第六十三話 謎が多いハンター
「・・・う”ぅぅう””」
私は首筋の痛みにより、意識を取り戻した。
ゆっくり目を開けて視界を広げる。
すると、目の前にはハンターとウィーミアとシンジが私を覗き込んでいた。
「意識を取り戻したのか?」
ハンターは言う。
ハンターは私の腹部に手をかざし白い光で怪我を包んでいた。
「・・・。
なんで・・あなたが・・私を・・・」
私は口から言葉をつむぎだす。
「重症なお前は高位の治療魔法が必要だろう?」
ハンターは涼しい顔をして言う。
「この人は無理やり魔法をかけたんですよっ、あなたに。」
ウィーミア心底嫌な顔をして言う。
「お前・・腕と足の怪我・・隠してたな・・・」
シンジが私に痛い視線を送る。
「・・・・」
私はその言葉に何もいえなかった。
当然、私は気を失っていたから体にある傷は隅々まで調べられてもおかしくない。
「・・否定はしないけど・・・」
私は弱々しく言った。
「・・この傷もふさがった。
あとは首筋の傷だ。」
ハンターは言った。
ハンターは私の首筋に手を伸ばす。
その手が怖くて私はビクッと一瞬震えた。
その瞬間、シンジがハンターの腕をガシッとつかんだ。
首筋に伸ばされた腕はその場で動きが止まる。
そのことに何故か私は安堵した。
「何のつもりだ?」
ハンターが聞く。
「獲物がルミルなのに、何故、治そうとする?」
逆にシンジが聞く。
・・ビリッ・・
ハンターの手の指先が一瞬電気を帯びた。
「ぇ・・あなた、私に何しようとしたの?」
私はその指先を見つめてハンターに聞く。
「俺のおかげで傷が治ったと言うのに
そこまで俺を警戒するのか・・。」
ハンターは独り言のように呟く。
「今、お前、こいつをどうする気だった?」
シンジが鋭い目でハンターを見つめて言う。
おそらくシンジも指先の電気に気づいたのだろう。
「その傷を治すためだ。」
ハンターはそっけなく言う。
「・・それは・・嘘でしょ?
きっと何か、私にしようとしたはず」
私は自信なさげに言う。
自分が負った傷のダメージ効果は身を持って私は知っている。
首筋に受けた傷はただの傷ではない。
使い魔は何かを傷を通して入れたはずだ。
それが分かるからハンターが本当に治そうとしてくれたのかどうかが判断つかなかった。
でも、あきらかに今の電気は治療のためではなさそうだった。
「ふっ。
ばれたか。
確かにこれはお前を治すためだけじゃないな。」
ハンターはうっすらと笑みを漏らして言う。
シンジはその言葉を聞いて腕を持ち上げハンターをふっ飛ばした。
ヒュッ・・・ずてっ
ハンターはその拍子にしりもちをつく。
私はゆっくりと立ち上がる。
多少ふらついたがもう大丈夫そうだ。
「ハンターのあなたが私に何故こんなことをするのかわからないけど、
とにかく、助けてくれてありがと。
でも、あなたは私の敵でしょ?」
私は言った。
「あの時は助かった。
だが、お前は信用できない。」
シンジが私に加えて言った。
「ふっ。
それもそうだな。
だが、俺は俺でいろいろあるからな、
お前らはお前らで旅でも何でもすれば良い。
俺は勝手にお前らについてく。」
ハンターがひょいっと立ち上がり、後ろに数歩飛びのく。
「わたしがねらい?」
私は聞く。
「ふっ、否定はしないな、だが、肯定もしない。」
ハンターは言った。
否定も肯定も・・しないかぁ。
私はやれやれといった風に首をすくめ、
「シンジ、もう旅を続けよう?
もう大丈夫だし。」
と、シンジに聞く。
「あいつは・・・」
シンジは不満そうに、ハンターを見る。
「しばらくはって言ったから大丈夫でしょ。
だから私たちは私たちで勝手に行こう?」
私はそう言うとシンジは頷いた。
そして、私たちは歩き出した。
ジャングルの中を。
そして後から一定の距離を保ちながら歩く一人のハンターが。
こうして再び里へと向かって歩き始めたのだ。




