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精霊使い  作者: 黎奈
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第六十五話 精の世界、魔の世界

今回の話はルミルの魂の冒険物語です。

後々になってこの話は影響してくると思います。

「ん・・ここは」


ルミルは目を覚ました。


「意識を取り戻したか」


「!?」


聞いたこともない声に思わずガバッと起き上がる私。


そこには青く長い髪を後ろで束ねた青年がいた。


・・えっ、だれこの人?、それより、ここ、どこ??


私は一瞬たじろぎ、きょろきょろあたりを見回した。


あたりはチョロチョロ流れる小川と大木が連なる林だった。


「そなたは何者だ?

突如、扉から姿を現して、いきなり倒れたのだが・・。」


青年は聞いた。


「え、えっと、私はルミルって言います。

連れがいたんですけど・・どうやら私、魂だけできちゃったようで。」


私はしどろもどろ言った。


「そうか、そなたはここ、魔の世界と精の世界をつなぐ扉からやってきたのか。

では、何のためにここへ?」


青年は聞く。


・・えっ、別に目的があってきたわけじゃないんだけど・・

ていうか、ここが魔の世界?じゃあ、私のいた世界は精の世界??


「えっと、あのっ、その、私・・

魔の世界のことが知りたくてあっちの精の世界にそれを役立てたくて・・

っていうか、あなた誰ですか?」


私は戸惑いながらも言って、聞いてみる。


「あぁ、まだ名乗っていなかったな。

我の名はリアン。

この森の主だ。

そうか、そなたはこの世界が知りたいか。

なら案内させてやろう。

我が案内させることは不可能だが・・。

あ、代わりがいたな。」


青年は言って林の奥を見て、


雨羅(うら)よ、さっきからいるのだろう?

姿を現して来い。」


と、言った。


・・雨羅?誰かいるの?さっきから気配も何も感じないけど・・


私は首をかしげながら林の奥を見やる。


「おっ俺が案内なんてっ・・嫌だぜッ。

何で俺が・・見ず知らずの女と~~~」


そこから聞こえたのは少年のような声。


この、リアンと言う人、

人ではなくとてつもない何かな気がするけど・・。神聖な気を感じるし・・。


「雨羅、これは命令だ。

雨羅もキニナルのだろう?

この翼を秘める娘が。」


リアンは言った。


びくっと私は震えた。


・・つっ翼!?・・ヤッパリこの人只者じゃないっ・・


「べッ別に気になってなんかいないっ!!

お、俺はただっ、そいつの光に惹かれただけだっ!」


雨羅と呼ばれた者は言う。


・・それもーー気になっている理由になってる気がする。


「だっ第一俺は人間嫌いなんだっ。

だ、誰がそんな命令うけるかよっ」


雨羅は言う。


「雨羅よ、ここを追い出されたいか?

それとも照れ隠ししているだけなのか?

第一、一番最初にこの娘を見つけたのはお前だろう?

だったら面倒見てやれ。」


リアンは言った。


・・えっ、そうなのっ!?


私は目を見開いた。


「わ、私、人間じゃないんだけど・・。

それに、声だけじゃなくて姿も見せてくれると・・うれしいんだけど。

見つけてくれた恩人だし・・。」


私は小さな声で言った。


「ッ~~~」


雨羅はためらうような声を漏らした。


私の隣でリアンは微笑む。


「ちぇっ。

仕方ない、わかったよっ、見せればいいんだろっ。みせればっ~~~」


雨羅は舌打ちし嫌そうに言ったが、

どことなくうれしそうな声が聞こえたのを私は感じた。


そして、雨羅は姿を現した。


「!?」


私は驚いた。


そこには・・顔を赤くし、じっと私をにらむ少年のような鬼がいたからだ。


髪は黒でクセっ毛で、髪から覗くのは小さな角。


一見、まだ少し幼い少年に見えるが顔立ちからは大人びた感じが見られる。


「そうやって驚くから、自分の姿が嫌いなんだッ。

驚いただろッ!?神聖な龍の次には闇に潜む鬼なんだからなっ」


そう言う雨羅はどことなくすねているような感じが見られる。


「えっ、リアンさんって龍だったの?

