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何で俺の周りは普通じゃないんだ!?

退治屋さっちゃん!


~何で俺の周りは普通じゃないんだ!?~


どこにでもある風景。

誰が見ても違和感など感じるはずの無い普通の住宅街を、

まるで妖怪にでも追い掛けられているような速度で走る高校生くらいの男子がいた。

彼の名は、矢嶋•真治(ヤジマ•マサハル)

だがしかし、周りの人間は彼を見ても、誰も助けようとはしない。

なぜなら、今は普通の学生が学校に行く時間帯よりも少し遅めの時間だからだ。

そうと分かれば何故彼がこんなに急いでいるかは誰にでもわかる。

そう!今彼は、絶賛遅刻中なのだ!

何でこうなったか?と聞かれると、話は少しさかのぼる事になる。


今朝彼は、いつもより早くに目を覚ました。

彼はいつも飲むコーヒーをコップに入れて、音を立てずに飲み、音を立てずにカップを皿に置く。

そしてゆっくりと着替えをした所で彼は気づいた。

家の時計が止まっている。

気づいた瞬間に彼の頭は凍りつき、思考が止まってしまった。

思考が止まり、頭が真っ白になった真治は直ぐには動けなかった。


(はっ!?、、、いや意味解んない!ナンデ!ナンデ!何で時計止まっとるん!?

てかこれどこの方言よ!?嘘だろ!嘘だよな!?そうか!秒針が止まってるだけだ!

きっと一分経てば、分針が動くはず!、、、、動けよ!!!、なんで動かねえんだよ!)

さっきまで優雅にコーヒーを飲んでいた自分に何か言えるなら真治はきっとこう言うだろう。

「おい!バカ見てぇにコーヒー飲んでんじゃねえよ!!

いつもはそんな豪華なコップや皿なんて使わ無いだろうが!!!

ちょっと早起きした気になって、カッコつけるんじゃねえよ!

すげー馬鹿らしいじゃん!」

と、、、

だがしかし、非常にも進んだ時間は戻せない。

真治は大急ぎで残りの支度を済ませ家を飛び出したのだった。

「あ〜どうしよう!どうしよう!!

これかなりヤバイぞ!少なくとも一時間目は遅刻だ!!下手すると欠席!?最悪だー!!!

どうすればいいんだ!?そうだ!タクシーだ!タクシー使えば、上手くいくと遅刻すら免れる!

「ヘイ!タクシー!!」

、、、だがしかし彼がそう叫んだ道路には、無情にも朝の大渋滞が、、、

「もうダメだ、おしまいだ!!」

どこかの星の王子見たいな泣き言をいいながら、真治は、道を走るのだった。


キーンコーンカーンコーン!


一時間目始まりのチャイムが鳴った時、真治は学校のある小さな山の下にいた。

「終わった、、、俺の人生終わった、、、こんな事が親にバレたら実家に連れ戻される!

クソ!!折角勉強して偏差値上げて無理言って別荘に一人暮らししてんのに、

これじゃあ俺の一人暮らしは、二ヶ月とちょっとで終わっちまう!」

とグチグチ言いながら近所では心臓破りの丘と呼ばれ、

車も悲鳴を上げる急勾配をオリンピックに出れそうな勢いで駆け上がる。

「後もうちょい!後もうちょいで学校だ!連絡したから門に先生が居るはずだし

もしかすると、門を通りすぎた時間によっては遅刻で済むかも知れない!」

真治はハアハアと息を切らし最後のスパートをかける。

「門が見えた!今何分だ!?、、、よし!まだ間に合う!遅刻で間に合う!

表現が変だけど、遅刻で間に合った!!ふげっ!?」

真治がそう叫んだとき、走っていた真治のネクタイを誰かが掴んだ。

ネクタイを掴まれて急に首が締まった真治は変な声を出してしまった。


「あのなぁ真治,遅刻で間に合う,何て言葉は日本には無いんだよね。

正確には遅刻で間に合う、ではなく、遅刻で済むと言うんだよ。

さて、書類が溜まって忙しい先生を、門に立たせてくれた真治君に、私は何てお礼を言えばいいのかな?

