夏を仕舞う
掲載日:2025/08/31
夏祭りの浴衣や手拭いを洗う
内輪の和紙に描かれた紋様も人々が動く度に
夏の空気に解凍されて動き出すのを見ていた
蝶々、鳥、木の葉、魚、花の紋が
人々の汗を吸って香る、風にゆれるように動いた
山並、川面の波、竜雲、渦、さざ波、波風、
蝉が鳴けば何かが動きだす心の振動の波紋
いつも昔の人の身につける木綿布には紋様があった
夏の木綿を干して 空になびく
金魚が空を泳いでいる
花も空でゆれている
南部鉄器の風鈴、鐘の音に夏を見送る
沢山の樹の実を取った庭先
夕立の後の匂いは少し新鮮な香り
あのひとの持つ内輪に描かれた山並みは
鷹が空を舞う視線のようにみえた
カルストに立つ風車に巻かれ
時が解凍された夏は少しずつ真っ白な霧となり夕立となった
降る雨が心の奥まで透かしてゆけば
手拭いの花が濡れそびれ 夜露、、
朝露となり、光の中で風にそよいで手を振っている




