第五十四話 表彰式 or ミヨの発案
「オマエ・・俺をあれだけ庇っておいて傷がないと言い張るか?」
翌朝、シンジにそういわれた。
そのときのシンジはマジに怖かった。
今、私はすごくピンチです。
「傷がないなんて一言も言ってないよ。
何度も言ってるよ?打撲とかだけですんでるって」
私は後ずさりしながら言う。
シンジはもうすっかり体力は回復している。
怪我も完治してるし、もうシンジのほうは完璧だった。
「あれは打撲だけではすまないはずだ。
見せろ」
シンジは私に近づき、右腕をつかむ。
「っ・・・」
右腕は元から重症であったから余計に痛みが体に走った。
「ほらみろ。つかんだだけでこの有様だ。
傷を見せろ。」
シンジは静かに言った。
そしてパーカーのすそをまくろうとした。
「ちょ、ちょっとっ待っ・・・!?」
「!?」
私はシンジがすそをまくろうとしたのを防いだ拍子にスポンとカツラが取れた。
あちゃー
内心そう思った。
私の髪は今、青 ではなく 銀 だから。
それが理由。
「オマエ・・その髪・・・!!」
シンジは私の髪を凝視した。
「あ・・・。これは・・・その・・なんていうんだろうね、説明しにくいけど・・。
これね、私が怪我してないのはねこのおかげでもあるんだよ」
私は曖昧な答えを言う。
「どういうことだ?」
「んと・・・。
髪の色素を魔力に変えた・・・ってことかな。」
私は首をかしげて言ってみせた。
ほんとは違うけど・・・
「魔力であれはどうにかなるものだったのか?」
シンジは疑り深い視線で聞いてきた。
私がそれにどう答えようかと悩んでたそのとき、救いの神は来た。
コンコン
それはノックの音。
私はパァっと顔を輝かせ、シンジは何故か舌打ちをする。
ラッキー^・^
「だ、だれかな??」
私は内心の喜びを抑えながら呟く。
「はぁーい」
私はノックされた扉まで歩いてその扉を開いた。
ガチャリ
「あ、ミヨっ!!」
私は顔をさっき以上輝かせた。
「ルミルっ。・・・・・」
ミヨもはじめは喜んでくれたみたいだ・・・でも・・。
「あの・・シンジさんが・・なぜか機嫌悪そうに見えてるのは気のせい?」
ミヨは私から少し離れた後ろにいるシンジを怪訝そうに見る。
私は振り向いた。
確かにすごくすごく機嫌が悪いかもしれない。
シンジがこめかみのとこらへんにお怒りマークをつけている。
表情は曖昧だが。
「もしかしてお取り込み中だった?」
ミヨが申し訳なさそうに言う。
「ううん、ぜんぜん」
私は首を横に振る。
「なら良いけど・・。
あ、もうそろそろ表彰式始まるよ、二人とも急いだほうが良いかも」
ミヨが明るく言った。
「うん、ありがとう、ミヨ。
じゃあ、それ終わったら話そう?」
「もちろん。待ってるから。
それと優勝おめでとう。」
「ありがとう。
あの時頑張ったかいがあったよ。
じゃあ、そろそろ、・・シンジ、行こう?」
「・・・。あぁ」
私はシンジに声をかけた。
シンジは妙に痛い視線を私に向けて頷いた。
あぁー、神様ありがとう。
ミヨ、恩に着るよ。
私はすごくすごくミヨと神様に感謝した。
そして私とシンジは表彰式に出た。
パーンパーンパパーーンパーン。パカパカパンパンパーーン
パカパカパンパンパーーーンパーン パンパンパーンパパーーン
表彰の音楽が鳴り響く。
その中で
「えー、今年度、七色シティに行われた( )回目七色大会において
最優秀賞という大変いい成績を残しましたので、その栄誉をたたえ、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの七色の宝玉を授与する。」
と、いうとても長い言葉を聞いた。