私も丁度外の空気を吸いたい所だったんだよね。」

「えっとぉ、、、そのぉ、、、何て言うか!国語の先生本当にすいませんでした!!」

「す、み、ま、せ、ん、なっ!!」

「はっ!?いやそのえっと、、、ゴメンなさい!」

「そもそもすみませんっていうのはだな!、それだけでは済みませんとか!

〜〜じゃあ済みませんみたいな使い方を略しててだなぁ!ペラペラペラペラ」


(うわ〜最悪だーよりによってこの先生が立ってるなんて、マジ最悪だ〜

見た目はイケメンでスラットしていて長身で、女子にいかにもモテそうな人だが、

一皮めくれば性格曲がったひねくれ者の、毒舌持ちときたもんで男子には凄い嫌われているんだよな〜。)


「オマケに揚げ足を逃さず取るんだからそりゃ嫌われるわな〜」

「お〜い今の聞こえてるぞ〜、もしかして心の中では俺は嫌われ者だ、とか考えてないだろうな!」

「ふへ!?言ってませんよ!嫌だな〜、聞き間違いじゃあないですか?」

「そんな訳無いだろうが!今はっきりと聞いたからな!?次言ったら単位落とすぞ!」

「うわ〜職権乱用だ〜そんな事していいの先生〜?」

「証拠無いから良いんだよ!オラ!さっさと教室いくぞ!」

「は〜い」


ガラガラ〜(教室のドアが開く音)


「杉田先生、矢島をお届けに参りました〜」

「大谷先生、配達ご苦労様です。」

「配達って僕は物ですか、、、と言うか大谷先生、ご苦労様には反応しないんですね。」

「何言ってんのお前は?杉田先生は俺の先輩だけど?」

生徒一同「「「えーー!!!??」」」

「え!?そうなんですか?」

「いやそうだけど、、、て言うか歳も杉田先生が上だけど。ねぇ杉田先生?」


ここで大谷先生が嫌な笑いを浮かべる。

と言うのも杉田先生はこの学校で一番人気の女先生だ。

大谷先生は杉田先生のことを先輩と敬うふりをして

実は自分より年上だと、遠回しに解りにくく歳をバラしたのである。


「さぁどうでしょうか、それよりも大谷先生?[て言うか]などと国語の教師が発言しても良いのですか?」

「はい?現代語としては、[て言うか]は正しい言葉ですが?元国語教師ならそれくらいお解りでしょうに、、、」

「ええ分かっていますよ?私が問いたいのは例えそれが生徒であっても

そのような言葉を教師が使ってもいいのか?と言う事です。」

「ああそれならそうと言ってくだされば言いのに、、、勘違いしてましたよ。」


と、このようにこの二人の先生は凄く仲が悪く校長も頭を抱える程だ。


「先生達って本当に仲いいですね〜喧嘩する程仲がいいってやつですか?」

「「矢嶋、お前単位引くぞ。」」

「何でそういう時だけかぶるんですか?!恐いんですけど!マジで一瞬心臓止まりましたよ今!」

「チッ!そのまま永眠すればよかったのに、、、」

「大谷先生?言い方ってものがあるでしょう。

こういう時は笑顔を作り、誠に恐縮ではございますがご逝去いただければ幸甚に存じます。

と例え生徒でも最後くらい丁寧に言う物でしょう。」

「それもそうですね杉田先生、次からはそうしましょう。」

「おかしい、、、絶対におかしい、何で俺を挟んだ時だけ二人が笑って喋るんだ!?

て言うか最後って何!?次って何!!?」

「は〜いみなさーんこんな調子でやっていると、一時間目が終わってしまいますよ〜

先ほど渡したプリントはもう終わりましたか?」

「今明らかに無視した、、、もういいや、先生席についてもいいですか?」

「お好きにどうぞ?それとも立って勉強しますか?」

「座らせて頂きます!有難うございます!」


こんな感じで真治は少し生徒の中でも浮いているが別に嫌われている訳ではない。

むしろ逆だ。彼がいないと何となくみんな口数が減り、空気が固まる。

まさに一種のムードメーカーだ。

だがそんな彼にも悩みがあった、それは女友達がいないことだ。

何でそんな事で悩んでいるかと言うと、来週までに女子とペアになっていなければいけないからだ。

だが先程も言った通り女友達は一人もいなかった。

ではそれはなぜか?

