表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王がお送りする復讐の冒険者ライフ  作者: フルーツポンチ侍
1/1

魔王/女騎士と再会する

「きみ、もう魔王やめていいよ。」


そう………


何の前触れもなく、俺は魔王をリストラされた。


3日前、俺は大魔王様に呼び出された。


そこでまさかのリストラ発言!!


「なぜです、なぜリストラなのですか?」


俺は納得いかなかった。


仕事もまじめにやった。


勇者も全部倒した。


大魔王に反発したこともいっさいない。


なのに…なぜ!!


「え~だって、お前が魔王やってるとつまんないだもん」


……………は?


「それは一体…どういうことでしょうか?」


「お前まじめすぎなのだ。お前が勇者全部倒しちゃうから毎日が暇なんだよ。それでリストラしようと思ったのだ!!」


「そんな…急に!! では私は今後どうなるのです!? 魔王の任を解かれた私に、大魔王はこれから先何をして生きていけというのですか!?」


「うーん…そうだなぁ。 あ!!いいこと思いついたよ。“城の雑用係”なんてどうだい。今まで魔王だったお前が、身分的最下層の雑用係にジョブチェンジなんて…フハッ…最高に滑稽だろう?」


何言ってんだこの“ガキ”は。


調子にのんなよこの野郎!!


しかも、お前はまだ12歳だろーが!!


俺がいなくなった後、お前一人でこの城を守れると思ってるのか!?


お前が小さいころから、親の代わりに世話してきてやった恩を仇で返すなんて…許さねー!!


魔剣を手に召喚し俺は、目の前のクソガキに斬ってかかった。


「ふざけんな大魔王!! そんな理不尽が通るか!!」


「あーそうか…じゃあこうしよう。“大魔王に逆らった反逆者は今日をもって魔王の任を解かれ、この城を追放する”」


大魔王を中心に起こった魔力の大爆発は、俺の体を吹き飛ばした。


さながらそれはビックバンの如く。


俺の体は一瞬でボロ雑巾のようにズタボロにされ、呼吸するのもやっとだった。



「フハッ…無様だなお前は。今まで真面目に生きてきたのに、僕のせいで一瞬でドン底さ。お前はその底から這い上がって来れるのかな?」



意識が遠のくなか聞いたそれが、俺が聴いた大魔王の最後の言葉。



ああああああああぁぁぁぁ!! あのクソ餓鬼がぁぁぁぁ!!



今思い出しても、込み上げてくる果てしないあいつへの憎悪。


いつかこの感情をあのクソガキにぶつけてやる。



“勇者になって俺がお前を退治してやる!!”



こうして、俺(魔王)をリストラしたクソガキ(大魔王)への復讐の道が…


始まった!!



~~~~~~~~~~~



それから三日後の今日。


俺は人間に化けて、人間界のとある町に来ていた。


最初の数分は、人間ではないことがばれないか心配だったがなんてことはなかった。


リストラされて、立場を失った俺が城にとどまることはできず、人間界で暮らしていくしかなかった。


「…人間のいる町に来るのは初めてだな」


俺は、生まれてから一度も城から出たことがなかった。


「…なんてにぎやかなんだ、それにいい匂いもする」


食べ物や何やらいろいろな匂いが混ざってる。


でも…なんだかとてもいい匂いだ。


「……きゃっ……!」


あちこち見まわしていると人とぶつかってしまった。



今思うとそれは、運命の出会いだったのかもしれない。



ぶつかったのは女だった。


「いった~い!!」


…なんて美人なのだろう。


きれいな顔立ち、大きな青い瞳、腰元まで伸びた金色の髪、スラリとした体つき、そして何故がゴツゴツの鋼鉄でできた鎧。


何をとっても完璧だった。

ん…完璧…なのか?


でもコイツ…どこかで会ったような…気が………あ。


「あんた、ちゃんと前見て歩きなさいよ!!」


コイツは!!


思い出した、俺はこの女に面識があった。


以前、俺に勝負を挑んで、敗北した女勇者だった。


勝ったと言っても、それは『痛み分け』の勝利。


俺をあそこまで追い詰めたのはこの女が初めてだった。


「…ん~、あんた。どっかで会ったことあるっけ?」


ヤバい!!


「いや、気のせいじゃないかな~。はっはっはっは」


頼む、気づかないでくれ!!


もう俺魔王じゃないから。


お前と今戦えば死んじゃうって!!


「…そうね。ごめん、気のせいだったわ。」


助かった、どうやらバレずに済んだみたいだ。



「そうだわ!!」



女勇者は、俺の手を取り顔を近づけてきた。


自分の鼓動が早まるのが感じられた。


…こんどこそバレた!?



「ねえあんた、わたしと一緒に、“魔王”倒し行かない?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