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精霊使い  作者: 黎奈
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第七十五話 闘いの行く末は・・・

視界の中には・・精霊たちと傍にシンジがいることをしめしている。


だが・・それだけでは追撃が来ない理由にはならない。


「う”~~~ッ」


私は痛みに耐えよろよろと立ち上がると・・


向こうには倒れて苦しむ二人の姿が見えた・・。


・・ようやく・・っ・・あれが・・効いた・・・?


私は目を見開いてその光景を見入る。


「ヴールルゥウウ」


「ヴーールルゥウウウウ”」


精霊たちは両者ともうなり声を上げる。


草原はもはや草原ではなく焼け野原と成り果て、漆黒の植物がそびえたつ。


そして植物の根元にある卵が


ドクン・・ドクン・・と音を鳴らし大きくなっていく。


それに伴って・・


「う”ぅう””」


「くっ”ーーーっ」


と、ジュンたちがうめく。


融合した技は先ほどで消滅しており、

植物が技の影響を吸い取って闇の波動を打ちはなっていた。


きっと、それがジュンたちを苦しませているのだろう。



私が呪文を中断させたせいでラルは元の姿に戻っていた。



ジュンたちはもう戦う気力が無いのだと私は思ったが・・


「ぺ・・ルンッ・・・、アウォー・・アイシャロー・・っ」


「ライ・・ッデル・・ッ・・ヴオルゥロー・・・っっ」


と、精霊に命じた。


「!!」


シンジは目を見開く。


そして一瞬、私のほうを見て・・何か言った。


「----」

後は頼む


そういわれた気がした。


私は頷き、


「ラルっ・・レドートリサーロ!」


と、ラルに命じる。


ユーラルには目で卵を守ってもらうよう訴える。


ビヴィィイイっズッシャーーッ・・ヒュウウーーーー


水、氷、電気、

それらの集まった矢が私たちへと・・いや、卵へと襲う。


・・気づいた・・みたい・・でも・・おそかった・・ね・・


私は力なく笑う。


ヴォオオンン


ユーラルが卵を守るバリアを貼った。


ズッダダッダダダッダダンッ”!!


雷がペルンたちのほうへと迫り、

ペルンたちはそれを避ける。


だが、避けることで精一杯だった。


そのうちに卵にひびが入った。


ピキッ・・ピキピキピキピキ・・パッカーーーンっ!


そして卵から幼虫が誕生したーー!!


ヴォオン”ヴォオンンヴオォオン””ーーーブオォオワァァアっ!


誕生とともに煙のような闇が具現化して波動となり周囲を襲った。


ラルはシュッと退きユーラルはそれを神々しく見守った。


ペルンたちはその闇に飲み込まれ吹き飛んだ。


「う””ぁぁああああああ””!!」


ジュンが悲鳴を上げたーー。


「う”っ~~~~”」


サトルも苦しそうにあえぎ顔を歪ませる。



卵から誕生した幼虫はもぐもぐと植物を食べだした。


「・・・」


「・・・」


シンジも私もこれにあっけをとられた。


シンジは薄く目を見開き痛みに耐えながらもその光景を見入る。


ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ・・・


幼虫の食べっぷりに精霊たちもあっけにとられている。


「ふふふっ」


ユーラルだけがほほえましく見守っていた。


そしてその幼虫は植物の根元まできてサナギとなった。


「「!!?」」


ジュンたちは目を見張りたとうとするが・・


「うぐっーーーっ”」


うめき、思うように動けない。


闇が妖気と化し人を蝕むのだ。


ジュンたちはたぶん気づいたのだろう。


サナギ(あれ)が成虫となれば確実に自分たちは負けるだろうと。



ヒュッーーー


ジュンたちの指示も無いのにペルンとライデルが動いた!!


「ラルッ!」


私は叫び、呪文を唱える。


ラルはダダーーッと走り出す。


私は走り出したラルに詠唱途中の 攻 をかけた。


字のごとく攻撃力を挙げる呪文だ。


「---^」


私は呪文詠唱をしながらもシンジのほうをちらりと見る。


シンジは・・


「ユーラル・・・・あれを・・守れ・・っ」


と、顔を歪ませながら命じていた。


あの放電が体を思った以上に苦しませていたとわかる。


シンジーーッ!


私は心の中で叫ぶ。


今すぐ治してあげたいっ!でもーーー今はできないーーっ



「アヴォオオオオオン」


ライデルは叫び神々しく輝きを放つ。


そして変化した。


毛並みが金色に輝き、体が大きくなった。


ペルンはズシャーッ!っと水を操り襲わせる。



ズババババァン”ビリッヴィィリイイっ!!


