***の日記・天
15歳のとき、義母が死んだ。とても、穏やかな顔をしながら眠るように死んでいった。私は、泣きながら崩れ落ちたが、義父はただ目を瞑って母のそばに座っていた。その姿は、なんだか安心しているようで寂しそうで・・・・なにより、孤独だった。そして、しばらくして義父は喪主は私に任せるといってきた。血縁であるあなたがやったほうがいい、と。私はそのとき、なんとなく嫌な予感がした。
義母の葬儀に義父はこなかった。城の人、国民、ユリの女王やミズキの女王など周辺国の王・・・みんな来たのに彼だけがいなかった。
嫌な予感というのは往々にしてあたるもので、火葬が終わり、慌てて城に帰ってみれば義父の部屋はもぬけの殻だった。手紙もなにもなかったが、なんとなく、あの人は二度と戻ってこないのだろうな、と思った。
・・・・・ここで私は、今度こそ完全に絶望した。もう、ダメだった。
正直にいおう。私は、義父に恋をしていた。いけないことだとわかってはいた。でも、恋におちた。いつからかはわからない。とても、好きだった。
両親と好きだった人を同時に失う。その、絶望が・・・だれにわかるだろうか。
それからすぐ、私は庭師と付き合い始めた。絶望からなんとかして這い上がりたかった。私の壊れかかった心をだれかに癒してほしかった。最初はひたすら虚しかったが、しばらくして依存のような、執着のような、愛にとても似た感情を彼に抱いた。
付き合いはじめてから何か月からたったころ、私のお腹には新たな命が誕生していた。私は・・・・うれしかった。一瞬頭が真っ白になったのはたしかだったが、私は嬉しかった。だって、これで彼をしばりつけられる。
彼に、喜々として報告すると、彼の顔は一気に蒼白になって慌てはじめた。このとき、また私は義父のときと同じような嫌な予感がした。でも、そんなはずはないと首を振って幸せに浸り続けた。
・・・・・やっぱり、いやな予感はあたるもの。翌日、彼は消えていた。
私は、もうどうすればいいのかわからなかった。
私の精神はもう完全に壊れてしまった。
私は・・・・もう、どうすればいいのかわからない。今のように落ち着いているときはいいが、急に破壊衝動のような怒りのような激しい感情が沸き上がってきてどうにも自分を抑えられないとき・・・・我を忘れてひどいことをしてしまう。きっと、このままだと私は私の大切なあの子のことを殺してしまう。我が子のことを殺したくはない・・・でも・・・このままだと・・・・。
本当に・・・・苦しい・・・・・・。
♠ ♦ ♥ ♣
やはりそうか・・・・本当に愚かだこと♠




