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第三十四章 どきっ!!戦地に赴きます!!

「・・・・わかってますか?あのオウジサマがいるのは戦地。一歩間違えれば死が待っています。」


 うん。


「わかってるよ。でも、行きたい。」

「あなたはなにもわかっていません。」


 いいの。私は本当はミラに会った時点で死ぬ予定だったんだから。今生きているだけでも十分幸せでしょ。


「私なんか死んだってハナミズキ以外そんなに悲しまなそうだしさ。どうせだったら、悲しんでくれる人のために死にたい。」


 まぁ、ミラも戦地についてきてくれるはずだしたぶん大丈夫・・・・でしょ!


「・・・・・ハナミズキが死んじゃったら、もうそんな人なんか現れないだろうしさ。会っておきたいんだ。」


 ミラは黙り込んでしまった。やがて、ゆっくりと口を開くと低い声でつぶやいた。


「・・・・・あなたは、なにもわかっていない。」



  *  *  *  *



 ゴォーッ


 近くで、炎が渦をまいている。あれは・・・・メギの兵士の能力かな。

 

 ・・・・・そう。私は戦場にいる。あのあと、ミラは結局連れてきてくれた。

 ・・・・・・・あの謎&恐怖の瞬間移動で死ぬかと思ったけど!!!


「ハナミズキ、どこだろ?」

「さぁ♠」


 ・・・・・さっきからミラはこんな感じでつめたーい反応しか返してくれない。


「・・・・・・・ねぇねぇ、ミラ。なんか、豪華なお神輿が・・・・。」


 メギの兵がなんか運んできたよ!!?なに!?お祭りでもはじめるの!!?メギの兵士たちがみんな跪いているけど!!?


「まずいですね♠」


 え?なに?


「こりゃ僕たち、このままお陀仏かも♠」


 あ、もしかして私が不運運んじゃった感じ?


「・・・・・離れま・・・あら、もう動けなくなってしまいましたか♥」


 ・・・・・体が動かない。ていうか、口も動かない。

 いや、恐怖とかではなくて・・・なんか制限されてるみたいな感覚。あのお神輿から目が離せない。


「出てきますよ♠」


 神輿の中から誰かが出てくる。

 まず、見えたのは青と白を基調に金糸の縫い付けられた狩衣のような服。艶やかな黒髪。表情はなくとも、なおも美しい顔立ち。思慮深さを感じさせる、海のように深く、空のように明るい美しい青い瞳。だが、その瞳はどこか物憂げで視線は地に向けられたまま、こちらに向くことはない。・・・・だが、目を離せない。あの、美しい瞳から。


「人間は神輿に乗っちゃダメなんですけどねぇ♠神と同等ということですか♥」


 戦場から、ミラの声とどこからか聞こえてくる軽やかな鈴の音以外の音は完全に消え、みな、あの謎の人物に魅了されていた。


「・・・・・『光芒一閃』」


 謎の人物の声は思いのほか低かった。そして、その小さな声が椿の色をした唇から零れると戦場は地獄絵図と変わった。

 戦場の大部分の人々がみな、光でできた矢にさされ倒れた。だが、メギの兵士は倒れてもすぐに起き上がり、むしろ回復しているように見える。

 ・・・・・・あ、私とミラはミラの巨大トランプが矢を吸収してくれたおかげでちゃんと生存してるよ。


「『雲龍風虎』」


 ぎゃー!!!りゅ、龍がでてきたー!!と、虎もだ!!し、死ぬ!!さすがにこれは死ぬ!!

 って、こっちに向かってきてる!!ニ匹とも!!


「ふうっ♣」


 ミラが手元のトランプに息を吹きかけると、何千枚ものトランプがどこから出現し龍と虎に突き刺さった。ニ匹とも、しばらくこちらを向いて唸っていたが、やがてほかの場所へ兵士を食らいに行った。


「・・・・・・・・・・」


 ふと、あの謎の人物の視線が私たちのほうへ注がれていることにきがついた。


「『悪魔殺害』」


 んっ!?なんだ今の言葉!!?さっきまで一応ちゃんとした四字熟語だったのに、なんかへ、


「ミラっ!!?」


 横を見ると、ミラが血を吐いていた。


「ど、どうしたの!?ミラ!!」

「最悪♠最悪ですよ♠」


 や、やっぱさっきの悪魔殺害って・・・・ピンポイントすぎるよ!!!


「・・・・『剣山刀樹』」


 ・・・・・・・ああ、ヤバイ。今度こそ終わった。幾千もの剣が空から降ってくる。


「・・・・・・二人で心中ってのもなかなかに乙ですね。」

「じょ、冗談いってる場合かな!!?」

「あら、本気なのに。」


 その瞬間、地面が抜けて私とミラは闇の中に吸い込まれていった。



 *  *  *  *



「・・・・・ん?」


 いつのまにか、私は気絶していたらしい。

 ・・・・・なんだか、お腹あたりが寒い。なんか、湿ってて・・・・。


「ミラ・・・?」


 なんで、私はミラに床ドンされてるんだ?


「おーい・・・・?」


 瞬間、ミラの体は崩れ落ちた。

 




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