電柱にぶつかって転生した件
仕事も車の運転も慣れてきた頃が一番危ない
そんな忠告をよく耳にしてたけど
どこか他人事だった
結局それを経験しない事には、全然響かないし
説得力も現実味も無い訳で
それに対面したらしたで後の祭りなんだが
それはもう自己責任としか言いようがない
仕事で失敗し叱られショックから何処かぼんやり
した運転をしていれば事故って当然だろう
脇見、居眠り、油断と事故る要素は決して多くない
免許を取得し真新しい軽に乗り出して間もなく
バック中に標識に衝突。考え事してたら前方で
停止してる車に気付くのが遅れ衝突。運悪く
その車に妊婦さんが乗っていて血の気が引いた
何かしでかす度に運転自体が怖くなり精神的に
落ち込む訳だが時間がそれを解決した
運転中は運転に集中する。そんな当たり前を常に
意識し気持ちを常備する事でいつしかゴールド免許の
仲間入りを果たした。ゴールド免許は良い
更新期間まで長いし、講習時間は短い
年々老いてく免許の顔写真を見るのは辛いが
最期が何時訪れるか誰にも分らない
どう訪れるのか
どこで訪れるのか
その点俺は、大変だった。常日頃通っている
道で急に猫が飛び出して来てまずソレを避け
側を走っていた三輪車をも避け
犬のクソを避け
田んぼへのダイブを回避した結果、最終的に
電柱にぶつかって停車した
エアバッグが作動した瞬間の光景が脳裏に焼き付いて
間もなく俺は、転生した
痛みを感じさせなかったのは、神様のせめてもの
思し召しか
気付くと俺は、電柱になっていた
最期にぶつかったのが電柱だったからなのか
それは俺にも分らない
永い年月を電柱で過ごした俺に、ある日それこそ
免許取り立てホヤホヤ初心者マークを付けた車の
衝突を受ける事にな
運転主はまだ若い女の子だった、額から血を流してる
もののエアバッグが彼女の命を救い、倒れか掛けた俺は
撤去され、その彼女の子として生を受けるのは
また別の話である
標識に衝突、衝突した前方の車に妊婦さんが乗っていて(しかも後部座席Σ(゜Д゜;))血の気が引いたのはノンフィクションです。でも妊婦さんは勿論、運転されてた方にも異常が無く胸を撫で下ろした出来事は今でもハッキリ覚えてます。