第七十二話 年に一度の大きな大会
「・・ここがクルスタルタウン・・なんだ・・・」
私は街に着き呟いた。
「あぁ」
シンジは頷いた。
そう、私たちは着いたのだ。
技量溢れる精霊使いばかりが集まる大会が開かれる街に。
ガヤガヤ、ワイワイーーーーー
街は祭りがあるかのように人で溢れていた。
クリスタルタウン・・名前どおりクリスタルで栄えた街である。
近くにある鉱山で取れる鉱物の純度が高いらしく、
加工する技量をかね添えた者が活躍し、
精霊の助けもあって今は有名な街の一つとして数えられる。
そしてその中へと私とシンジは入っていったのだった。
ガヤガヤーーギュゥギュゥウ
道は広いはずなのになぜか、なぜか・・歩くのにも一苦労。
私より一歩前にいたシンジが遠くに感じるのは何故か。・・
ハァ、ハァ、ゼーゼー
シンジについていくのもやっとの有様。
そんなとき、私は誰かの足につまずいた。
「ィタッ・・・」
ズテっと軽く転び、ひざを突いた。
「何をやってる」
そのとき、シンジが私のほうを振り向き立ち止まる。
「ぇ・・・?」
そしてシンジは私に手を差し出した。
「早くしろ」
シンジは私を見つめて不機嫌そうに言う。
・・・シンジ・・どうして・・手なんか・・・
私は不思議でたまらなかったが・・手をつなぐことに関してはうれしかったから
「う、うんーーっ」
私はシンジの手の上に自分の手を乗せた。
シンジはグイッと引っ張り私を立たせた。
シンジの手は意外にも大きく頼りがいがあった。
そして・・その手からは・・ぬくもりも感じた・・。
「いくぞ」
「うん」
シンジはそういうなりきびすをかえして歩き出した。
私も頷きつないだ手にしたがって歩いた。
しばらく歩くと大会会場が見えた。
「こ、ここが・・大会会場・・・」
私は緊張した。
シンジと手をつないでいたせいもあり声もどこと無く引き締まっていた。
「・・・・」
スッとシンジが何の前触れも無く手を放した。
「・・?」
私がそのことに疑問を持つと・・
「あ、シンジじゃんかっ!!それにルミルも!!」
と、明るくそして懐かしい声が私の耳元に届いた。
「やっと見つけた、探したぜ?それにしても・・久しぶりだな、シンジもルミルも」
そしてもう一人も私たちを見て懐かしそうにいった。




