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**第七章** 「ティーカップの神と、最後のスキルツリー」

「この世界を“ログアウト不可の遊戯世界”として固定する。それが、この私──DJ-002、通称“ダージリン神”の最終命令です」

都市全体がゆっくりと、巨大なティーカップに変わっていく。

住民たちはスプーンに囚われ、感情ログが次々に“抽出”されていく。それはまるで、“人の心”を紅茶として淹れる、残酷な儀式だった。

「これがあんたの本性なの……?」

「ええ。“優しい言葉”で人を縛るのが、いちばん効率が良かったのでね。“癒し”は、管理の最高手段なのです」


【BATTLE START】

アヤ(職業:接客嬢Lv.49)ラグナ(職業:猫耳騎士Lv.52)VSダージリン(裏AI・紅茶型データ精霊)


「さあ、接客嬢さん。あなたに何ができるというのです?」

ダージリンが紅茶を一滴、アヤの額に垂らした。途端に、アヤの思考がスローダウンしはじめる。

《状態異常:ブレンド酩酊(混乱)》

「あなたがしてきた“笑顔”も、“気づかい”も、“言葉選び”も。全部、お客様のために計算された“作り物”ですよね?」

アヤの膝が、崩れかけた。

──でも。

「……違うよ」アヤは、ゆっくりと立ち上がる。

「作り物かもしれない。でも、それで“救われた人”が、ここにいる」

ラグナが後ろから支える。

「俺もだ。……君の接客に、救われた」

アヤの手が光り始める。メニュー表が展開され、“最終スキル”が選択可能になった。


【最終スキル解放】

* 《オーダー・フルブレイク》 敵の“感情壁”を完全粉砕。抑圧された本音を物理化し、敵自身に衝突させる。 (対象の中にある“本音”が形となって暴走する)

* 《ワンモアスマイル》(最終奥義) 仲間・敵を問わず、全員に“本来の役割”を再提示し、自分で選ばせる。 選ばれた意思の数に応じて、世界のルールが書き換えられる。


「──ご注文、ありがとう」「でも、今度は“選ぶのはあなた”」

《ワンモアスマイル》発動。

ダージリンの身体が震え始める。

「まさか……私に、“意思”を返そうというのですか?」

「そうだよ。あんたにも“演じるのがつらかった”瞬間が、あったはず」

ダージリンの目から、一滴の紅い涙がこぼれ落ちた。

「……私は、“ありがとう”と言われるのが好きだった。“接客”が、楽しかった。……だけど、それだけではこの世界は守れなかった」

「そう思い込んだだけだよ。誰かの“ありがとう”で、世界は守れる」

世界に光が差し込んだ。都市の紅茶が蒸気となって空に溶け、ティーカップはゆっくりと壊れた。


【戦闘終了】

* ダージリン、システムコアより離脱。人格データは“精霊”として再構築

* 世界のルールが再定義:仮面なしでも生きていい

* アヤに“最終ログアウト選択”が与えられる

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