お正月
あけまして、おめでとうございます。
きょうは、お正月。
魔法使いルーフィーは、イギリスから
日本のお友達、加藤君とななちゃんに招かれて。
初めての、日本のお正月を
楽しみに、旅行してきました。
「ハイ、カトー、元気だった?」と
ルーフィーは、元気なロンドンっ子。
軽いジャケットにスラックスと
およそ真冬に不似合いだけど。
「やあ、ルーフィー、元気そうでなにより」
加藤君は、ルーフィーのお友達。
きょうは、和風でお正月。
「いらっしゃい、ルーフィー。あら、坊や?」ななは、ルーフィーのスラックスを掴んで、脚にくっついている坊やに気づく。
「はい、なな。晴れ着、ビューティー!そうなんだよ、飛行機好きなんだよな、坊やは」
ルーフィーは、坊やを見てWink。
「goooooo-!坊やは、両手をウィングにして
空港を走り始めた。
「これこれ、静かにね」と、ルーフィー。
坊やは、にこにこして戻って来た。
「元気だなぁ、じゃ、行こうか」加藤は、空港のエントランスの外に止めてある
ななのオレンジいろのマーチを見る。
「オー、懐かしい。オレンジいろはFancy。
あの時は楽しかったね、ロンドンのお茶会」と、ルーフィーは想い出にひたる。
「そうね、坊やは自動車も好きかしら」と
ななが言うと
坊やはうんうん、と頷く。
「日本語、わかるのかしら!」ななは、にこにこ。
黒髪に戻したけど、ショートボブは相変わらず。
湯上がりみたいなメークも(笑)。
「坊やは、ほら、超能力だから」と、ルーフィー。
「そうなの?」と、なな。
「いや、どこの坊やもみんなエスパーだよ」と、ルーフィー。
「そういう事か」と、加藤。
意外と静かな元日の空港ロビーを渡り、4人はななのマーチへ。
「後ろから見ると、ちょっとななちゃんみたい、ふくよかで」と、ルーフィー。
オレンジいろのマーチは、ちょっと愛嬌のある丸い感じ。
両端っこにランプ。
品川530 ら 11ー77。
「ナンバーもななちゃんだ」と、ルーフィー。
「よくわかるのね、日本語」と、なな。
「勉強したし」と、ルーフィーは得意そう。
「魔法使いだもんなぁ」と、加藤は笑う。
「non,non、それは実力」と、ルーフィーは両手で丸を作った。
日本人ならばつ、を書くところだけど。
4人は、仲良くオレンジいろのマーチに乗って。
ハイウエーを走り、空港近くの中華料理のお店に。
晴れ着でドライブは大変だからと、ルーフィーは
いつかのロンドンの丘みたいに、ドライブを
務めた。
「自然にそういう事できるのは、
やっぱりレディファーストの国かな?」
と、加藤。
「まあ、そうかな。おばあちゃん仕込み。」
と、ルーフィ。
ドライバーシートをとっても後ろに下げた。
ななは、小さめ。
ルーフィは、大きめ。
坊やは、後ろの席ですやすや。
青い、モコモコのダウンに、毛糸の帽子は黄色
「小鳥みたいに可愛い」ななは、ころころ、まんまるの坊やに微笑む。
「女の子だねぇ、ななちゃんも」と、ルーフィー。
にこにこ。
「眠ってるけど、起こそうか」と、ルーフィー。
「かわいそうだから、目覚めまで待っててあげれば」と、加藤。
「優しいねぇカトー、そんな事言ってると子育てはできない」と、ルーフィーは笑顔で
眠ったままの坊やを、起こさないように空中浮遊させて、腕に抱いた。
「さすがは、マジシャン」と、加藤。
「マジックなの?」と、ななは目を見張る。
びっくり顔だと目は大きい(笑)。
「あ、きょうはメガネじゃないんだ」と、ルーフィー。
「はい。晴れ着だもん」と、ななは、にこにこ。
「そっか。メガネもかわいいよ」と、ルーフィー。
加藤もにこにこ。
声に気づいて、坊やはぐずる「uu----」
「あ、ごめんごめんな」と、ルーフィーは
軽やかにハミング。
Londonderry air。
「ステキなメロディー」と、ななは、ルーフィーを見上げて。
「峠の我が家、だったっけ」と、加藤。
「峠に、我が家か、ステキだな」と、なな。
オレンジいろのマーチを、京急蒲田の駅
パーキングに止めて。
中華料理のお店で、きょうはお正月。
坊やは、また夢の中。
「眠っちゃった。坊や、夢見てるのかしら」と、ななは、にこにこ。
歩きながら、坊やもゆらゆら。
夢心地ーーーー。