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第三十一章 どきっ!恋ってなんだろ?

「ハナミズキー!!ハナミズキー!!」


 おかしいな。部屋にもいなければ庭にもいない。


「ハナミズキー!!」


 そういえば、ハナミズキが帰るのって・・・・来週だっけ。

 来週までに返事、しなきゃいけないんだっけ・・・・。どうしようかなぁ・・・。


「はな、ぐぇっ!!!」


 腕を突然掴まれ、庭の温室に引きずり込まれた。


「・・・・・ハナミズキ。なにやってんの?」

「ちっと花みてたわ。タウチが来たから引きずり込んでみた。」


 なんだそれ。


「ほれ、薔薇の花。」


 そういいながら、ハナミズキは真っ赤な薔薇を一本手折ると優雅な動作で私に渡した。


「ありがとう・・・・・・って、これもともと私のものだよ!」


 私のお城のものをかってに折るなー!


「まぁ、細かいことは気にすんな。」


 細かくないよ!たぶん!


「・・・・・なぁ、タウチ。お前に恋愛感情ってあるのか?」

「・・・・・・ないなぁ。」

「そっか。」


 好きだなぁって気持ちはあるけど、恋愛にまではいかない。そこまで特別な感情を抱けない。


「まぁ、それでもいいんだ。そんなおまえだからこそ、俺は好きになったんだし。」

「え、ハナミズキって私のこと好きだったの!?」

「好きだわ馬鹿!普通気づくだろ!!」


 え、気づかなかったよ!!!


「恋愛的な意味で好きなの?本当に?」

「・・・・・・ああ。」

「へー!どんな気持ち?」

「・・・・・・・・・言えないに決まってるだろ。恥ずかしい。」


 ふーん。本当によくわからないなぁ・・・。

 どうして、こんなにわからないんだろう。ハナミズキのこと、本当に大好きなのに・・・どうしてそれを恋にできないんだろ。

 ・・・・・そういえば、私・・・


「・・・・・・・あのね、ハナミズキ。むかしは、私・・・・ちゃんと、ハナミズキに恋してたと思う。」


 思い出した。あの・・・・優しくて、あったかくて、ちょっと切ない気持ち。そんな感情を、抱いていたこと。

 なぜか、いつの間にか消えていたんだ。7歳ぐらいの頃かな・・・・?


「今はね、どうしてもそういう・・・恋愛感情とかは抱けないけど・・・・ハナミズキのことは大好きだし、いつか、そういう感情を思い出せる日もくると思う。」

「うん。」


 だから・・・・


「だからね、私・・・・ハナミズキと・・・・結婚したいな。」


 ハナミズキはいやかもしれない。でも、私はハナミズキと結婚したい。ハナミズキ以外と結婚する未来を想像できない。


「私ね・・・特別って感情があんまりないから小さな差しかないけど・・・きっと、ハナミズキのことを世界で一番特別で大切だって思ってる。」


 世界で、唯一を選ばなきゃいけないのだったら・・・・ハナミズキがいい。


「そっ・・・タウチ、危ない!!」


 ハナミズキの声に頭上を見上げれば、黒いなにかが落ちてきていた。

 腰が抜けて、動けない私を助けようとしたハナミズキの腕に抱き留められそうになった瞬間、私の体はほかの何者かの腕にからめとられた。

 





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