第2話 山頂
トトトトトトトトトトトト…
長い山道を登る。
「ねぇー」
トトトトトト…
「ねーぇー」
トトトトトト…
「ねぇってばぁー」
トトトトトトトットットット…ギッ
「着いた」
「おぉー」
「日の出だ…」
「高ーい! 涼しいよー、あーちゃん!」
草原に聳え立つ山を登り、2人は朝日を望む。
「標高約1000メートル。このために朝早起きしたんだからな…」
地平線から昇る太陽の光が、草原を照らし出していく。
「起きたらジープ動いててびっくりしたよ〜」
「綺麗だね…」
「そうだねー」
涼しげな風が吹き、世界に朝が訪れるのを2人は感じていた。
「あ! 目標の街だー!」
「おー、あれか」
「思ったより建物もありそうだね〜」
「誰かが給油設備整えてくれてると良いんだけど」
そう話しながら、2人は朝食をとる。
「さて、私は寝るから、るーちゃん運転代わって」
「あいあい」
ガッ、ブルルン…トットットットットットットトトトトトドドドドド…
「ねぇ、あーちゃん」
「(スゥー、スゥー)」
「あ、ホントに寝てる。えっとぉ…あっちが街だから、こっちの道下りていけばいいよね」
ルナは、来た道とは反対の斜面から下っていく。
「でもホントにキレイだよ〜。あーちゃん、こういう景色好きだからな〜」
今はもう太陽は地平線から顔を出していた。
「向こうの街じゃ、いろんな人がいるんだろうな〜。どんな人に会えるかな?」
「ん…」
「あ、起きた」
「おはよ」
「そんなに寝てないけど、いいの?」
「今日沢山寝るよ」
「じゃあ今夜は寝かせないよん♪」
「…鬼か//」
「ほいー麓へとうちゃーく。あーちゃん、測れる?」
「りょーかい」
トトトトトトトトトトトト…
距離を測っている間、草原からはジープの音しか聞こえなくなる。
「あと28キロ」
「まじか」
「代わる?」
「うん疲れた」
「お前な…」
トトトトトトトトトトトトドドドドドドドド…
「ねぇ、あーちゃんはさ」
「うん」
「街にはどんな人が居ると思う?」
「多分…いや、分かんない」
「優しい人がいるといいね」
「そうだね」
トトトトトト…トトトトトト…
「明日あたり街に着くかな」
「そだね」
「…お昼にしよっか」
「うわーいご飯ー!」
ドドドドトトトトットットッ…ギッ
─────終末世界を君と歩く。明日はどんな人に、出会えるかな。