第三十一話 本戦はタッグバトル!?
サトルのバトルはミヨとの会話で見れなかったが、どうやら勝ったらしい。
同じくしてシンジもジュンも勝ち残る。
そして本戦会場に私は向かう。
ミヨは会場の観客席にいるといっていた。
会場では予選を勝ち抜いた精霊使いがたくさんいる。
もちろん私も含まれて入るけれど・・
一体何やるんだろう?
私は不安を胸に抱いていた。
参加者があまりにも多くて少し大会基準を変更したという情報が入ったからだった。
私の右腕と左足は重症の中の重症。
右足の傷はなんとか完治したものの、やはり歩くとき微妙な痛みを感じる。
それもあって、不安を抱きながら
最初にホールをくじで決めたときの大きなホールに行った私だった。
会場でシンジたちの姿を見た。
ジュンとサトルにはまだ暗示はかかっているみたいだ。
それに安心し、
「ここにいたんだね」
と、そう言って、シンジたちのとこへ歩いて駆け寄る。
ジュンたちは何か浮かない顔をしていた。
〔言ってないよね?〕
視線で私が問いかける。
〔言っていないが本当にいいのか?〕
ジュンたちはそう視線で送り返して問う。
〔いいよ。〕
視線で強く送り返す。
「ねぇ、シンジ。今から何決めると思う?」
私はシンジに視線を向けて聞く。
「すぐに分かる。」
シンジはいつもと同じように言葉を返す。
これなら気づかれていない。
私は安心し、これから始まるであろう司会者の言葉に耳を傾ける。
そして、それは始まった。
「予選を勝ち抜いた皆さん!大会はここからが本番です。
ここからは シングルの勝ち抜き戦 でいこうと思っていたのですが
参加者があまりにも多くて変更いたしました。
それは タッグバトル です!!」
『タッグバトル!?』
参加者は皆、司会者の声に驚く。
だが、驚いていない奴がいた。
明らかに何の感情も見て取れない人が一人。
それは シンジ だ。
シンジはまるでこうなることを予想していたかのようだ。
「今からタッグのペアとなる相手をくじで選んでもらいます。
そしてそれで勝ち抜き戦を行いたいと思います。
ですから優勝したワンペアには二つの七色の宝玉が送られます。
では今からくじ引きを行いますので用意してください。それではどうぞっ!」
司会者は言葉を続ける。
そうか、
タッグなら今の人数を半分に絞ることができてバトルの数を半減することができる。
それが狙いか。
私はそう思ってくじを引きに行く。
そして、参加者全てが引き終わった。
私の番号は4番。
さてだーれかな?
「何番だった?」
私はみんなに聞いてみる。
「俺は9番。」
「俺はラッキーセブンの7だぜっ。」
「・・4だ。」
三人が言う。
上から順番に サトル、ジュン、シンジ。
・・・えぇー~~!?
ま・・・まっまっまさかっ!いやちがうよっ。シンジと一緒のはずがない。
そうだよっ!ききまちがえっ!!
私はすご~くすご~く焦った。いや、パニクった。
「え・・・・シンジ、もう一回言って?」
「・・?・・4だが・・?」
シンジは私の声に不思議に思うらしく最後に ? をつけた。
「聞き間違えじゃないんだ。」
私はシンジの番号を聞いて思わず呟く。
「?」
シンジには理解不能みたいだった。
「なぁなぁ、ルミルは何番だったんだ?」
はやくおしえろよっってジュンが私をせかす。
「驚かないでほしいんだけどね・・私・・私も4番だったの。」
私は戸惑いはしたものの、なんとか言った。
「わぁおっ、シンジと一緒じゃんかっ!!すげえな、こんな偶然もあるんだな?」
「たくさんの参加者がいる中、ペアになるなんてそうそうないことだな・・?」
ジュンもサトルも驚いている。
私はシンジのほうを見る。
「・・・・」
シンジは驚いているようには見えなかった。
まるで、
ペアになることが前々から分かってたというようにしか解釈の仕様がない表情だった。
シンジは・・このことがあるかもしれないから無理やり私を誘ったのかな?
自信過剰かな?この考え。
私は驚きと不安を抱きながら自分の番号とシンジを見つめる。
「・・・よ・・よろしくね・・?シンジ・・」
一応ペアになったから挨拶をした。
「あぁ。」
平然に言葉を返すシンジ。
これじゃあ、いつシンジにばれるか分からないや・・
でも・・なんとかなるよね・・?
うん、ぜったいなるなる!絶対大丈夫。なんとかなるよっ!!
自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻す私。
そして、くじで決められたペアが公表された。
私はシンジと。
ジュンは暁という名前の人。
・・あかつき?・・・暁・・・・知っている名前の気がするけど思い出せない。
それはそれとして、
サトルはマリアという名前の女性・・・ってマリアっ!?
なんと二人連続知り合いだった。
暁って人もたぶん知り合い。
マリアは確実に知り合いだっ。
とても女王気取りのお嬢様。
それがマリアの性格を指し示すのにぴったりな表現。
「私・・サトルのペア相手知ってる。
ジュンのほうはたぶん面識があると思うんだけど思い出せない。」
私は公表された名前を見て言う。
そして、名前だけでなく写真まで公表された。
「やっぱり、二人とも知ってるよ・・」
思わず呟く。
「本当か?」
「えっ?まじ!?すげぇ」
「うん。」
私は頷く。
「ジュンのペアの暁はたぶんジュンと気が合うと思う。昔と変わっていなければの話だけど。」
「え?まじっ!?ならうれしいやっ。じゃあ早速、そいつと会ってくる。じゃあまたな。」
私の言葉にジュンは早速走り出して行ってしまった。
「サトルのほうはーーーーー」
私が言おうとしたとき
「あら、こんなところにあなたがいるなんておもわなかったわ。」
と、後ろから突然声がした。
振り向くとそこにいたのは
「マ、マリアっ!!」
私は振り向くと同時に声を上げた。
そう、そこにはサトルのペアこと、マリアがいたのだった。
髪は腰まであって、
フリルやりぼんがついている服・・服装全てがロリータファッションだった。
「久しいわね、ルミル。」
マリアが近づいてくる。
「えぇ。本当に久しぶりね、マリア。」
私もそれには答える。
「あら、そちらのお二方は誰かしら?
一人は私のペアだとお分かりになったけれど・・」
私の後ろにいる二人のことを私の口からマリアは聞きたがっているようだった。
・・私に説明しろって・・?困るよ、そんなの。
それになんか、シンジを見る目がハートになってるんだけど・・?
そう思いながら私は説明した。
説明し終わった後、マリアは二人に挨拶して私だけ連れ出された。