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暖かな日差し、コーヒー、栗色の髪


いつも考えていることと、現実での出来事を織り交ぜた作品です。

ここのサイトでは初投稿です。同じ作品を小説カキコさんというサイトでも載せています。

ネットでの小説投稿は五年目で、この名前で活動し始めたのはつい最近の事です。


気軽にコメント等、よせてくださいますと、とても嬉しく思います。



 「兄が降って来たんだよ、こう、乱暴に、ゴミを捨てたみたいに」



 無表情にコーヒーをすすりながら彼女は言った。暖かなカップからはふわふわと湯気が立ちのぼる。豊かな栗色の髪は、春の日差しを暖かに受け止めていて、どこかかわいらしい。唖然として何も言い返せない僕を悪戯っぽく見つめると、彼女は唐突にうふふ、と笑って見せた。



 「ほら、窓のそとを見てごらん、綺麗でしょ、あそこにね、何かの塊がヒュッてものすんごい速さで落ちてくるの。もう、びっくり」



 白い窓枠の外には、まだ少しだけ寒さの残る青空と、緑の無い木。北海道の春は、何もない。

 このゆっくりと流れる時間のなかに、上空から奇妙な速度で、何かが降ってきたら、確かにそれはとてつものなく不気味なものだろう。



 「あと一か月したら桜が咲くわね、どんなふうだろう、あたし、桜より桃の花の方が好きなの。みんながもてはやすものは、きらい」




 この建物の外は、新入生と、それを待ち構える部活やサークルの人たちで賑わっていた。僕も新入生なのだけれど。そんな中、静まり返った室内で、この奇妙な人とお茶をするのは、とても愉快なことに思えたのだった。



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