月桜
三日月浮かぶ 夜の大空
三日月からのびる 白い月明かり
暗く沈んだ街を ほんのりやさしく照らす
その月明かりのなかを ひらりひらひら
さくらいろの片が ひらりひら
月明かりに照らされながら 手のひらを三日月に向ける
ひらりひらひら ひらはらり…
三日月にかかげた 両の手のひらには
さくらいろの花びらが ひとひら
どこからどう見てもそれは 桜の花びら
桜の時期ではない 夏の夜
月明かりのなかを ひらりひらひら
桜の花びらが ひらりふるる
ああ きっと
月では 今が桜の時期
月に 満開の桜が咲き乱れているのだろうか
月明かりに 両の手をのばし
ひらりひらりと ふるる
桜の花びらに ひとときがいやされる…