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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第6章 続・それぞれ思ってること編(9歳)
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第113話 ケインと仲間たちの冒険 その2

2018/5/21 誤字修正しました。


 俺たちは薬草の森に足を踏み込んでいった。

 馬車が通り道は轍になっており、比較的森の浅いところを通り抜けるようになっている。この道沿いでなら魔物に襲われる心配はあまりない。

 しかし、薬草を採取するなら途中で通り道から逸れて森の奥に行かなければならない。


 「で、もしかしたらオークがいるかもしれない、だったよな?」


 「はい。ホントかどうか怪しいですが、オークの目撃例があったと報告にあがってます」


 俺たちの部隊は、魔物を相手にする部隊だ。

 外壁の外での活動は、主に街道の巡回や門番を警護することが中心だ。

 なので、街道から西に逸れた薬草の森側は巡回対象外となっている。


 「それにしても、こういう類いの依頼を受けたのっていつぶりだろうなあ」


 「そうね、懐かしいわね。私はこの手の依頼をよく受けてたから余計そう思えるわ」


 などと他愛のない会話を楽しみながら森の奥へと進んでいく。




 「いたわ」


 マリアのネコミミがピクリと反応する。可愛い。

 マリアは左手を上げて立ち止まり、警戒を呼び掛ける。


 ギルドの話よりもしやと思ったが、やはりオークは数体いた。

 この様子だと奥の広場には恐らく20はいるだろう。


 「国旗は見当たらないわね」


 「ああ。だが念には念を入れて一声かけてみる。それで襲ってくるようなら魔物だ」


 「万が一で間違えたら後味悪いですものね」


 「……(こくり)……」


 オークやオーガ、それだけでなくゴブリンも、言葉を理解し文化的な上位種は魔族扱いとなる。

 ここサンライト王国はシューベルト魔王国と友好関係である。

 このため、オークなど魔物と間違えられやすい種族は、トラブルとならないよう魔王国外においては魔王国の国旗など身分を示すことがルールとなっている。


 しかし、旗がない場合は魔物として処理されても仕方ないとされている。

 魔族の彼らが魔王国から国外に出ることはほとんどない。

 それに魔族と魔物では服装からして違う。彼らは間違われるのが嫌なのか身だしなみにはとても気を付けるようだし。

 このため、間違いなくあれらは魔物だと思われる。


 しかし、俺は騎士団長だしマリアたちはギルド職員ということもあり、念には念を入れて声をかけて確認する。様式美ってやつだ。

 魔物であればコミュニケーションを取ることは不可能だしな。


 声をかけることで奇襲できなくなるデメリットはあるが、俺たちほどの実力があれば問題にはならない。


 俺は草むらから出て声を上げる。


 「俺はサンライト王国騎士団、第三部隊隊長のケインだ! あなたたちはシューベルト魔王国の民か! 返答されたし! 繰り返す! あなたたちはシューベルト魔王国の民か! 返答がない場合、魔物として対処させていただく!」


 そこにいるオークだけでなく、奥にいるオークもすぐに殺気だち、襲いかかってきた。


 「返答無し! 法に則り、魔物と認定する! これより討伐を開始する!」


 俺は剣を抜き、掴みかかろうとするオークを切り捨てると同時にマリアたちも潜んでいた草むらから飛び出す。



 サラは抜剣して構え、詠唱を始めた。


 「我は望む。其は魔力の器なり。器に注ぐは血族の魔力。強く、強く、阻まれることなき力なり。新緑の力(シャーウッド)


 事前に聞いていた一族固有の魔術。

 サラが緑色の優しく、しかし力強さを感じる魔力に包まれる。


 ヒュヒュン!


