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クリエイト!(その3)  作者: 大塚
夏が始まる
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猫参上

「すみません、そうじ当番で遅れまして」

猫実さんが、テキパキと巧の横に座る。走ってきたのか頰が少し紅潮している。美しいピンク色が、わけもなく巧の心をそわそわさせる。

「なにを話してたんですか?」

巧は、助けを乞うように先輩の方を見た。やれやれといって、彼女が代わりに説明してくれた。

「哲学の話だよ。」

「て、てつがく?!」

新しい虫を発見した小学生(失礼)のように猫実さんが目を見開いた。

猫実さんは生まれて初めて哲学という言葉を、言ったのではと疑うほどだった。

「哲学ってあの、アリストテレスとかの、、、?」

この時点で、純粋かと思われた猫実さんに巧は知識で敗北してしまった。

「そうだよ。でも哲学の勉強をしていたわけじゃない。哲学そのものをしていたと言った方がいいかな。巧が、自分の人生論について語ってくれた。」

「なっ」

「へぇ」

猫実さんが横を向いて、小学生(失礼)が檻に入っていたウサギを取り出す時のような顔をした。その顔を見ても、なすすべがなく、丸まっていることしかできない。

「で、巧さんの人生論とは?」

もう、聞かないでくれ。猫実さん。

言わないつもりでも、さっきの自分の様子がフラッシュバックして、心が痛い。


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