ーーーはとても長すぎて耳に入らなかった言葉である。(省略した部分)
そして、七色の宝玉を受け取った。
それは絶大な光を放つ宝玉だった。
受け取り後、早々に表彰式は終わった。
もっとあの言葉が短かったらよかったのに・・。
そう思うほどだった。
その後、シンジを部屋においてミヨと二人で話した。
傷の具合も見せた。
「こんな重症でよく動けたね・・・。
せめて一日は安静にしてないと・・
このままだと腕と足が使い物にならなくなっちゃう・・。」
ミヨは口元に手を当てていった。
「えっ、それは困るッ。どうしよっどうしよっ!!」
私は慌てた。
それはヤバイ。
そんなことがあったら・・シンジが怖い。腕の心配より。
「一つ方法があるにはある。」
ミヨは言った。
覚悟があるような瞳で私を見ながら。
「え・・もしかして・・」
それを私は予感した。
「私がルミルの代わりになってしばらくルミルを休ませる。
・・・それしかないよ。」
ミヨは言った。
ズドーン
私の予感は的中した。
まさに私の予想通りの言葉だった。
ミヨなら・・自分をどこまでも追い詰めるミヨならいいかねないと思った。
「ミヨ!?・・いいの?ミヨは・・あのシンジとだよ!?」
私は聞いた。
ミヨにそんな代役は任せられないと思った。
シンジは鋭い。
私を見ていないようでいてしっかり見ている。
そんな人にばれやしないだろうか?
「元はと言えば私の責任だから。」
ミヨは言う。
ミヨ・・・。
ミヨの自分を責める気持ちは私にとっても見ていて辛い。
このとんでもない発案を見事実行し、こなせれば、ミヨの自責の念はなくなるだろうか?
私は怪我のためではなくミヨのために頷いた。
「わかった。じゃあ、約束して、ミヨ。
もし実行してそれが成功したら
もう、私に怪我をさせたことで悩まないことを。」
私はミヨをまっすぐ見つめた。
ミヨは戸惑いながらも頷いた。
「これで交渉成立ね。」
私は微笑む。
「ありがとう、ルミル。」
ミヨは頷いた。
「じゃあ、そのことだけど、その策は出発間際ではじめてもらえる?
その前にマリアのことがあってさ・・。」
私は苦笑しながら言う。
そういえば今の今までマリアのことをすっかり忘れていたのだ。
「もちろん」
ミヨは笑って頷いてくれた。
「シンジは手ごわいからさ・・・ヒソヒソ・・・」
「え、いいの?・・うんうん・・それで?・・」
「んで、もし・・・ばれたら・・・・・ヒソヒソ」
「時間稼ぎは・・最低で一日。最高で三日だよ?」
「わかった・・・シンジさんは・・手ごわいんでしょ?」
「うん。てごわいよ・・それと・・さん付け禁止」
「分かった・・直すよ。それに・・・ひそひそ」
「おぉ、できる?だいじょうぶ?」
「だいじょうぶ。ルミルとは、顔もそっくりだし、だったら・・・ひそひそ」
「うん・・信じるよ。何かあったらすぐに飛んでくから」
「うん、そのときは。」
「んじゃ、そういうことで、がんばろう」
「おー」
最後にミヨと会話して二人は笑いあった。
私がミヨと話したことはそのときになったら分かるだろう。
話を変えて、その後、私はマリアに会った。
そして告る状況を設定し、先攻はマリアとなった。
そしてついにその時間となった。
ホールの裏側にシンジをつれて私は行った。
私がシンジにせがんで頼んだのだ。
そして・・夕日が西に沈みかける頃、マリアは告白した。
「私、シンジ様のことが好きです!!」
と。
「・・・・」
シンジは目を見開く。
次の瞬間、シンジは・・言った。
いいところで今回は終わりにさせていただきました。
次回をお楽しみに。
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