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OJISA-IZM  作者: 抹香
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OJISA-IZMを始めよう!

おじさんとリズムを掛けたOJISA-IZMいよいよ始めります。

 私は、川上翔太くんを糸川さんと姫路社長に引き合わせることにした。川上翔太くんは若いが以前和菓子屋さんで修行をしていたらしい。

翔太くんから、きんつばの元となるあんこは製餡せいあん業者に発注してみてはどうかと提案される。和菓子屋向けに特注餡を製造している企業があり、こしあん・粒あんはもちろん私が言った、くりあん、抹茶あん、チョコあん、いちごあんなど、さまざまなフレーバー餡にも対応が可能だという事だ。一から餡子を作る開発費もこれでおさえられるだろう。ただし、ミニ小判きんつばの鋳型だけは自前で作らなければならない。糸川さんはもろもろ試算し、

「一千万は借りましょう。私が銀行の稟議が通りやすい書類を作成します」 

 と言ってくれる。そして共に信用金庫に出向き、担当者にかけあってくれた。


 そんなみんなの協力のお陰で、ミニ小判きんつばは何とか無事に出航できそうだ。

あとはプロモーションをどうするか? 宣伝費に回せる予算はない。

ここは手間とアイデアで乗り切るしかない。実は頭の中にはすでにアイデアがあった。若い頃好きだったブランド「ビビアンウエストウッド」のプロモーションは、店員や関係者で作ったバンド『セックスピストルズ』が行っていた。この手を使おうと直感的に考えていた。

 ミニ小判きんつばの栄芳堂をプロモーションするおじさん達のダンスユニット。おじさんとリズムをかけて『OJISA-IZM』を作ろう。作ったとしてうまく行くか行かないかは分からない。まったく興味を持たれないかもしれない。でも、はなから予算は無いのでダメ元だと思った。

一番の課題は、このオジサンユニットのメンバーをどう揃えていくか?

これは一人一人説得していくしかない。集めて話をすれば寄ってたかって反対されるに決まっている。オジサンは気位が高いのだ。あくまでも慎重に行かなくては。

私だって内心無理かもしれないと考えている。でも、やるしかない。という思いが私を後押しする。

先細りながらも『小判きんつば』だけでやってこれたのは、品質を守ってただそれだけを作り続けて来たからだ。お客様はそれに付加価値を感じて購入していただいていた。多種のあんこフレーバーを使っての和菓子作りをすれば、デパ地下にもライバルは多い。かえって栄芳堂は埋もれてしまうかもしれない。

私は、出航したばかりの『ミニ小判きんつば』に、スイスイとブルーオーシャンを進んでもらいたいのだ。だったら他の和菓子屋さんが絶対やらないことをやるしか無い。

それに、今まで一度だってこんな時代はなかった。媒体はいつだって大企業のモノで、長い間資本力が支配してきた。それが今や、だれもがアイドル、そして情報の発信源になれる時代をむかえたのだ。栄芳堂にはアイコンが必要なのだ。

私の頭の中で、それぞれのあんこフレーバーの色にあわせたスーツとネクタイ、前掛けをしたオジサン達が踊っている姿が浮かんでいた。

OJISA-IZMを始めよう!

私はギュッと拳を握りしめる。

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