答えは簡単だ、この学校では真治は本当に浮いている。

男は別に良いが女の子が真治と仲良く喋っていると当然その子も浮く訳だ。

詰まり自動的にその子が真治の彼女説がでっち上げられるという訳で、

女子は極力真治に話し掛けない。

そう言う事で真治は今女友達がいなかった。

ではなぜペアを作らないといけないのか、

それは来週、この学園でクリスマスパーティーが開催されるからだ。

勿論1年から3年生までほぼ全員がそのクリスマスパーティーに出席する訳だ。

そして残念な事に出席するには男女ペアという決まりがある。

それはなぜか?生徒会の気まぐれだ。(本当に迷惑なやつらだ)

別に一人で行ってもいいが、会場で誰か適当な異性と組み合わせになる。

そしてさらに残念な事に、学校投票で、真治が運営委員の委員長に抜擢された。

詰まり真治は彼女まで行かなくても、

女友達が居ないと自動的に女子とペアにされてしまう訳だ。

何故それが嫌か?

確に男なら誰か別の女子とペアになって一夜を過ごすのは羨ましい。

だが実は真治、軽い女嫌いなのだ。

詰まりタダでさえ女嫌いなのに、キャーキャー騒ぐ、the女!見たいなのと一緒にされては困るのだ。

そこで真治は大急ぎで残り少ない、ペアが決まっていない女子を探していた。

だがそんなに急いでも断られるばかりで全くペアは決まらなかった。

そんなある日だった。


「はーいみなさーん!今日はお知らせがありま〜す!なんと今日は転校生が来ました!」

「先生!女の子ですか!?男の子ですか!」

まぁ転校生が来たら皆こう聞くだろう、的な質問をひとりの生徒がした。


「どっちだと思いますか?」

「男の子!」「女の子!」「男子!」「男子かと」「女の子が良い!」「男!」「美少女が良い(*´Д`)」

「正解は女の子で〜す!」

「マジか!」「よっしゃ!」「やった〜!」「でゅふっww女子とかww何と俺得wwwww」

と数々の声が上がる、だが一人憂鬱な生徒がいた。

それは真治だった、理由?それは真治の隣に今まで無かった机があったからだ。

今真治が一番心配なのは、学校に良くある、

転校生の隣の子が学校案内をやらされるのではないかと無いか、と気が気でなかった。

事実普通は転校生の隣の子が学校案内をすものだ。

しかもこの学校はとても広い。もし一人で回れと言われれば、自分なら迷う自信がある。

しかも、さらに悪いことに、次の休み時間は昼休み、詰まり長い。

100%学校案内をさせられる。

うん?反対の人にやらせればって?その席は窓際だよ?

あっそうか!?壁にやらせればいいのか!って、いくら何でも無理だし。

そんな事で悩んでいると、先生が話を再開した。

「は〜いそれでは転校生の浦谷≪ウラタニ≫サンで〜す!」

そ〜っとその子が顔を出す、が直ぐに戻る、、、皆は頭の上に?が並んだ。。。

「浦谷さーん?どうしたの〜早く入っいらっしゃーい?」

「先生、、、私今体操服なんですけど、、、」

「?そんなの関係ないわよー、恥ずかしがってないで早く早く〜」

「はぁー、、、」

ますますクラスの全員が混乱した。体操服?なぜ?制服は?

