僕の輝き始めた日々
あれから数日間、りくは僕の家に毎日やってきた。
その度に僕の話し相手になってくれたら、一緒にゲームをしたりして過ごした。
あの日のことが嘘のように楽しい日々が続いていた。
そんなある日僕の家に誰がが尋ねてきた。
「誰だろうな」
そう思い、インターホン越しに見てみると、昔親しくしていた近所のおばちゃんだった。
なんて言ったって、今まで腐敗臭やらの匂いがとんでもなかった僕の家がたった数日で変わったのだから、事情を聞きに来たくもなるのだろう。
(前の僕とはもう違うんだ。僕にはたった一人の女の子がいる。)
そう自分に言い聞かせて、身だしなみを整えてから玄関のドアを開けた。
表情で大体わかったが、僕と話すのを躊躇いがちなことが見てとれる。おばちゃんは顔が強張って笑顔がぎこちなく、僕とは少し離れた場所から話していた。
しかし、話してるうちに安心したのか、少し表情が緩み自然に笑っているように見えた。
その後しばらくの間話し込んでいたが、少し肌寒くなってきたので僕の方から話を切り上げた。
こちらの事情は聞かない方がいいと察していたからなのか、一切何も聞いてこなかった。
家に入ってのんびりこたつでぬくぬくと過ごしていると、またベルがなった。
外は寒かったからもう出たくないと思い、インターホン越しに見て出るか出ないか決めよう思った。
重たい足取りで歩いて行き確認すると、そこにはりくが何やら大きい箱を持って立っていたのだ。
出るのは面倒くさかったはずなのに、不思議と足が勝手に動いて、いつの間にかドアを開けていた。
「ここ最近毎日来て、僕に何の用?それでその箱は何?」
「だって今日は嘴加護君の誕生日でしょ?自分の誕生日も忘れちゃったの?」
(そういえば今日は誕生日だったっけか。確か次は15歳だったなぁー)
「ていうか、なんで僕の誕生日知ってるの?僕誰にも言ってない気がするけどなー」
「べ、別に、そんなの、どうだっていいでしょ!!そんなことよりも、早くご飯食べてお祝いするよ!」
(学校中で聞きまわったなんて、言えるわけないじゃん。)
「そんなこと言ったって、デリバリーなんて頼んでないよ?いつもカップラーメンか冷凍食品で済ませるからさ。」
「そんなことだろう思ったからこの箱の中に食材も入れてきてよかった。どうせ冷蔵庫、空っぽでしょ?しっかり野菜も取らないとダメなんだよ?そんな不健康な生活してたから、やせ細って骸骨みたくなったんじゃない?」
(言われてみると、僕って痩躯だな。顔も血色も悪いし、髪もボッサボサだしな。)
「でも、ここ数日は鷺宮さんが来てくれているからなのか、健康な気がするんだよな~」
「へ?・・・・・」
(ガッシャン)
「どうした!大丈夫か!!ケガしてない?僕が片付けるから、あっち行ってていいよ。」
「・・・・・」
「そんなことよりも、な、な、なんてこと言ってんのよ!!」
「何って、僕が思ったことをそのまま言っただけだよ。鷺宮さんは本当に可愛いからさ。毎日ずっと鷺宮さんのこと考えてるし、会うと癒されるんだよ。」
「そ、そうなんだ。うん、そう言ってくれると、嬉しい//」
そう言ったはいいものの、お互い顔は赤く紅潮して、しばらく沈黙が続いた・・・




