にーはお
「坊や、ごまだんご好きかな」ルーフィーは
まんまるのごまだんご、真ん中にあんこが入ってて熱いのを
食べながら。
「イギリスでも中華食べてるの?」加藤は
楽しい。
お箸で胡麻団子、それとイギリス青年が
なんとなく不釣り合いで。
坊やは、さっきの中華まんじゃなくて
ひらひらした、つるつるの餃子が気になった。
ルーフィーの膝だと、テーブルが近くて。
手で掴もうとしても、ひょいと逃げる
白い雲さんみたい、って
思ったりして。
さっきの夢を思い出す。
「ルーフィーは初夢見た?」と、なな。
加藤は思う。初夢って明日だよな(笑)。
とは思ったけど、まあいいか。
ルーフィーはイギリスだし。
「ああ、飛行機の中で見たな。なんだか、家の中に居る夢。落っこちる夢だった。」と、ルーフィー。
「夢で見る家って、自分の身体の事なんだって」と、加藤。
「カトー、物知り。落っこちるのは??」
「身体が、悪くならないように、って心配してんじゃない??」と、加藤。
そうなんだ、と、坊やはそれを聞いて(笑)。
茹で餃子を食べたくて、お皿に手を出して。
「ギョーザ、大丈夫かしら」ななは心配する。
「大丈夫だよ、ミートラビオリは食べるから」と、ルーフィ。
「ほとんどお父さんだね」加藤。
坊やは思う。
そういえば、僕はどこから来て、どこに行くんだろ。
空飛ぶ夢って、逃げたいのかなぁ、今の幸せから。
なーんて、思ったとか、思わないとか。
それよりも、茹で餃子の皮がとっても美味しかった。
それだけで、日本に来て良かったな、と
坊やは思った。かな?