第3話 出会い
トトトトッ…ギッ
「着いた…」
「街〜」
崩れかけた建物もちらほらと見える街に、2人は到着した。
「おっ? 見かけない顔だね、どこの人だい」
早速、門らしき建物の下でなんかの作業をしていた男性に声をかけられた。するとすかさずユナが、
「旅人ですっ(キリ」
「違うような気もする…」
「そうか旅人か! ハッハッハ! 久しぶりの客だ!」
「おじさんは誰ー?」
「俺か?」
そう言って男は自己紹介をした。
「俺の名はレルダだ。ここの街のリーダー…みたいなもんだ」
「レルダは何をしてたの?」
「あぁ、この門の再建をしてたところだ」
「この街にはレルダの他に誰がいるんだ?」
「俺の他にか? ざっと…」
そう言って、レルダは指折り数える。
「300人くらいか?」
「おほー! 300人!」
「今までに行った街の中で一番多いな…」
「まぁ…戦前はここら一帯の草原は全部アスファルトで、大都市圏だったからなぁ…」
「ね! あーちゃん! 他の人にも会ってみよーよ!」
「いきなり…レルダ、いい?」
「あぁ、街の奴らに会ってくるといい。愉快な奴らばっかりだからな! ハッハッハッハ!!」
レルダは豪快に笑った後、
「それと、街の広場に宿屋がある。俺の嫁がやってるから、今夜はそこに泊まるといい」
「分かった、ありがとう」
「ありがとれるだー!」
◇
カランラン……
「いらっしゃい〜…ってあら?」
宿屋に入ると、そこには綺麗な女性が酒場のテーブルを拭いていた。
「こんばんはーー!」
「うるさい…」
「珍しく女の子のお客さんね、ご宿泊?」
「はい、泊まらせてください」
「お金ーー!」
「るーちょっと黙れ」
「ふふふっ」
「レルダの嫁?」
「あら、夫の紹介で来たの?」
「うん! レルダがここに泊まるといいって!」
「そう、じゃあ部屋に案内しなくちゃね」
「はい! ここが貴方たちの今夜の部屋ね!」
「おー! 広いーー!」
「これ…5人用ベッドとかじゃ…?」
「ふふふ、いいのよ、どうせあまり5人組で来る人とかいないし。お代は2人分でいいからね」
「ありがとーー! えっと…」
言い詰まったルナに、レルダの嫁は
「ああそう言えば、まだ名前を言ってなかったかしら。レイナよ」
「ありがとレイナ!」
「えぇ、ゆっくりしてって頂戴ね」
◇
「るー、電気消すぞ」
「あいあいっ」
パチンッ
「わはっ」
「暗いな…外明かりが無いからか」
「…ねぇあーちゃん」
「…何?」
眠そうに答えるあや。
「明日は、何をしようか?」
「…そう…だな。レルダの手伝いをしようか」
「この街の人もいい人だったねー」
「何日滞在するかは分からないけど、楽しそうだ」
「じゃあ…」
「じゃあ、おやすみ、るー」
「おやすみ、あーちゃん」
────終末世界を君と歩く。明日はどんな事が起こるかな。
3ヶ月間の空白のリハビリとして書いていきます。
相変わらずのほほんとしたルナに癒されながら寝たい…。