そんな事を皆が考えているとその転校生がやっと教室に入ってきた。

「は〜いみなさーん転校生の浦谷さんで〜す、はい浦谷さん自己紹介!」

「、、、転校してきた浦谷咲代《ウラタニ•サクヨ》です、仲良くしてください。」

自己紹介が終わると、クラス全員から、ヨロシクー、と声が上がる。

だがやはりなぜ体操服?と言う疑問が全員にあった。

そしてとうとう全員が聞きたいその質問を一人の男子が聞いた。


「何で浦谷さんは体操服きてるの?」


その瞬間浦谷の肩がピクっと反応した。そして先生の顔が一瞬歪んだ。

全員が察した、『ヤバイこれパンドラ(あけちゃいけない箱)だ!』と。

その時杉田先生が口を開いた、そして杉田先生が言ったことに全員が驚いた。


「実は今日、浦谷さんの制服が無くなりました。」

「えぇ!?それって事件じゃないですか!警察とかに連絡した方がいいんじゃ、、、」

「確に、本来は警察に連絡するべきでしょう。

ですが浦谷さんが警察には連絡しないで欲しいと言うので、、、」

「私、警察にアレコレ聞かれるの嫌なので、、、」

「と言う事です。本人がこう言うんじゃ言わない方がいいのかな?となりました。」

「と言う事で今日一日は体操服でやるしか無いみたいです。体操服ですがよろしく、、、です。」

なんか喋り方が変な気もするが、気にしない事にした。

「じゃあ浦谷さん、あなたの席はあの窓際の、いかにも、転校生が来るので増設しました!て感じの席に座って。」

「しょぅt、、、わ、わか、りました。」

うんやっぱり変だ。無理して喋ってる感じだ。

あれか?方言キツイとかか?と考えているとその浦谷という転校生が自分の横に座った。


髪は後ろで纏めていて、いわゆるポニーテールと言う奴か。

分厚いぐるぐる眼鏡を架けていて、しかもマスクをしている。

これで制服を着ていればまさにジミ!theジミ!と言うような女の子だった。


(ラッキー!来たコレ!!、確かにベストは隣に女子がいない事!だがしかし!!!

この子は無口!多分無口!!そして今日の昼休みは学校案内だろう!!!

こいつの周りに大勢の女子が群がる事も多分ない!!!!)

「そして矢島君に頼みがあるのだけど、、、」

(きた!!完全に狙い通り!!!『そして次に貴様はこう言う!』

『悪いけど次の休み時間、浦谷さんに学校を案内してあげて?』と!!)

「悪いけど今日の放課後、浦谷さんに学校を案内してあげて?」

「え!!???いっいや先生?昼休みじゃなくて放課後ですか??」

「何言ってるの?昼休みに学校案内したら、皆が浦谷さんとご飯食べながらお喋り出来ないじゃない。」

「いっいやでも、今日の放課後は用事がありまして、、、」

「あらぁ?それともそんなに直ぐ浦谷さんと二人になりたいの?」

「いえ!そう言えばぼく今日は暇だったかも!!アははー!放課後は暇だったから丁度いいなあー!」

「あらそう、じゃあ放課後に学校案内してあげてね?」

「はい、任せてください!ぼく道案内は凄く得意なんですぅ!」(何でお前みたいなのが教師なんだよ!!)

「そう、なら安心ね、浦谷さんも放課後でいいわよね?」

「、、、、、、、、、私は、、、いつでも、、、」

「そう、じゃ仲良く回ってね、二人とも。」


そして昼休み。。。

正治は自分の席の周りに大勢の生徒が、転校生目当てに集まって来ると思っていた。

だがしかし、昼休みに皆が正治の席の周りに集まる事は無かった。

なぜなら、転校生の浦谷さんが昼休みに入った直後に行方をくらましたからだ。

これには、正治やクラスメイト、そして先生も想像出来なかった事だが、実はこの学校では飲食可能な場所が沢山あるので別に気にする事も無いだろうと言う事になった。

(当然、授業が始まっても帰ってこなかった場合は、責任をもって正治が探す訳ではあるが。。。)

そして結局、正治は何事も無かったかのように、いつもの昼休みを過ごす事になった。

今も、正治の周りにはいつものように、数人の友人が正治を囲って昼食を食べながら会話をしている。


「なあ正治!今度面白いマンガ見つけたから一緒に買いに行かね!?

