表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊使い  作者: 黎奈
84/85

第八十四話 俺の想いとあいつの想い (シンジ編)

前回のシンジ視点です。(いろいろ省略してます)

では、どうぞ

ルミル(あいつ)は部屋に戻ってきた。


なんだかあいつは深刻そうな表情をしている。

なにかを我慢しているかのようにも思えた。


「・・何を話した?」


俺はアイツが何か言う前に即座に聞いた。


「・・シンジこそルカと何を話したの?」


アイツは話題をそらそうとしたのか聞いてきた。


一瞬俺はためらう。だが・・


正直に言ったほうがいいだろうな・・

俺はそう思った。


「・・お前のこと」


俺は言った。


詳しく教えてやるほど俺は冷静じゃない。


それに・・ルミル(お前)のことばかりなのも事実だ。


「私の・・こと?」


あいつは戸惑った声で聞き返す。


「そうだ」


俺はあっさり頷く。


どうやら思い当たる節がありそうだ。


「私も・・自分の力について言われた。」


あいつは俺の問いに答えた。


“も”をつけたあたりからすると

どうやら同じような話をされたみたいだなと俺は推測した。


そのあとーー、アイツは半ば独り言のように


「こんな大きすぎる力はーーー

私には制御できないといわれて・・----」


言い募り、その場に座り込んで涙を流した。


泣き顔は見られたくないようで手で覆い隠す。


・・何故否定する?

何故・・そんな言い方をして自分を責める??


そんなことで・・・

     「泣くな」


俺は小さく呟いた。


おそらくアイツには聞こえなかっただろう。


反応を示さない。


俺はあいつに近づく


そして再びーー


「泣くな・・」


と言い、あいつの傍でひざを突く。


するとーー俺はどうしようもなく、こいつを支えたいと思った。


自分の力を責めるこいつの気持ちは分かった。


だから余計にそんな想いがこみ上げーー俺はアイツの背中に腕を回した。


俺はーー

今までにこいつに対してここまでするほど優しかっただろうか?

誰に対しても心を開かなかった俺が、

なぜ、こんな理屈では抑えられない感情に流されていくのだろうか?


不思議でたまらない。ただーー


自分の力のことで・・泣くなんてしないでほしい。


ルカにそれをなんていわれたかは知らないが

俺はお前の泣く姿を見たくない。・・のは確かだ。


「・・そんなことで泣くな。

・・泣かなくていい」


俺はそう言ってアイツを引き離し、アイツの涙を拭った。


すると・・アイツは分からない・・というような表情をした。


「・・どうっ・・して・・?」


アイツは聞いてきた。


何がどうしてなのか、俺にはわからない。


「・・・」


ただ・・

分かるのは俺の言う意味がアイツに伝わっていないということだけだ。


俺はお前を見る。


「どう・・してっ?

私の力がっ・・大きすぎるのはホントのことだよーー?

だってーーっ、みたでしょ・・?シンジ・・っも。

私の暴走・・っそれっに・・シンジに何も言わなかったーーっ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


俺は聞いていられなかった。


以前もそうだったがこいつは自分を責めることが多い。


俺はコイツが自分を責める声は聞きたくなかった。


なぜか、自分に訴えられている気がして・・。

俺が責められてる気がして・・

コイツが・・自分を否定してる姿が見ていられなくて。


だから俺は気がつくと再び抱きしめていた。


「・・もういい。

・・もういいっ、何も話すなっ

話さなくていい」


俺は心の底から言った。


もう聞きたくなかったんだ。


お前の言葉そのものが俺自身を狂わせる。


余計にお前を支えたいと思ってしまう。


それと同時にーー

こいつの言いたいことは痛いほど理解できた。


俺はお前の力をおまえ自身から聞いてなどいない。


俺は別にそれでもいいと思っている。


俺も話していないことなんて山ほどあるからな。


だが・・俺とお前は考え方が根本的に違う。


お前は自分より相手を気遣い、優先する。


それがお前のいいところであり、お前の欠点でもあるが。


そのせいで、今回俺はお前を泣かせているんだろうな。


「・・自分の力を否定するな。

その力で俺は助けられた。

だから否定する必要は無い」


俺は言った。


お前は・・覚えていないだろうな。


お前はあの時俺に自分の名を言った・・。


お前は・・俺と一度会っている。


そしてそのとき、俺は救われた。


お前の力で、な。


旅立ってからも幾度となくお前は力を使い、俺を助けた。


自分では助けたなんて思っていないだろうが、な。


とにかく・・お前は・・否定なんかしなくていいんだ。


俺の気も知らないで勝手に否定なんかするな。


「シンジーーっ」


お前は俺の背に腕を回した。


・・!?


お前が・・俺を受け入れるとは・・な。


俺は不思議な気分でいた。


だがーーー。


だが・・俺は安心した。


お前に触れてお前が傍にいることを実感した。


それがお前にも伝わったんだろうな。


お前は俺に本心をぶつけた。


お前に何度も俺が話さなくていいと言っているのに

あふれ出したお前の感情はとまらなかった。


俺はそんなの聞きたくなかったんだけど、な。


だが、それと同時にお前の本心が聞けるのが

俺だけであって欲しいと思った。


お前を安心させられるのが俺なら・・いくらでも

聞いてやれると思った。


だが・・さすがにきつかった。


俺はお前の言葉に振り回されすぎて

お前は泣きつかれて眠るーー


俺もーー疲れた。


そして俺はこのまま、目を閉じた。










俺は目を開けた。


するとーールミル(あいつ)が俺に体を預けていた。


起きてたのか・・そう思って


「起きたか?」


と聞く。


アイツは起きたといって微笑んだ。


「大丈夫か?」


と俺は聞く。


あれだけ聞いたのだから大丈夫でなければ困るが・・


「もう大丈夫」


と言って笑う。


「そうか・・」


俺は呟く。


そのことに安堵するが・・なぜか妙に残念だ。


もっとこいつの本心がきけたらーーと思ってるのかもな。


「・・・」


「・・・」


俺の言葉を最後に沈黙が訪れる。


しばらくすると・・それに耐えられなかったのか・・


もう朝か?


と聞かれた。


あぁ


と俺は頷く。


体は平気か?


と聞かれても


あぁ


と、俺は同じように頷く。



頷いていて思った。


コイツは気まずいとおもっているのだと。


「昨日ご飯食べてないよね?」


とあいつは聞く。


「あぁ」


俺は頷く。


気まずい=早く抜け出したい


と思っているのだと確定した。


はっきりと拒絶してるわけではないことも分かる。


だからなおさら放したくなかった。


「・・たべにいかない?」


そう言ってあいつはもがく。


俺は無意識にアイツを押さえつけた。


なぜか、放したくなかった。


自分のことは自分がよく分かるものだと

思っていたが、いまだにこの感情は計り知れない。


「・・・」


放したくない・・

だが、いつまでもこうしてるとあとあと問い詰められそうだな。


俺はルミル(こいつ)を抱き上げた。


「立てるか?」


と聞く。


「う、うん」


コイツはすごく動揺していた。


そのあとも・・

コイツは動揺していたが俺はさほど気にしなかったことを記しておく。






お前、こいつ、あいつ・・それはすべてルミルを示します。

シンジの性格の事情によりいろいろと変えてしまったので申し訳ありませんが。

さてさて、次回は最終回。

今までの登場人物を出せるよう心がけます。

ではまたの機会に・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