第109話 アイテムボックスに入れるには?
今回はちょっと短めです。
アイテムボックスの開発は思った以上に難しい。
う~ん……ゲームみたいにアイコンとか絵とかそういう感じになればいいんだけど。
「なんかさ、こう、物が入ってるっていうより、絵みたいになったら分かりやすいのになあ……」
ポツリとこぼすと、テーブルに頬杖ついてるアイリがハッとしてエリーとアイコンタクトすると、私に振り返った。
「ね、ねえフラン。今言ったことをもう一度言って?」
「んーと、物が入るってとこ?」
「そ、その後よっ」
「絵みたいなら分かりやすい、だったっけ?」
「「それだわ(ですわ)!」」
突然二人が身を乗り出して私に迫ってきたので、思わずちょっと驚いてしっぽがぶわってなった。
「さすが私たちのフランですわ!」
「えっ、なに? 何がそれなの?」
どういうこと?
「ああもう、ホント、コテンって首をかしげる姿が可愛いわね! 多分、これで解決よ! 収納先を絵にしちゃえばいいのよ!」
「な、なるほど?」
「絵にしてしまえば大きさや重さは関係ないですわ。アイテムごとに分けて絵にしてしまえば互いに干渉しませんし、絵だから時間は止まったままですわ」
「つまり、アイテムの絵をまとめて本にしちゃえばいいのよ!」
「あー、そういうことね」
確かにそれならやりたいことの理想をほとんど詰め込めてる。
なんとなく呟いたことを二人が拾ってくれて良かった。スルーするところだったわ。
「さすがフランとしか言いようがないわね。まさにこの閃きこそ天才ネコミミ魔法少女よ!」
「ですわ!」
「え、いや、天才じゃないし、そんなことより、肝心のアイテムをどうやって絵にしよっか?」
三次元の物体が二次元の絵になるとか不思議。
うーん、分かりそうで分からない、喉まで出かかったような妙な感覚。なんか良い案がないかな。
「例えば絵の具のように紙に書き込むイメージはどうですの?」
「アタシは紙に閉じ込める、みたいなイメージかしら?」
「あ、それいいね。それなら分かりやすいかも。んーと、とりあえずイメージしてみるね」
後は二人のイメージを具体的な手段に落としてみよう。
「アイテムを魔力で包んで絵の具のように変換するイメージと、絵本の方も魔力で包み、対になるアイテムが書き込まれるイメージ、最後に書き込みが終わったら扉を閉めて鍵をかけて封印するようなイメージ。これなら魔法の効果が切れてもそのままになるかな?」
「おおお! すごいすごい! なんだか無理かもって思ってたことが出来そうになってきて、わくわくが止まらないわ!」
「そうですわ! 魔法作りってとっても楽しいものですわね!」
二人にもそう言われて、私も嬉しくなってきた!
早速試してみよう!
「えっと、じゃあ試しにやってみるね。アイリ、そのメモ帳の白紙のページちょうだい」
「もちろんよ! 好きなだけ使って良いわよ!」
「収納するものはこのティーカップをお使いになさって」
「や、失敗したらティーカップがどうなるか分かんないし、まずは石ころで試してみるよ」
このティーカップ、気にしちゃいけないと思って意図的に意識から外してたけど、絶対高価だよね。いきなりは怖くて無理だよ。
私は花壇にある石ころをいくつか拾って……こようとしたら、スーパーメイドのスーさんが石ころを手渡してくれた。さすスー。
お礼を言い、早速試してみる。
まずは右手で石ころを摘まんで魔力で包む。
次にメモ帳も魔力で包む。
うん、こんな感じかな。
最初だから丁寧に均一に魔力で包む。
そして、イメージをする。
包んでる魔力を含めて新たに魔力を放出する。
いつものように世界に働きかける感覚がして、魔法が発動した。
その感覚と同時に、私は石ころを手放す。
石ころはメモ帳の上に落ちて、ぴしゃっと音が鳴りそうな感じでそのまま沈んだ。
メモ帳の下にあるテーブルに石ころが当たった音はしない。
「あぁ、良かった。できたっぽい」
メモ帳を覗き込むと、写真のように写った石ころの絵があった。
「さすがフラン! アタシたちにできないことを平然とやってのける! そこに痺れる憧れるぅっ!」
「や、私だけじゃここまで無理だよ。みんな一緒だからできたんだよ!」
「おーーほっほっほっ! そうですわ! 三人で作ったのですわ! 素晴らしいですわー!」
私たちはお互い手をとり、ハグしながら喜びあった。
次回更新は5/10(木) 17:00の予定です。