隣町の書店にあるんだけど、量が多くてさぁ、、、」

「お!、それ俺も興味あるわ、一緒に付いて行ってもいいか?」

「おおいいぜ!人数は多い方が良いからな!」

「いや待て待て!俺まだ行くって言ってないぞ、勝手に話を進めるなよw」

「とか言っちゃってww正治来るなって言ってもどうせ来るだろ?」

「まあ、そうなんだけどねwで、その漫画ってどんな漫画なの?タイトルは?」

「ええっと、、、確かファンタジー系の漫画で名前はブシドウブレード!って名前だったと思うんだけど

それがさあ、絵がすげぇカッコ良くてさ!内容も面白いんだよ!でさ!でさ!!買いたい理由が他にもあってさ!・・・」


と、どうでもいい話で盛り上がっていた。

だが当然、話は転校生側へ、傾くわけである。


「で、正治?転校生のサクヨちゃん!ズバリどうなんだよ!?」

「ハアァ!!?どっ、どうって何だよ!?」

「とぼけるなって!眼鏡とかマスクの下はお前なら見えただろ!?可愛かったか!!?」

「んな無茶な!確かに眼鏡の下は見えたがマスクの下までは、、、」

「それでいいんだよ!で、どうだった!?可愛いのか!!!?」

「んなもん、チラッと見ただけで解るかよ!」

「だよなぁ、、、少なくともスタイルが良い事は解ってるんだけど、後は顔と性格が解ればなあ、、、」

そう言って、数人の友人は正治をじっと見つめる。

「言っとくが、俺はお前らの為に調査とかしないからな。」

「そこを何とか!お前だけが頼り何だ!」

「そうだぜ!俺たちと違って、隣の席のお前は自然に話しかけられるだろ!」

「いやだね!!大体俺は女の子は苦手なんだ!ただでさえ今日あの子を案内するのが嫌なのに。。。」

そこまで喋って正治はマズいと直感したが、時すでに遅く、友人の一人がこんな事を言い出した。


「お前今日の放課後学校案内するときにあの子と仲よくなれよ。」と。

「、、、は?」

「ナイスアイデア!!それが良い!どうせ正治はあの子と席が隣同士何だから仲良くした方が良いしな!

どうせ仲良くなるなら早い方が良い!!」

「ハアァ!!?ちょっと待てよ!何で俺がそんな事しなきゃいけないんだよ!

嫌だね!俺は次の席替えまで何事も無く乗り越えるんだ!」

「でも、お前があの子と仲よくなったら、少なくとも一つお前にメリットがあるぞ。」

「な、なんだよ!?どうせしょうも無い事だろ?」

「いや、俺は友人として純粋にメリットがあるって言ってるんだ。」

「?なんだよ、そのメリットって?」

「いや、簡単な事さ。

あの子はお前が嫌いな騒ぐようなタイプの子じゃ無いだろうし、

来週のクリスマスイベントに誘うのにピッタシだと思ってさ。」

「なるほど、確かにあの子無口そうだもんな!確か正治の女嫌いって、口数と声が原因だったよな!じゃああの子ならピッタシじゃん!」

「確かにそうかもしれないけど!俺は仲良くなりたくないし!

それに、あの子昼休みに何所か行く様な子だぜ?おとなしく放課後学校回ると思うか!?」

「そんなのは放課後になってからでいいだろ?後で考えればいいの。。。

って言うかあの子本当にどこ行ったの?

屋上にも居なかったらしいし、、、もしかして着替えに一度帰ったのかな?」

「多分そうだろうな。中庭や旧校舎、あと食堂にも居なかったらしい。」

「ほ~らな、この調子でどうせ放課後も勝手に帰るに決まってる、、、あれ?」

(何だあれ?、、、人?旧校舎の屋上に人がいる、あそこは確か立ち入り禁止のはず、、、!?

おいおい!あれって転校生じゃんか!てか何であんなところに!?しかもちゃっかり制服に着替えてるし!)

「おっおい!あれ見ろよ!」

「ん?どうした?」

「あそこだよ!ほら!!旧校舎の上!」

「何だよ正治?何かいるのか?俺には何も見えねえぞ?」

「あーもう!めんどいな!そっちじゃねぇよ!ほら旧校舎の第二理科室の上!」

(ったくもう!何だよ!何であんな所にいるんだよ!

あそこはちょっと前まで事故が多発してたから立ち入り禁止なのに、先生から聞いてないのかよ!

オイ?、、、バカなマネはよせよ?何でどんどんフェンスに近づくんだ?、、、まさか飛び降り!?)

「オイ正治!誰もいねえぞ!?っておい!どこ行くんだよ!?」

「もういいよ!お前らはそこでずっと探してろ!」

そう言って正治は教室から飛び出し旧校舎へ駆け出したのだった。


退治屋さっちゃん!~何で俺の周りは普通じゃないんだ!?~終

次回投稿はブシドウブレード!!の投稿が終わってから。

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