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精霊使い  作者: 黎奈
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第五十七話 宝玉を狙う者たち

ミヨとシンジはジャングルの中に入った。


道なき道を突き進み、歩いていく。


シンジが先頭でミヨが後ろ。


草木をかきわけ歩み進める。


肌には草がかすりくすぐったい。


・・まだ半日しかたっていないけど・・・怪しまれてないかな?


ミヨは既に不安になっていた。


シンジの背中を見つめ、ミヨは思う。


シンジがルミルをどれだけ思っているのかは分からないけど


そうたたないうちに私はルミルじゃないとばれてしまうんじゃないかと。


そう予感しているとき、ふと背後に殺気を感じた。


「危ない!!」


私はシンジの背中を押しやって二人して地面に倒れこんだ。


どさっ・・・ヒュウッ・・・グザッ!


ミヨとシンジが倒れこんだと同時に矢が放たれたのだ。


その矢はシンジたちの立っていた空間を突き抜け遠くにあった大木を貫いた。


バタン!!


その大木が折れて倒れる。


自分たちに向けられる殺気が増し、その気配は動き回った。


ミヨは体を起こした。


その下敷きとなっていたシンジも起き上がる。


「ごめん、強く押し倒しちゃって。

あのままじゃ、私たち、串刺しだったから」


ミヨはそう言い、折れた大木に目を見やる。


シンジもその大木を見て冷や汗を浮かばせる。


私はひざをつく体制となった。


シンジは立ち上がろうとしたが


「っ・・!」


と、うめいてひざを突く。


「あ・・・私のせいだね。

すぐ治療するから動かないで」


ミヨはそう言い、殺気を向けた者を警戒して結界を張り、治療を始めた。


シンジの足のすねには捻挫をしたかのように青くなってきていた。


ミヨは呪文を唱えながら、狙われる理由を考えた。


あれは・・明らかに私たち二人を狙っていた。


しかも二人同時に。


ルミルなら、一度狙われた前科があるから一概には言えないけど

シンジには・・狙われる可能性がない・・・。


いや、あると言えばある。


あの、人形をした精魔。


いつしか、シンジだけを狙って動いた襲撃者。


その記憶をルミルと共有していたことを私は思い出した。


あの時のことも謎のまま。


だが、あの精魔以来、狙われたのはルミルの一度きりだけ。


他にはない。


じゃあ、何が理由で狙われなければならないのだろう。


シンジの怪我の治療が終えて少し気を抜いたとき矢が結界に突き刺さった。


「!」


「!!」


ピキ・・ピキキキィ・・・・・パリン!!・・・・ヒュヒュッ!!


結界は破れ、ミヨの腕をその矢はかすった。


かすった部分の布が破れる。


その傷からかすかに出血した。


「っーー。

シンジ、立てる?」


「あぁ」


ミヨは痛みを我慢しながら立ち上がる。


シンジは頷き立ち上がる。


「ここからひとまず隠れられるところまで

移動したほうがいいよね」


「あぁ。お前、平気か?」


ミヨの言葉にシンジは頷き、聞いた。


シンジって意外に優しいんだ。


ミヨは意外だと思いながら


「大丈夫。少しかすっただけ。

それより、今は移動だよ。

私が一点に集中してガードを固めるから

早くこの場から」


「・・・あぁ」


シンジは頷いた。


「背後に一人。

前方に一人。

逃げるなら右か左かの二選択。

どっちにする?」


「左。」


「そうだね、それなら一時、ジャングルを抜けた先に林がある。

じゃあ、そこまで走ろう」


ミヨはそれに賛成する。


確かにジャングルだと相手の動きが読みにくい。

だが、林なら相手の影でもつかめやすくなる。


「あぁ。いくぞ」


「うん」


シンジは頷き、私も頷き返した。


そして二人は走る。


草木を掻き分けて猛烈なスピードで。


だが、その掻き分けた草木が今回の敵だったらしい。


ヒュッ!!


シンジの掻き分けた木の枝が信じの腕に絡まりつき、持ち上げた。


「!?」


シンジは枝につるされた。


ミヨのほうも草のつるが忍び寄ってくる。


私はそれを剣でなぎ払う。


そして氷の呪で草を凍らせ、シンジを捕まえた木の主を私は見た。


その相手の眼光に私は悪寒が走った。


「シンジを放して!」


ミヨは叫ぶ。


「なら、代わりに宝玉を渡せ。」


相手は言う。


「やはりそのつもりで来たのか、お前ら、トレジャー怪盗は」


シンジはうんざりした口調で言う。


トレジャー怪盗・・


ミヨはその言葉に首をかしげる。


どこかでその言葉を聞いたことがあったからだ。


だが、思い出せない。


「宝玉はあげない。でも、シンジも渡さない」


私はそう言い放ちシンジを捕まえている枝を剣で切り刻んだ。


ギギィ・・・ザシュッ


「何!?」


相手は叫ぶ。


無理もない。


シンジを捕まえていた木の枝はとても強度があるものだった。


私でなければ切れなかったと思う。


シンジはつるされた高さからいきなり落とされた。


落下する直後に私が風を操りシンジを安定ある地面に降り立たせる。


「・・助かった」


シンジはボソッと呟くように言う。


「それはお互い様。

でも今はそれ言ってる場合じゃないみたい」


ミヨはそう言って身構えた。


「ふん、人質がいなくても実力行使するのが基本さ。」


相手は気取った口調で言う。


その言葉と共に枝が草が・・自然の全てが私たちを襲った。


「氷よ、全てを凍て尽くせ!」


ミヨは叫び、手をかざした。


そしてそれと共に枝たちが凍っていった。


それを見てミヨはシンジの手を引いて


「逃げよう」


と、言い、走った。




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