人の姿じゃわかんないや。

どおりで神聖な気を感じるわけだと・・・」


私はそこで言うのをやめた。


だって二人は私を目を見開いてびっくりしたように凝視してくるんだもん。


「・・。

そなたには・・大きな力を感じていたが・・。

そこまで気の反応に鈍いとは・・。混血のせいだからだろうか・・。

それはともかく、雨羅、この娘を案内してやれ。」


リアンはそういった。


「あ、あぁ。」


雨羅は目を見開いたまま頷いた。


「ってどこに??」


雨羅はリアンに聞いた。


「森を抜けたすぐ近くの街だ。

そこには情報を記すものが多くあるだろう」


リアンは言った。


「・・ねぇ、雨羅君・・。

私のこと・・・、・・・?、雨羅君?」


私は言葉を続けようとしたが、

途中で雨羅はびしっと硬直し顔を真っ赤にしたのでとりあえず聞いてみた。


「ッ~~」


雨羅は顔を赤くし、何故か、プルプルと体を震わせた。


「?」


私がその様子に首をかしげると


「そんなに恥ずかしがるでない、雨羅よ。

同じくらいの年頃なのだからな。」


と、リアンが言った。


「そっそういう意味で言ったんじゃ・・ないっ!!

ただっーー」


「ただっ・・なに?・・雨羅君・・?」


私は雨羅の言葉に立ち上がり顔を覗き込むようにして聞いた。


「ッ~~~!?」


雨羅はさっき以上に顔を真っ赤にして体を震わせた。


・・どうしたんだろー?雨羅君・・


「こらこら、ルミルよ、そうからかうでない。

雨羅は恥ずかしいだけだ。

そんな問い詰めたら余計に参いってしまうからな。」


と、リアンは言う。


「からかう?」


私は鸚鵡返しに聞く。


「・・・」


さすがリアンは黙り込んだ。


・・・からかっているように見えたんだ、リアンさんには。

・・私は単純に聞いただけだったんだけど・・・


私はそう思った。


「いや、なんでもない。

それより、ルミルよ、何か言おうとしたのではないか?」


リアンはそう言って聞いてきた。


「うん。

ねぇ、雨羅君、私のこと、名前で呼んでくれないかな?

お前とかじゃなくて普通に、ルミルって、ね?いいでしょう??」


私は雨羅にねだるように聞いた。


私は女とかお前っとかって言われるのは嫌いなほうだ。


で、でも、シンジにはそう言うことができないでいる。


「っ~~~」


「ね?」


私が微笑みながら問い返すと


「・・・ルミル・・」


と、小さく呼んでくれた。


「ありがとう、雨羅君」


私はにこっと微笑んだ。


「フンッ・・不思議な人間だな・・ッ~~!?」


雨羅は私にそういったが私がまた接近したので言葉を失った。


「私・・、人間じゃないから。」


と、私は悲しく笑う。


「・・・」


雨羅は深刻な表情に変えて黙りこくる。


リアンが


「ほら、いっておいで。

魂だけでいる場合は一週間しか体が持たないからな。

雨羅、そんなに動揺してると身が持たないぞッ」


と、ニヤッと笑っていった。


「わっ、わかってるっ!!」


雨羅はムキになって言った。


「リアンさん、帰るとき、また言いますね。」


私はそう言って雨羅に向き合った。


「いっ、いくぞっ、ッ~~」


雨羅はそういってくるりと背を向けて歩き出した。


「うん」


私もそれに頷いてついていった。




「不思議な娘だ・・。

あの、誰も信用しなかった雨羅を惹く娘だけあって、

闇と光の混ざる混沌の光は強いと言うことか。」


と、その後姿を見送ったりアンは言った。








まだこの話は続きます。

ではまたの機会に。

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