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第二十八章 どきっ!感情って難しい!

「タウチさん♥」


 ・・・・・ん?なに?今、仕事ちゅ・・・・・ああああああああああ!!!!


「ミラ!!どこ行ってたの!?」


 仕事さぼりやがって!!・・・・いや、もともと私の仕事だけど・・・・。


「ちょっと散歩に♥」


 ぐぎー!!散歩ってなんだよ散歩って!!


「行くんだだったら最初にいってよ!」

「あはぁん♥」


 ・・・・・・キモいよ。


「そういえば♥」

「なに?」

「そろそろ夜ご飯のお時間ですよ♥」

「ほんとだ!」


 そういえば、おなか減ったな。


「ミラ、早くいこ!」

「ええ♥」


 ミラの手をつかんだ瞬間、走りだした。


「ぐえっ!!」


 ミラ!急にとぶな!転ぶ!!いや、転んだ!!



  *  *  *  *



「・・・・なんか、この城の食事って・・・寂しいな。」


 ハナミズキがパンをちぎりながらポツリといった。・・・・・どうやったら、あんなふうにパンくずおとさずに食べれるんだろ・・・。さすが中堅国、ミズキの第二王子・・・。あ、私以外誰も落としてなかった。


「寂しいって?」

 

 そりゃミズキに比べりゃ財力は死んでるわけだから、豪華さはたりないだろうけど・・・。


「人が少ない。」

「・・・・・・・そらそうだ。」


 ミズキは大家族だし。それに比べて私はボッチだもん。今日はこうやってハナミズキとスノウさんとスグリさんとミラが一緒に食べてくれるからまだいい方だよ。普段はだいたいミラと二人っきりだもん。スノウさんとスグリさんは気が向いたら参加って感じだし。


「いや、そうじゃなくって・・・・一緒に食べる人が少ないって以前に・・・・

「なに?」

「給仕してくれたりする人はいないのかよ。」


 みりゃわかるでしょ。


「・・・・・いませんよ。メイドは最低限の仕事しか・・・・いえ、最低限すらもまともにやってくれませんからね。」


 スグリさんがいたって冷静に答えてくれた。


「・・・・・なんか、大変そうだな。」

「すぐなれますよ。」


 なんでも自分でできるようになるよ。私はいまだにできること少ないけど・・・・。


「ミズキさまは元気?」

「まぁな。相変わらずだよ。」

「ははは・・・・。」


 会いたいけど会いたくない・・・・。


「このまえ、ゴリラの物まねしてた。」

「そう・・・。」


 なにその情報。どうやってリアクションとればいいんだ!


「バナナの木を三本折って父さんにキレられてた。」

「ハナミズキのお父さんって怒るんだね。」

「めったに怒らないけど、三度の飯より庭を大切にしてるからさ。庭で暴れると怒られるぞー。」


 ひぇー!あんな穏やかさの塊みたいな人だからこそ、怒ると怖そう!


「・・・・木って、人間の腕力で折れるもんなんですね。」


 まぁ、ミズキさまだし・・・。


「ミズキさまの能力は肉体強化系だったよね。たしか。」

「ああ。・・・・・・そうだ、タウチ。食後ちょっと話がある。あとで俺の部屋にきてくれ。」


 私の部屋だけどね。


「いいよ。でも、話って?」

「まぁ、あとでのお楽しみだ。」

「ふーん。」


 いったいなんだろ?



  *  *  *  *



「・・・・・タウチ・・・いや、タウチザクラ女王。俺と、結婚してくれないか?」


 食後、少ししてハナミズキの部屋にいくと指輪とともにこんなことばを渡された。


「・・・・・いいY

「返事はまだいい。俺が帰るときまでに伝えてくれ。そのために一か月もこっちに泊まるんだ。」


 ・・・・べつに、すきな人も特にいないし、できる予定もないし、ちっちゃい頃からハナミズキと結婚するもんだと思ってたから、断るなんてありえないんだけどなぁ。


「・・・・・・・・まぁ、まえ告白まがいのこともされたが、あれはどうせ無意識なんだろ?わかってる。」


 なんのこっちゃね?


「だから、この一か月の間に・・・・・・俺を好きになって欲しいんだ。」


 ・・・・・はあ?


「最後まで好きになってくれないのであれば・・・・断ってくれ。そのまま婚約者という関係を続けよう。」

「でも・・・・

「俺がそうしたいんだ。頼む。」

「・・・・・・・わかった。」


 好き、かぁ・・・・。わからないなぁ・・・・・。

 ハナミズキのことは大好きなんだけど・・・・・・。きっと、その好きじゃないんだろうなぁ。



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