 サラは縦に一閃し続けざまに横に払うと、サラよりも巨体のオークは4分割された。



 「…………」


 ミスティは腰にかけている薄いバッグの留め具を外し、本を取り出した。他に武器らしい武器は持っていない。あれが彼女の武器だ。


 「……『インデックス』起動……目標を駆逐する……」


 ミスティの本が魔力に包まれると、ひとりでに浮き、ページが捲れ始める。


 「……氷の針(アイスニードル)土の弾(アースバレット)風の刃(エアロエッジ)火炎の玉(ファイアボール)……」


 左右の手から次々魔術が打ち出される。

 すぐにオークは氷の剣山、潰れた何か、バラバラになった何か、炭になった何かに早変わりした。

 やはり【魔導師】の二つ名は伊達ではない。



 次はマリアだ。

 彼女は腰の後ろに差しているダガーを引き抜く。

 自然体でゆっくり近づいたと思うとフッと消えた。

 いや、消えたように見えるだけで、音もなくすごい速さで敵に近づきダガーを振るう。

 オークはまっぷたつになっていた。


 「いやー、さすが【白銀の風】ですね、マリアンナさん。目で追うのがやっとです」


 サラがあっという間に自分を追い越すマリアに感嘆の声を上げた。


 マリアは風の魔法で圧倒的な素早さだけでなく、ダガーの射程と切れ味を増している。

 もちろんマリアが本気を出せば様々な魔法が使えるが、攻撃魔法は好みではないし非常に見立つので、この【風の爪】以外の魔法は滅多に使わないんだとか。



 俺?

 今回俺が使うのは剣と遠距離攻撃のできる弓矢、それにロッドだけだ。

 いくらいろんな武器が使えると言っても、メンテナンスが面倒だからな。

 これくらいの相手ならアポーツの魔術との複合技【アームズレイン】はいらん。って言うより、威力が高すぎるので相手がビビって逃げ出しかねない。


 ちなみに剣と言っても、普通の片手剣ではなくバスタードソードと呼ばれる片手剣と大剣の中間の大きさの剣だ。

 オークはでかいからな。これくらいのサイズの方が都合がいい。



 俺たちは危うげなくオークどもを葬る。

 オーク位に大物になると、魔石を持っていることがある。

 解体はちょっと面倒だがそこそこの値段で売れる。


 しかし、何だかんだとオークは30はいた。

 討伐証明部位の牙は既に回収したし大きさも大したことはないが、魔石までとなると数が多いので解体が大変だ。


 さて、どうしたもんかと思案すると隣にマリアが来ていた。


 「ケイン、この子を使って」


 「ん? っておい、なんでスラちゃん!?」


 なんとマリアはウエストポーチからスラちゃんを取り出して渡してきた。


 「使えったって……それにサラとミスティもいるんだぞ」


 「大丈夫よ。知ってるから」


 サラはこれがあのスラちゃんかーと頷いてる。

 ミスティは無言だが興味津々な感じだ。


 「あ、ああ。ならいいが……スラちゃん、魔石の回収を頼む」


 そう言うと、スラちゃんは俺の手からぴょんと飛び降りてオークに乗る。

 少しすると、スラちゃんがオークの中に沈んでいくような勢いで溶かしていくのが分かる。


 「な、なあ、もしかしなくてもスラちゃんって実はヤバくないか?」


 「別にいつものことよ? 進化前より消化力は上がってるけど大丈夫。だいたいあなたもいつも触ってるじゃない。良し悪しの区別がつく良い子じゃないの」


 スラちゃんは艶々してて触り心地がすごくいいし何より夏場はひんやりするから、家ではよく撫でてるけど、これを見るとちょっと不安になる。

 サラとミスティもここまでは聞いてないって顔をしてるぞ。


 俺の心配をよそに、オークたちは魔石を残してスラちゃんに吸収された。

 あの小さい体のどこに入ったし。


 こんなスラちゃんを普通に飼ってるフランは言わずもがな、マリアも何だかんだと躾てるしやっぱすげえよ。間違いなく母娘だよ。

 ケットシーってみんなこんなもんなの?

 俺は考えることを放棄した。

 若くて美しく可愛い嫁、目に入れても痛くない程の愛娘がいてくれるだけで満足だ。


 とにかく、パトロールをして良かった。

 他のオークやオーガはいなかった。いたらいたで異変が起きている証拠だからいない方が良い。

 これで当日不測の事態が発生することも無いだろう。




フランの知らない間に裏でいろんな人が動いてたりします。

ケインたちの活躍をもっと書こうか迷いましたが、切りが無くなりそうです。

今回はこの辺までです。


次回更新は5/25(金) 17:00の予定です。

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