・・・陽神子の場合は・・・瞬殺だからな・・・。」


 あとでミラに感謝しまくろう。


「・・・・これからお前がどうやって帰るのか知らないけどさ、とりあえず、鈴の音が聞こえたら逃げろ。」

「なんで?」

「陽神子か陰神子が来る合図だからだよ。」


 陰神子・・・?ああ、陽神子の双子の片割れだっけ?


「若と・・・頭は・・・・まぁ、気配も合図もないけどさ、瞬殺とまではいかないから、土下座して「モクレンの女王タウチザクラです」って叫べ。もしかしたら助けてもらえるかもしれない。」


 もしかしたらって・・・・。


「そろそろマジで危ないからさ、帰ったほうがいい。」


 ・・・・どうやって帰ろうかな・・・。


「・・・どっちの方角がモクレン?」

「・・・・・こっちだ。南にすすめ。」


 ・・・ミラ、本当に迎えに来てくれたりしないかな・・・。


「乗り物かなんかはあるのか?」

「・・・ないです。」

「・・・・・・はぁ。そこにある絨毯と剣もってけ。」


 どこだどこだ?・・・あー!あれか!!


「え!?あれ、魔法の絨毯だよね!?結構お高めの!!」

 

 移動も早いし、姿も隠せるやつだ!


「別にたいした値段じゃない。それに、戦争が終わったら返してもらうからな。なにもらう気になってんだ。」


 ・・・・そうだね。また会った時にちゃんとお礼と一緒に返すよ。


「剣は・・・周りにいるやつを全員眠らせることができる。・・・・まぁ、普通の魔道具と同じように相手の魔力が自分の魔力を大きく上回っていたら効かないから注意しろ。」

「・・・・つまり、そこまで役に立たないと・・・。」

「・・・そういうことだな。お前の魔力だとな・・・。」


 私の魔力は王族とは思えないほど弱いからね・・・。ほとんどの人が高確率で私の何倍も魔力あるから・・・。


「魔石もやるよ。ほれ。」

「えっ!そんな・・・!悪いよ!!!」


 魔石は自分の魔力を倍増させてくれる優れものだ。たぶん、これは結構質のいいものだから・・・五倍ぐらいにはしてくれるだろう。


「今年の誕生日プレゼントだと思って受け取っておけ。」

「いや、もうもらってるし。」

「じゃあ、クリスマスプレゼントだよ。」

「微妙に遠い。」

「・・・・・面倒くさいヤツだな、お前。」

「わかったよ!ありがとう!もらっておく!!」


 素直な感想いっただけだったのに!!!

 魔石を受け取ると、ポケットに入れる。すると、勝手に絨毯が近づいてきたので乗ってみる。


「わー!!快適だ!!なんか楽しい!!」

「そうか、そりゃよかった。」

「うんうん。」

「・・・・・じゃあな。」

 

 ハナミズキが絨毯に剣をのせた瞬間、絨毯はとんでもないスピードで前進しはじめた。


「うぇあっ!!!?ハナミズキ!!!」

「また会えるといいな。世界で一番大好きだぜ、タウチ!!」

「わ、私も大好きだよ!!!」


 私の声が届いたかどうかはわからないが、ハナミズキは私に背を向けながら手を軽くふっていた。


 



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