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精霊使い  作者: 黎奈
79/85

第七十九話 従兄妹という繋がり --圧倒的な差

ゴゴゴゴォオオオ”


シンジを中心に波動魔が渦巻く。


「まさか・・お前が

魔の波動使い だとはな・・。」


ルカは驚いて言った。


「・・・」


シンジは何も言わない。



・・波動魔は 魔の波動のこと。


そして魔の波動使いは波動をコントロールすることだできる。


・・シンジは今までーー

私にも教えてくれなかったし使わなかった。


そのことにさびしさも感じるが私も人のことは言えない。


まだはっきりとは天寿の力のことを言っていないのだから。


・・私の母から受け継いだ天寿の力。


私の母の母、おばあちゃん は民の長、そして神官。


母の兄弟は何人かいる。


今ではなくなられた母の兄がシンジの父親にあたる。


私にこんな力があるのだから・・


シンジにもーーあるだろう・・とはうすうす思っていた。


けど・・これほど大きな波動の使い手だとは思っても見なかった。



「なかなかいい組み合わせだな。

世にも珍しい天寿の力と、この世界には惜しい魔の波動使い、

俺も悠長なことはしていられないな」


ルカが言った。


「----」


ルカは小さく何かを唱えた。


するとーーー


シンジのつけた背中の傷がみるまにふさがっていった。



「なーーー!?」


私は凝視する。


・・ありえないっーー!!

短時間で完治なんてーー!!


「--!!」


シンジはなにか発した。


ビュゥォオオオ”


波動音を響かせ、魔の波動がルカに襲い掛かった。


バシッ!!


ルカはシンジの波動をいともたやすく片腕で振り払った!


「なにーー?」


シンジは眉をひそめた。


「俺の能力、見せ付けてやる」


ルカが不敵に笑い、私たちの手のひらを突きつけた。


「ーー?」


一体の何をするのかと身構えると



ズシッーー””


重い重圧がのしかかってきた。


ガクっ”バタン””


重圧に耐えられず私もシンジも倒れ付す。


「これでわかったろ?

俺はお前等より強い。

まぁ、本格的に俺とお前等は“違う”がな。

・・さて、精霊のほうを始末するか」


ルカが言った。


「っーー!!」


私は起き上がろうとしたがだめだった。


・・ちか・・ら・・ぁっ・がーーっ


体全身に重圧がかかり重い。


動かない。


「ミヨ、何をやっている。

悪魔なんかに取り付かれやがって」


ルカは言った。


いまだ私の空間から逃れずにいたミヨだった。


その空間に近づくルカ。


その光景はぼんやりと映し出される。


バンっ!!


ルカがその空間に触っただけでそんな音がした。


パラパラパラ・・・・っ


空間は壊された。

そして千切れた紙のように残骸が地面へと落ちる。


「ぅう”」


ミヨはうずくまっていた。


「ヴゥウ”」


中にいたユームもなにやらうめいている。


「精霊どもを始末する。

手伝え、ミヨ」


コクン


ミヨは頷いていた。



ヴォオオーー

バンバンッ!ドゴーン”・・ズドドーン”


騒音が空中から聞こえる。


ウィーミアたちがヴィリュウに対して戦闘を繰り広げているのだ。


「・・ユーム、闇の・・矢」


ミヨが命じた。


ヒューー


それはウィーミアに攻撃したものだった。


宙で闘うウィーミアはそれに気づかない。


「ウィーミア!!」


私は力を振り絞り天寿の力を解放した。



ズヴォオオオオ”

ビュンッーーガガッ!!


ウィーミアに私の力が届いた。


そして、それはユームの攻撃を止めた。


「なーー」


ルカは驚き私を見る。


・・負けたくない負けたくない負けたくないーーー


頭の中はそれだけだった。


・・誰にも・・怪我させたくないッーー

・・あいつ等にーー勝ちたい勝ちたい勝ちたいーーーー


心の中にはそれだけだった。


ズウォオオオオーー


天寿の力は私を飲み込んだ。


バン”


フワーーーン


私は重圧を吹き飛ばし宙に浮く。


バサッーー


翼を広げたーー


「・・暴走したのか」


ルカの声が遠くで聞こえた。


ビュヴォオオオオ”


風が、音が、翼がーーーうなる。


バトルゾーンはもう荒野と化していた。


ビュウーーードサ



ミヨもユームもヴィリュウも吹き飛んだ。


だがルカだけは押し返そうと対抗してきた。


ズズッーーズズーー”


足の引きずる音。


ルカでも苦戦しているみたいーー


私でも止められないーーーこの力に。



ピカッ”


一瞬ルカが輝いた。


するとーー、ガシッ


と、首をつかまれた。


握力が強い。


「グーーッ」


必死でつかんできた腕を放そうと抵抗する。


ルカの顔は間近に迫っていた。


「ッ”---!?」


ルカの顔は青年ではなかった。


面影はあったがもはや人間ではない。


悪魔のような形相をしているが美形そのもので、でも

まるで氷のように表情が冷たかった。


「お前の暴走など、

本気の俺には叶わない」


ルカは言った。


その直後ーー


グヴァンッ”


視界が真っ暗になった。


シュゥウウウ”


体から力も抜けて翼も消えた。


自分を宙で支えられなくてそのまま落下するはずだったが

ルカに支えられた。


「--っ”」


私を抱き上げるルカを

薄らとする視界の中、最後に見て私は気を失った。





そうして・・私とシンジは・・二人に負けた。






目覚めたのは試合が終わった翌日だった。


「んーー」


うっすらと目を開けると・・ミヨがいた。


「・・だいじょうぶ?」


ミヨが聞いた。



まだ頭はぼんやりとしていたが、

私は軽く頷いて起き上がった。


近くにシンジはいなかった。


「・・あれから・・どうなったの・・?」


私は聞いた。


よくみるとここは私とシンジの部屋。


ベットに私は寝かされ、いすにミヨが座ってた。



「・・ルミルが気を失って、

ルカがルミルをつれて地面に着いたときには

もう決着はついていたよ。

ウィーミアはリングに戻っちゃったし、

シンジ・・も気絶してたからアーウィルも

瀕死状態とほぼ同時にリングの元へーー。


・・あれから急いで、二人を運んで治療したの。


幸い、ルカが治療してくれたから命に別状は無かったけど。」



ミヨが言った。


「んーー気絶・・」


私は考える。


負けたくない、勝ちたい・・

そう思って力を解放したところまでは覚えてるのにーー

なんで・・そこから覚えてないの??


「・・・。

ねぇ、シンジはどこにいるの?」


私は聞いてみた。


「ルカと話してる。

きっと、会場の外で。

・・ルカがルミルが起きたら

連れて来いっーーって言ってた。

・・歩ける?」


「うんーーたぶん」


私は曖昧に頷いて立ってみせた。



そしてーーー私とミヨは部屋を出た。


会場の外へ出る途中、


「ミヨは・・なんでルカと・・?」


と、聞いてみた。


「ルカとはルミルと別れた後に出会ったの。

出会った時、

ルカは私を天寿の力の持ち主(ルミル)だと勘違いしてね、

そこからいろいろあったのよ・・」


ミヨは思い出しながら言った。





次回はミヨの過去編です。

バトルが終わると思いきや“謎明かし”ですね。

先が知りたい方もあたたかい目でご覧下さい。

ミヨ視点で書きたいと思います。

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