↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊使い  作者: 黎奈
PR
4/85

第四話 精霊の里

私とシンジは緑属性の精霊の住む場所に、今、向かっている。

今の私はすごく元気いっぱい。体に異常はない。

それはシンジのおかげだった。・・不本意だけど。

 あの後、私が微熱があることに気づかれた。

鈍いといったことを取り消しますぅ。

 鋭かった・・。鋭すぎなんだぁ・・。

 私が平気だと、大丈夫だといっても聞いてはくれなかった。

 結局、その日は一日中寝かされた。

だからといってもいい。本当に今は健康状態なんだということを。


「わぁー。ここが、精霊の街なんだぁ。」

思わず、感嘆の声を漏らす。

森を向けたその先は、大きく聳え立つ二つの柱に一つずつ掲げてある『自然の街』『精霊の里』と書かれた旗があった。

その名のとおり自然で作られているもので建物が建っているようだった。

この街のどこを見ても自然いっぱい。

それに、人やら、精霊やらでにぎやかったらありゃしない。

でも、シンジはにぎやかな町並みではなく、精霊の里のほうへ向かいだした。

私もその後を追う。

精霊の里には、テントのようなものが並んでいた。

いろいろなものを売っているようだった。

その一つである果物屋の前でシンジは止まる。

「いらっしゃい。」

店の主人らしき精霊が言う。

シンジがたくさんの中の果物の中で、一つのりんごを手に取った。

「それは・・」

「シンジ、それ、幻だよ。」

店の主人と私の声が重なった。

「!?」

店の主人もシンジも驚いた表情をしている。

「だから、それ、幻だって。」

再び私が言う。

シンジが何か言う前に、店の主人が、にやりと笑い、

「ほぉ。お嬢ちゃんは、それを幻だというのかい?だったら、その証拠を見せてほしいなぁ。」

と、私に向かって言う。

できないよね?というような、皮肉な言葉で言うから思わず、

「はいっ。お見せしましょう。それが幻であることを、ね。」

と、私は言い返す。私は知っている、幻覚の見破り方を。

「シンジ、その幻のりんご、持っててね。」

私はそういって、リュックからとあるペンダントを取り出した。

「それはっ!?」

店の主人の表情がさっきと打って変わった。

シンジもさっきとは違う表情を見せる。

私は幻覚を破る真実の呪文をペンダントを持って唱える。

「その呪文は!!?」

店の主人は驚愕の声を漏らす。

真実の呪文が唱え終わると同時にシンジの持っていた幻のリンゴは消えた。

「ほら、いったでしょ。ま・ぼ・ろ・し・だって。」

私は言った。

「やるじゃん。僕の幻覚を見破るなんて。お前が初めてだ。」

「!!」

突如聞こえたその声の持ち主は私の真後ろにいた。

「こらっ。お客さんにそんな言葉遣いを。・・すみませんね。こいつは不肖の息子ですから。」

店の主人が言う。

「君の幻覚だったんだね。あれはすごいよ。私びっくりしちゃった。それはそうと、ねぇ、知ってたでしょ?」

私は店の主人に問いかける。

「は、はい、まぁ。でもこの幻のりんごを見破ったのはさすがでした。正直に言いますと、息子の仕業かもと思いながら、幻じゃないと思いましたがね。」

ため息をつきながら店の主人は言う。

「お前、名前はなんていうんだ?僕、リュクって言うんだ。なぁ、名前は?」

リュクと名乗った精霊が聞いてくる。

「私、ルミルって言うの。よろしくね。」

私はリュクに笑いかける。

「・・ルミル・・聞いたことあるかもしんない。・・まぁ、いいや。僕は、幻覚使いなんだ。もちろん、緑属性だけどな。なぁ、お前なら、契約してもいいぞ。僕と、契約しろっ。」

「え?契約?」

私が戸惑い、視線を周囲に泳がすと、シンジは私から目をそらしたが、

「してあげてください。親からも、お願いします。」

と、店の主人が言葉と同時に頭を下げてまで私に言うので、

「分かった。契約する。」

私は断れなかった。それに断るなんて私にはできないし、それにしたくなかった。

リュクは笑った。

そして、ウィーミアのときと同じようにリュクとも契約を交わしたのであった。


リュクのリングには、自然と幻覚を象徴する暁が刻んであった。

「ご迷惑をおかけするかもしれませんがリュクをお願いします。」

「い、いえ。とんでもございません。」

私はあわてた。

精霊に頭を下げられる日が来ようとは思っても見なかった。


この後、リュックに食べ物を詰めて、精霊の街のほうに向かった。

シンジは、黙ったまま歩き続ける。

シンジの背中に少し違和感を感じた。

りんごを幻だと気づけなかったことが悔しいのかもしれない。

シンジの系統は知らないけど系統によって、その属性に有利か不利かは違ってくる。

だから、そんな悔しがったりするものでもない気がするんだけど・・。

それは言えるはずもなかった。

シンジの背中から飛び交う怖いオーラが言わせてはくれなかった。

私が言おうと口を開きかけると、シンジのオーラはいっそう増してしまうのだから。


私とシンジは気まずい空気のまま、精霊の街に向かうのであった。




























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。