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既存不適格にまつわる嫌な話

 不動産売買やっていると、既存不適格という物件と出会うことってけっこうあります。


 簡単に説明すると、新築当時は問題なかったが、法律改正などで現在の建築基準法ではNGな建物になってしまった。あるいは、新築から数年後に、申請などせずに勝手に改築や増築やあれやこれををやっているので建築基準法を守っていない建物に変化してしまったものです。


「そんな建物あるわけないじゃん!」という人は一定数いるでしょうが、実際にはあったりするのです。


 たとえば、有名な「変な間取り」の家なんてのも、既存不適格物件といえばわかりやすでしょうか。


 もしかしたら、あなたのお家もご存知ないだけで、実は既存不適格かもしれませんよ!


 けっこう自覚ないまま住んでおられる方が多く、売買や建て替え相談の時になって判明するっていうパターンです。


 ということで、既存不適格にまつわる嫌な話です。


 その家には、窓がない部屋がありました。納戸やサービスルームという表記にすれば窓がない、採光がとれない場合でもつくれなくはないですが、その部屋の「窓がない部屋」はそういうレベルではなかったのです。


 弁護士案件で、問題あるけど買ってくれと依頼を受けました。


 三階建ての建物ということですが、二階に普通に入れないのです。


 ドラ〇エの塔のように、一階から三階にあがり、三階の床の蓋を開いて梯子で二階に降りるという作りです。その二階は窓がない空間……まさにワンフロアが空間という作りでした。ただ、図面をみると洋室が三つに窓もちゃんとあるようですが、新築から数年後に魔改造したようです。よく工事うけたなと思いますが、経営にこまっている工務店にお金を積めばやるでしょうね……。


 なんでこんな家を作ったんか⁉ という問いに答えられる人はおらず、というか皆さん〇んじゃっていてわかりません。


 ただ、弁護士案件で買い手がつかず困っていて私のところにきたので、そういう類のものです。


 いやぁな気分になる建物です。


 ちなみに、さすがの私も仕入れるのをやめました。そもそも、出口がつかないから……商売にならないことはしちゃダメですね。解体して土地売りをしたとしても、〇〇な話がついてまわるものは売れません……。


 次の建物は、仲介経由の物件でした。


 なんと、道路の上に家が建っているんです!


 道路の上に!


 ……ありえないと思うでしょ?


 あるんです。


 東京に、あるんです!


 そんなおかしな家が……。


 説明しますと、昭和の初期くらいに、施主は自分の敷地だという認識でその家を建てました。年月が経過し、現在の持ち主――子孫がそれを売ろうとして、測量をしたところ、「え? 家が建っているこの場所って道じゃね?」となってしまったという嘘のような本当のお話……家の三分の二ほどが私道に出てしまっていると。で、その私道は幅員が4メートルないのでセットバックしないとならんちゅうことで、さらに敷地が道路にとられ、家の多くが道路にはみだしちゃっているような不思議な状態に……。


 では、解体して建替えたらいいんでは? と思いますが、敷地がグンと狭くなり10坪くらいしか残らなくなるので、現在の建物と同じ規模は建ちません。もちろん、よくある狭小地向けの新築プランなら可能です。


 図面と現況が違うってことはよくあることなのですが、ここまでひどいのはなかなか出会うことはない!


 最後は、道路に間口2m確保で接していない土地には建物が建てられないということを無視しちゃったせいで既存不適格になった家です。


 昔むかし、その所有者Aさんは、広い自宅敷地の使っていない部分を売れば、お金を手に入れることができると企みました。広い庭も手入れが面倒だと思ったのかもしれません。また、当時のAさんに、お金を作る理由があったのだと思います。


 Aさんは、裏の道――敷地南側――からも出入りできるので、敷地の南側半分を残して、北側半分を売ればいいお金になると期待しました。


 この依頼を受けた当時の不動産屋は、悪い奴か仕事できないアホだったのでしょう。


 その所有者のいうとおりに、北側の土地を分筆して買い、三棟の戸建用地にして新築を建てて売りました。


 Aさんは、いい商売になったと思ったかもしれません。


 Aさんの息子Bがその土地と家を継ぎ、現在は孫のCさんが継ぎました。


 Cさんは、その家を売りたいです。というのも、誰も住んでいない実家で持て余しており、かつご自分の飲食店が苦戦しており、お金を得たいと思いました。


 Cさんは、大手仲介に査定依頼をします。


 すると、「道路に面していないので再建築不可となり、価値はさがります」と言われました。


 え? どういうこと? とCさんは思います。 


 道路には面しているだろう! 嘘をつくな! と腹立たしくなります。


 しかし、Aさんが裏の道と思っていて、BさんもCさんも道だと思っていたそこは、水路だったのです。


 昔は水路で、そこを埋めて道のようにしているが、公道や私道ではなく【通路】だったのですね。


 見た目は、道です。


 現地に行きましたが、道にしか見えません。


 しかし、そこは道ではなかったのですね。


 調べたら、すぐにわかることではありますが、Aさんは調べず、その時の不動産業者は悪い奴だったか、おそろしく仕事ができない業者のどちらかであったので、その家を再建築不可にしてしまったのです。


 大手仲介から、できるだけ高く買ってほしいと話がきましたが、Cさんが希望する金額にはとても届かないのでお断りしています。


 ……しかし、その不動産業者は、Aさんの家を解体などをするとかいう嘘で書類を通したんではなかろうか? 昔のことなので、どういう悪さをしたのかわかりませんが、同業者として気分悪いですね。


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― 新着の感想 ―
離れ……蔵……牢獄……なんてヨコミゾな……。
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