ラルが水に突進して電気を水に流した。


そしてペルンにも電気が伝わる!


「ウ”ァァァアアアアアァァッ」


ペルンは悲鳴を上げ、ばたんと倒れるが瀕死状態には陥らなかった。


「ヴォオオオオオ”」


ライデルが叫び、雷が


ズッダーーダダンッ


と、ラルのほうへ、ユーラルのほうへ、そしてサナギのほうへと襲う。


ラルはそれを待ち構えた。


・・ラルッ、あれをやりたいのねっ・・


私はラルの意図を察し呪文を切り替えた。


「---!!」


ラルに護符である 吸雷(キュウライ) をとばした。


ピタッ


っと、ラルに張り付き、その瞬間


ダーンッ!


と、雷がラルに当たった。


ユーラルはサナギを守り、自分自身も避けて交わす。


ビリッ・・・ヴィリリィ


ラルの体には雷の電気が帯びていた。


「ルルゥウウ””」


ラルは相手に牙を向け毛を逆立てた。


護符はしっかりと役目を果たしたようだった。


そしてそのときっ!


ビリッベリッ・・スポンッ


と、サナギからかえった!!


ズヴォオオオオオオ


漆黒の妖気が周囲に漂い強風となってジュンたちを襲う。


そして・・


バッサバッサ・・ヒラ~ヒラ~・・・


と、サナギからかえったものは舞う。



その姿は・・まさに 漆黒の蝶 だった。


闇を羽にまとい羽の色はまるで何かを誘うような紫色に光り、


羽から落ちるリンプンは妖気の粒そのものだった。


そしてその蝶を見て・・シンジはゆっくりと立ち上がった。


「シンジーーッ!」


私はシンジに駆け寄り支えた。


蝶が誕生したことで相手はなすすべも無かった。


ジュンたちも立ち上がったがたちすんだままだ。


「妖気に満ちたその蝶が今回の・・鍵だった」


シンジは呟く。


シーンとした静かなバトルゾーンでは

呟いた言葉ですら相手にも聞こえるほどだった。



「くそーっ!」


ジュンがこぶしをぎゅっと握る。


シンジはそれを見て・・


「ユーラルのあの波動、あれは蝶の妖気でお前等を蝕ませるものだった。」


と、言う。


「あのときにあれを打ち出させ、傷を負った。

その傷がお前等を蝕んでいる。

それでも立っているお前等は強いと認めるが、俺のほうが一枚上だな」


シンジは勝利に満ちた声で言った。


余裕そうに言い放つ。


そんな姿を見てると責めたくなる。


電気でやられそうになったシンジは・・あれは演技でしたか?と。


「くーっ、ヴィダム!」


サトルが悔しそうにいいはなつ。


「なーっ!?」


シンジは驚く。


「シンジーッ!!」


私はシンジをかばおうとしたが二人で・・


ビリビリビリヴィリビリリリィイ


と、放電を浴びてしまった。


「っ~~”」


シンジはがくんと体を傾ける。


「シ・・ンジッ・・っ!!」


私は少し力を使ってシンジを支える。


・・シンジ・・調子に乗りすぎ・・まだ・・おわっていないのに・・


「シンジッ!」


私はシンジをゆする。


シンジは顔を歪ませながらも


「悪あがきも・・そこまでだな。

漆黒の蝶・・ヴォルーラ・・ブラッデリドンダッ」


と、命じた。


漆黒の蝶はヒラリヒラリとペルンやライデルの真上までやってきて、


ズヴォオオオオオオオっ””


と、闇と妖気の混沌の渦を作り上げた。


そしてそれにペルンたちは飲み込まれていった。


ウ”ガァァッァァァァアッ””


ズゥヴォオオオン””


悲鳴と渦の騒音が交じり合ってすごく耳に響く。


そして・・勝敗は決まった・・・。


渦がシューーと消え残ったのは倒れた精霊たちが残り・・


瀕死状態を現していたのだから。







勝負は終わった。



作戦通りにバトルは進み、私とシンジの勝利に終わった。


だが・・これほど苦戦を強いられると思わなかった。


ジュンたちを侮りすぎていたわけではなかったのだが・・。


ジュンたちも強くなっていたというわけである。



対戦が終わり、それぞれ部屋に戻った。



シンジは・・あのあと、気を失った。


電気が体に帯びすぎて体がもたなかったからである。


私は部屋に戻りベットにシンジを寝かせた。




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