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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第6章 続・それぞれ思ってること編(9歳)
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第112話 ケインと仲間たちの冒険 その1


 そうそう、教育と言えば去年俺はフランたちの講師をやったな。

 ちょうどその頃の話を思い出した。


 俺とマリアはフランたちの休息日に冒険者ギルドにやってきていた。


 「マリアとこうして肩を並べて冒険に行くのは久々だな」


 「そうね。久々で勘が鈍ってそうだわ」


 「なあに、軽い運動みたいなもんさ。徐々に慣らせばいいさ」


 「それもそうね」


 俺たちが冒険者ギルドに来たのは特別クエストをするためだ。


 「ケインさん! マリアンナさん! おはようございます!」


 「……おはよう……」


 サラとミスティはすでに冒険者ギルドに来ていた。

 二人には今日のことは事前に話を通してある。

 俺とマリアは挨拶を済ませ、受付に並ぶ。


 「……なんでお前が受付やってんだよ」


 「いやあ、ギルドの優秀な職員を3人も貸し出すのだし、私の承認が必要だからね」


 俺はなぜか受付にいるギルマス(トロイメライ)にジト目を送る。


 「それも特別クエストとなればね」


 ギルマス(トロイメライ)の言葉にギルド内にいる冒険者たちに緊張が走る。


 「おい、紛らわしい言い方はやめろ。っていうか、お前じゃなくてサブマスのアクアでも問題ないだろ。ほら、後ろですごい睨んでるぞ」


 「そうかい? まるで北の黒龍でも相手にするのかのようなそうそうたるメンバーじゃ仕方ないじゃないか」


 黒龍のキーワードにギルド内にいる冒険者たちの緊張が高まる。

 現役ミスリル(Cランク)のミスティ、ゴールド(Dランク)のサラ、さらに元ミスリル(Cランク)マリアの3人に加えてアダマンタイト(Bランク)の俺までいるから仕方ない。

 依頼者たちもただならぬ雰囲気を察し始める。

 騒然としていたフロアが一気に静まってしまった。


 「おいバカやめろマジで」


 「ギルマス、からかうのはその辺にしてください。彼らは今度フランちゃんが向かう薬草の森にパトロールに行くだけです。冗談でも不安を煽るようなことは言わないでください。つねりますよ」


 「いたたたたっ!」


 アクアはギルマス(トロイメライ)の返事を待たずに頬をつねる。


 「そうだぞ。フランが行くんだから事前に問題ないか俺らが自らの目で確認しに行くだけだ」


 緊張が高まった空気が白けていくのが分かる。

 後ろの方から「親バカだ……」だとか「だから言ったろ?」だとか「フランちゃんが行くなら仕方ないな」とか聞こえる。


 ほら!

 だから注目を集めるようなことするなっての!

 別にフランのためだから恥ずかしいということないけど、迷惑だろうが!


 「まあまあ、君たちがパーティを組めば嫌でも注目を集めるじゃないか。だったら、こうして緩いやりとりしてなんでもないことを知らせた方がいいじゃない」


 んなこと分かってる。

 それにオークの目撃例があったのでパトロールって言うのも本当だ。

 薬草の森には稀にオークやオーガが出没するときがある。

 もしやつらがいたとしたら説得する(・・・・)のもお前が見越してるのもな。

 ったく、相変わらずやりにくいやつだ。




 俺たちはいつも通りに戻ったギルドを出て、薬草の森に足を進める。

 外壁の外に出ると人はほとんどいなくなる。

 部隊の騒がしさは活気があって好きだが、たまには少人数でのんびりするのも悪くはない。


 「それにしても、度々話しはしてますけど、こうしてパーティ組んで一緒に冒険するのは初めてですね!」


 「そうだな、お互い見知った仲なのに機会がなかったな」


 「ですね! それにアダマンタイト(Bランク)の冒険者とパーティ組む機会は滅多に無いので嬉しいです! それと、ケインさんの技は聞いてますが、実際見れるのかもしれないので楽しみです!」


 「ケインのあれはすごいわよ」


 「おいおい、そんなポンポン使わないぞ」


 サラもマリアも期待してくれるのは嬉しい。

 でも期待してるところ悪いが、今日は必要になることはないだろ。


 「……事前に技の特性を伝え合っておけば緊急時に困らない……」


 と思ってたらミスティから至極全うな意見が出た。

 冒険に絶対なんてことはないので、情報共有として森の前の休憩場所で代表的な技の概要を伝えあうことにした。


 サラの得意技は、身体能力を強化するシャーウッド家に伝わる固有魔術だ。単純だが使い勝手がよく強力だ。

 攻守に使えるだけでなく、味方の支援にも使えるところも素晴らしい。


 ミスティは、魔術の詠唱破棄をする独自の魔法によって魔術の乱れ撃ちができるようだ。

 さらに火水風土の基本4属性すべて使いこなせる。

 【魔導師】の二つ名通りすさまじい。


 マリアは、風魔法による無音高速移動と風の爪という飛ぶ斬撃だ。

 冒険者を引退したと言っても【白銀の風】の二つ名に偽りなし。

 俺の妻は可愛く綺麗なだけじゃなく、かっこいい。


 最後に俺は、武器を手元に召喚する魔術「アポーツ」を駆使して剣、槍、斧、ダガー、弓、ロッド(魔術)など状況にあった最適な武器で戦うことを得意とする。

 もちろん単に武器を振るうだけではなく、「アポーツ」を応用して武器を上空から下方向に打ち出す技もある。

 ちなみに「アポーツ」だけは無詠唱で使える。昔色々あってできるようになった。


 「ケインさんすごいです! その技を使って大型の魔物を倒してるんですね!」


 「まあな。それよりも俺はミスティがアダマンタイト(Bランク)でもおかしくないと思うぞ。使える魔術と魔素保有量によってはオリハルコン(Aランク)クラスの戦力に匹敵するんじゃないか?」


 「……等級に興味はない。それとこれは燃費はあまりよくない……」


 やはりというか、ミスティはアダマンタイト(Bランク)ほどの実力があるのは間違いなさそうだ。

 アダマンタイト(Bランク)まで等級が上がると国から勧誘が来たり、色々と制限が出だすからな。

 それと瞬間火力や範囲を考えるとすさまじいが、どうやらミスティの言う魔術乱れ撃ちはそう都合のいいものでもないようだ。

 上級や特級魔術の乱れ撃ちはロマンがあるので使えるかどうか気になるところだが、仮に使えたとしても魔物の大群暴走(スタンピード)でもなければ絶対に使わないだろう。


 いずれにしろ、今回の冒険はパトロールにしては過剰戦力には違いないが、フランたちの安全には代えられないので問題ない。

 俺たちは森の奥深くまで入っていった。




次回更新は5/21(月) 17:00の予定です。

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